2026年8月7日、あんしん少額短期保険株式会社と未知株式会社が共同で医療保険に関する実態調査の結果を発表しました。この調査から、医療保険は多くの人に身近な存在である一方、加入や選び方に悩みを抱えている人が少なくない実態が明らかになりました。本記事では、同調査の結果を元に、日本人の医療保険の加入状況と加入理由を詳しく見ていきます。
医療保険加入率と加入・検討のきっかけ

調査によると、医療保険に「現在加入している」と答えた人は全体の64.0%(300人中192名)でした。過去の加入経験者も含めると、医療保険と何らかの接点がある人は約74%にのぼり、多くの人が病気やケガの経済的リスクに対して保険で備えようとしていることがわかります。
一方で、「加入したことも検討したこともない」と回答した人は13.7%(41名)存在しました。過去に加入していたが現在は加入していない人も含めると、約4人に1人は現在、医療保険に加入していない計算になります。
- 現在の加入率:64.0%
- 加入・検討経験を含めた接点:約74%
- 加入・検討したことのない人:13.7%
病気・ケガへの備えやライフイベントがきっかけに
医療保険に加入したり、加入を検討したりするきっかけはどこにあるのでしょうか。調査では、最も多かった理由が「病気やケガに備えたいと思ったから」で、回答者の58.3%が挙げました。次いで「入院費用が不安だったから」(38.3%)、「年齢を重ねて健康に不安を感じたから」(19.7%)と、健康リスクへの直接的な不安が加入の強い動機となっています。
また、社会人のスタートや家族を持つことなどのライフステージの変化も、加入を後押しする要因です。「就職・結婚・出産などライフイベントがあったから」をきっかけに挙げた人は14.0%いました。さらに、「家族や知人にすすめられたから」(17.0%)という回答も上位にあり、周囲からの影響も無視できません。単なる「なんとなく必要」ではなく、具体的な生活の変化や他者の助言が、加入への一歩を踏み出すきっかけになるケースが多いようです。
医療保険の種類への理解度と認知度

前のセクションでは、医療保険の加入率や加入のきっかけについて見ました。しかし、医療保険には様々な種類があり、それぞれ特徴が異なります。調査では、この種類の違いについて、多くの人が十分に理解できていない実態が明らかになりました。
医療保険の種類を理解している人は、どのくらいいるのでしょうか?
調査対象者300人に「医療保険の種類の違いをどの程度理解していますか?」と尋ねたところ、「十分に理解している」と回答した人はわずか3.0%にとどまりました。「ある程度理解している」を合わせても45.0%です。逆に、「あまり理解していない」「まったく理解していない」を合わせると55.0%にのぼり、過半数の人が理解不足を自覚していることがわかりました。
一方で、商品名そのものの認知度は異なる傾向です。「掛け捨て型医療保険」は82.7%、「終身医療保険」は71.3%と、名前を知っている人は多いことがわかります。しかし、「引受基準緩和型医療保険」の認知度は4.0%と極めて低く、名称を聞いたこともない商品もあります。
このことから、名前は知っていても、その内容や他の商品との違いを正しく理解できている人は多くない、という大きなギャップがあるのです。
このようなギャップが生まれる背景には、保険商品の専門性の高さがあります。一般的に、医療保険は主に以下のような種類に分けられますが、違いを正確に説明できる人は限られるでしょう。
| 保険の種類 | 主な特徴 |
|---|---|
| 掛け捨て型 | 保険期間中に保障を受け、満期返戻金がない分、保険料が比較的安い。 |
| 終身型 | 一生涯保障が続き、死亡時に死亡給付金を受け取れる場合が多い。 |
| 貯蓄型 | 保障に加え、満期時に積立金や給付金を受け取れる仕組み。 |
| 定期型 | 一定期間のみ保障が有効。期間終了後の更新は保険料が上がる場合がある。 |
保険を選ぶ際には、このような種類の違いを理解した上で、自分が重視するポイント(保険料の安さ、一生涯の保障、貯蓄性など)を明確にすることが大切です。
医療保険を選ぶ際の重視点と悩み
前のセクションでは、医療保険の種類について多くの人が理解不足であることをお伝えしました。では、実際に医療保険を選ぶ際、皆さんは何を重視し、どこで迷うのでしょうか。
調査では、医療保険を選ぶ際に最も重視する項目として、「月々の保険料」が55.0%で圧倒的に1位となりました。次点は「保障内容の手厚さ」で23.0%でした。この結果から、多くの加入者が長く続けられる保険料を基準に商品を絞り込んでいることがわかります。
具体的な保険料のイメージとしては、「妥当だと思う月額保険料」について「1,000〜2,999円」が41.0%で最多でした。次いで「3,000〜4,999円」が29.3%、「1,000円未満」が16.3%と続きます。単に安ければよいというよりも、手頃な範囲で一定の保障を得たいという費用対効果を重視する傾向が見て取れます。
- 保障内容をどこまで手厚くすべきかわからない(49.0%)
- 掛け捨て型と貯蓄型のどちらがよいか(41.7%)
- 保険料の相場がわからない(38.7%)
一方で、保険料を重視する一方で、具体的な保障内容については強い迷いがあることも明らかになりました。選ぶ際に迷ったことの1位は「保障内容をどこまで手厚くすべきかわからない」で、実に約半数(49.0%)がこの悩みを抱えていました。また、「掛け捨て型と貯蓄型のどちらがよいか」(41.7%)、「保険料の相場がわからない」(38.7%)も多くの人が戸惑うポイントです。
つまり、多くの人は適正な保険料で、自分に必要な保障を得たいという願望を持ちながらも、その具体的な内容やバランスをどのように決めればよいのか判断に苦しんでいるのです。次回のセクションでは、このような悩みを解決するための具体的な考え方について見ていきます。
将来への不安と知識ニーズ

医療保険を選ぶ際には、現在のライフスタイルだけでなく、将来の健康リスクへの備えも重要です。調査からは、多くの人が将来の医療費や病気に対してどのような不安を抱き、また、その備えについてどのような知識を求めているのかが明らかになりました。
将来、最も不安な病気は何でしょうか。
「将来の病気や医療費について不安に感じるもの」を尋ねたところ、「がん」が65.7パーセントで最も高い割合を示しました。次いで「入院費用」が58.7パーセント、「手術費用」が52.7パーセントと、具体的な高額な医療費への不安が続きます。「働けなくなること」が44.0パーセントに上り、病気による経済的・社会的な影響への懸念も強いことがわかります。
- がん (65.7%)
- 入院費用 (58.7%)
- 手術費用 (52.7%)
また、糖尿病などの生活習慣病になった場合に、医療保険の加入や見直しを検討したいと思う人は66.0パーセントに達しました。健康状態の変化に応じて保障を見直す必要性は多くの人が感じているといえるでしょう。
しかし、こうした必要性を感じながらも、具体的な知識は不足している実態も浮き彫りになりました。例えば、持病や生活習慣病がある人向けの医療保険について、「内容まで知っている」と回答した人はわずか3.7パーセントでした。必要性は認識されていても、実際にどう備えればいいのかという情報が十分に届いていない可能性があります。
この調査結果は、将来の健康リスクへの備えに対する人々の強い関心と、それを具体化するための情報ニーズの高さを明確に示しています。
相談先と知りたい情報から見えるニーズ

医療保険を選ぶ際に迷いが生じたり、知識不足を感じたりしたとき、皆さんはどこに相談し、どんな情報を知りたいと思うのでしょうか。調査結果からは、具体的な相談先への期待と、個別の状況に合わせた知識への強いニーズが浮かび上がっています。
相談先は「保険代理店」が最多、知りたいことは圧倒的に「自分に合った選び方」
医療保険について相談したい相手や場所を尋ねたところ、最も多かったのは「保険代理店」(34.0%)でした。次いで「保険比較サイト」(32.7%)、「保険会社の担当者」(30.3%)と続きます。専門家への直接的な相談と、自ら情報を比較して収集する手段の両方が重視されていることがわかります。
一方、「医療保険についてもっと知りたいこと」として突出した回答があったのは「自分に合った医療保険の選び方」で、58.3%が挙げました。これは、「医療保険の種類」(36.7%)や「保険料相場」(33.0%)といった一般的な知識を大きく上回る数字です。
多くの人が「保険の種類」や「保険料」といった個別の情報よりも、それらをどう組み合わせ、「自分に合うか」という最終判断の方法を強く求めています。これは、多様な商品の中から、自身のライフスタイルや将来の不安に沿って最適な選択をする難しさを反映していると言えるでしょう。
この結果は、保険選びにおいて、画一的な情報ではなく、個々の状況に応じたアドバイスや判断材料の提供が極めて重要であることを示しています。家族構成や健康状態、将来設計は人それぞれです。商品の特徴を羅列するだけでは、その人が本当に知りたい「自分にとっての正解」にはたどり着きにくいのです。
調査を行った企業の発表資料でも、この結果は「個別ニーズに応じた情報提供・相談支援の重要性を強く示唆している」とまとめられています。
自分に合った医療保険を選ぶための3つのステップ
調査では、医療保険の種類の違いを「十分に理解している」人はわずか3.0%にとどまり、約半数が「あまり理解していない」と回答しています。また、「保障内容をどこまで手厚くすべきかわからない」という悩みを持つ人は49.0%に上ります。このような知識不足や迷いを解消し、自分に合った保険を選ぶには、体系的なステップを踏むことが有効です。ここでは、医療保険選びの基本的な3つのステップをご紹介します。
まずは、医療保険の主な種類とその特徴を押さえましょう。調査では、最も認知されていたのは「掛け捨て型医療保険」(認知率82.7%)で、次いで「終身医療保険」(71.3%)、「貯蓄型医療保険」(50.7%)でした。
- 掛け捨て型:一定期間の保障を比較的安い保険料で得られるタイプです。期間満了後の解約返戻金は基本的にありません。
- 終身型:一生涯にわたって保障が続くタイプです。保険料は掛け捨て型より高めですが、長期的な安心感があります。
- 貯蓄型:保障と同時に解約返戻金を積み立てられるタイプです。保険料は高めですが、満期時や解約時にまとまったお金が戻ってくる場合があります。
まずはこの3つの違いを理解することが、自分に合う保険を絞り込む第一歩です。
次に、ご自身の状況と将来への不安を明確にします。調査によると、加入・検討のきっかけとして「就職・結婚・出産などライフイベントがあったから」(14.0%)という回答があり、人生の節目が保険を見直すタイミングになっていることがわかります。
また、将来不安のトップは「がん」(65.7%)で、「入院費用」(58.7%)、「手術費用」(52.7%)と続きます。ご自身の年齢や家族構成、現在の健康状態を踏まえ、特に何に備えたいのかをリストアップしてみましょう。
最後に、具体的な保障内容と保険料のバランスを検討します。調査では、保険を選ぶ際に最も重視するポイントとして「月々の保険料」(55.0%)が1位でした。月額保険料の妥当だと思う金額では、「1,000円から2,999円」(41.0%)が最多です。
保障内容では、入院1日あたりの給付金(日額)や、先進医療特約など付加的な特約が必要かどうかを考えます。「保障内容をどこまで手厚くすべきかわからない」と迷った場合は、ステップ2で整理した「備えたい不安」に照らし合わせて、優先順位をつけるとよいでしょう。
調査では、医療保険についての相談先として「保険代理店」(34.0%)が最も多く挙げられました。また、「もっと知りたいこと」の1位は「自分に合った医療保険の選び方」(58.3%)でした。知識や経験が豊富な専門家に相談することで、ご自身では気づかなかった視点や、より適切な選択肢を見つけられる可能性があります。
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