2026年8月26日、Sasuke Financial Lab株式会社は、直近3年以内に保険の見直しを行った全国の30〜60代の500人を対象とした実態調査を発表しました。調査によると、保険の見直しにおいて「解約・減額」した人が37.0%、「新規加入・増額」した人が33.6%と、ほぼ拮抗する結果となりました。物価高の影響やライフステージの変化が、保険へのアプローチを二極化させていることが明らかになりました。
物価高とライフステージで分かれる保険見直しの動機

保険の見直しは、家計の負担軽減を目的とした「減らす選択」と、将来への備えを強化する「増やす選択」の二つの流れに分かれています。物価高が続く中、固定費の見直しが進む一方で、結婚や出産、子どもの成長など、ライフステージの変化をきっかけに保障を見直す人も少なくありません。
保険を「解約・減額」した理由の1位は「物価高による固定費削減のため」で29.2%。これに「収入の減少により家計が厳しくなったため」(17.3%)が続くなど、経済的負担の軽減が主な目的です。一方、「新規加入・増額」した人の理由トップは「状況の変化で保障の追加が必要と感じたため」で32.1%。ライフステージの変化や、将来の医療費への不安が動機となっています。
同じ物価高の時代でも、保険の見直しの方向性は真逆に分かれています。生活環境の変化に対応する「増やす」人もいれば、家計の余裕を取り戻す「減らす」人も。どちらの選択も、今の自分に合った保障を見直すという点では共通しています。
| 視点 | 減らした人(37.0%) | 増やした人(33.6%) |
|---|---|---|
| 主な理由 | 物価高、収入減、投資へ資金シフト | ライフステージの変化、将来への不安 |
| 見直した保険 | 生命保険、医療保険 | 医療保険、生命保険 |
| 目的 | 家計の固定費削減 | 万が一への備え強化 |
解約・減額された保険のトップは生命保険

直近3年以内に保険の見直しを行った30〜60代のうち、「解約・減額した」と回答した人のうち、最も多かった対象は「生命保険(死亡保険)・収入保障保険」でした。この保険を減らした人は全体の32.4%にのぼり、見直しの中心的存在であることがわかります。
死亡保障の見直しが最も多い理由
生命保険が見直しの対象になりやすい背景には、ライフステージの変化があります。たとえば、子どもの独立や住宅ローンの完済により、「万が一の際の経済的サポート」の必要性が低下するケースは少なくありません。加入当初は必要だった大きな死亡保障も、現在の生活環境では過剰と判断されやすいため、真っ先に見直される傾向があります。
医療保険やがん保険も対象に
生命保険に次いで、医療保険・女性医療保険も22.1%と解約・減額の対象となっています。また、がん保険・特定疾病保険も12.6%と一定数が見直しを行っており、保障の見直しは死亡保障だけでなく、医療系の補償へも広く及んでいます。
- 解約・減額した保険種類(複数回答)
- 1位:生命保険(死亡保険)・収入保障保険(32.4%)
- 2位:医療保険・女性医療保険(22.1%)
- 3位:がん保険・特定疾病保険(12.6%)
保障内容が今のライフスタイルと合っているかは、定期的な確認が不可欠です。特に死亡保障は、家族構成や経済状況の変化によって必要額が大きく変わるため、一度加入したからといって放置せず、状況に応じて見直すことが大切です。
新規加入・増額される保険は医療保険がトップ

直近3年以内に保険の見直しを行った30〜60代のうち、「新規加入・増額した」と回答した人のうち、最も多かった保険は「医療保険・女性医療保険」でした。その割合は27.1%にのぼり、病気やけがによる入院・通院、高額医療費への備えを重視する傾向が明らかになりました。
「生きているリスク」への関心の高まり
新規加入・増額した保険の種類では、「生命保険(死亡保険)」が21.2%、「がん保険・特定疾病保険」が19.2%と続きました。死亡に対する備えよりも、「生きている間のリスク」、すなわち病気やけが、長期の治療に伴う経済的負担への意識が高まっていることがうかがえます。
女性特有の保障も注目
「医療保険・女性医療保険」という明確な区分がトップに立った点も特徴です。これは、出産や女性特有の疾患に対する保障の必要性が、保険選択において重要な要素として認識されていることを示しています。
見直しで「増やす」選択をした人の多くは、ライフステージの変化や将来への不安をきっかけに、保障の「質」よりも「生きるための経済的安心」を優先しているようです。
「子どもが生まれて家族が増えたことをきっかけに保険を見直しました。万が一のときの保障内容を確認できたことで、以前より安心感を持てるようになりました。」(30代・男性/乗り換え)
NISAや資産運用へのシフトが解約理由に

直近3年以内に保険の見直しを行った30〜60代のうち、「解約・減額した」と回答した人の理由として、「投資・資産運用にお金を回すため」が3位にランクインしました。低金利環境が続く中、貯蓄型の保険よりもNISAなどの資産運用先に資金を振り向ける「積極的な家計運営」を選ぶ人が増えていることが背景にあります。
保険より投資を選ぶ人たち
一部の人は、民間保険の必要性を再考し、「公的制度で十分」と判断して解約を選択しています。その浮いた資金について、「NISAで投資に回している」という声も複数見られました。特に個人年金保険の返戻率と比較して、同じ金額を運用に回す方が「資産形成のスピード感が変わる」と感じている人もいます。
NISA活用で家計の「積極的防衛」
物価高による「固定費削減」が解約・減額の主な理由である一方で、「投資・資産運用へのシフト」は、単なる支出削減ではなく、将来の資産形成を見据えた「積極的防衛」といえるでしょう。保険を見直すことで浮いたお金を、将来の老後資金や教育費の準備へと前向きに活用する姿勢がうかがえます。
保険の見直しは「減らす」ためだけではありません。将来の資産形成を見据え、保険と投資のバランスを見直すきっかけにもなる重要な機会です。
- NISAと保険、どちらに優先してお金を使うべき?
-
まずは現在のライフステージと将来のリスクに応じて、必要な保障を確認することが大切です。その上で、余裕資金がある場合は、NISAなどの資産運用も検討の価値があります。
保険を見直して浮いたお金を投資に回す際には、以下の点を確認しましょう。
本当に必要な保障が維持されているかを確認します。特に医療や介護、死亡保障について、万が一の際の備えが足りていない状態で解約しないようにしましょう。
高額療養費制度や年金、失業保険など、公的制度でカバーできる範囲を正しく理解しておくことが重要です。過剰な民間保険に頼らないためにも、知識を整理しましょう。
投資には元本割れのリスクがあることを理解した上で、どのくらいの期間、どの程度のリターンを目指すのかを明確にします。無理のない範囲で長期的な資産形成を意識しましょう。
見直してよかったこと:保障の「見える化」が共通の実感
保険の見直しを行った30〜60代の多くは、結果が「減額」であれ「増額」であれ、自分の保障内容を改めて確認できたことに納得感を感じているようです。特に「家計の固定費が軽くなった」「もしもの備えが明確になった」といった声が目立ち、見直しを通じた「見える化」が大きな価値として挙げられています。
家計にゆとりができた
保険料の見直しは、家計にすぐさまプラスの影響を与えます。特に「解約・減額」した人の多くが、毎月の出費が減ったことによる「暮らしのゆとり」を実感しています。
保障内容は変えずに掛け金の安い別の商品へ乗り換えたことで毎月の固定費が浮き、家計にゆとりができたので見直して本当に良かったです。
保険料が毎月じわじわ家計に響いてきたので、休日に妻と全部並べて見直しました。無駄が減って気持ちもすっきりしました。
不安が安心に変わった
一方で、「新規加入・増額」した人からは、精神的な安心感が得られたという声が多く聞かれます。ライフステージの変化や将来の不安をきっかけに保障を見直したことで、「備えが明確になった」と感じているのです。
以前よりもしっかりと備えができたことで、今後の生活に対する精神的な安心感がかなり増しました。
子どもが生まれて家族が増えたことをきっかけに保険を見直しました。万が一のときの保障内容を確認できたことで、以前より安心感を持てるようになりました。
見直しの方向性は「減らす」か「増やす」かで異なりますが、共通するのは「自分に必要な保障」を再確認できたという実感です。単に金額を変えるのではなく、保障内容の「見える化」が、納得した選択につながっています。
保険見直しで確認すべき5つのポイント
- 今後のライフステージに合った保障か
- 既存の公的制度との重複がないか
- 現在の収入・支出とのバランス
- 医療・介護など将来のリスクへの備え
- 投資や貯蓄との資金配分の最適解
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