住宅購入を考えたとき、住宅ローンの金利や返済計画について、十分な情報を得られていると感じられるでしょうか。株式会社NEXER Groupとくらすサポート秋田が2026年9月2日に発表した調査によると、住宅購入時に多くの人が金融面での情報不足を実感している実態が明らかになりました。
住宅購入時に最も情報が欲しかったのは「住宅ローンの金利・金利タイプ」

調査では、住宅購入時に金融商品選びについて「もっと情報が欲しい」と感じた点を尋ねました。その結果、最も多くの人が挙げたのは「住宅ローンの金利・金利タイプ」で、回答者の18.5%にのぼりました。これは約5人に1人が金利情報の不足を感じていたことを意味します。
次いで多かったのは「税制優遇・住宅ローン控除」と「将来の資産形成との両立」で、いずれも13.0%でした。さらに「住宅ローン商品の比較」(11.5%)、「購入後の家計・資金計画」(11.0%)と続きます。上位に並んだ項目からは、単に月々の返済額だけでなく、長期的な資金計画や将来設計への不安が浮き彫りになっています。
- 住宅ローンの金利・金利タイプ (18.5%)
- 税制優遇・住宅ローン控除 (13.0%)
- 将来の資産形成との両立 (13.0%)
- 住宅ローン商品の比較 (11.5%)
- 購入後の家計・資金計画 (11.0%)
回答者の具体的な声からは、金利の選択に悩んだという経験や、返済計画が思うように進まず困ったという体験が語られています。また、住宅ローン控除を活用して負担を軽減したい、あるいは返済と資産形成を両立させたいという、より長期的な視点からの情報ニーズも確認されました。
金融アドバイスを受けていない人は半数以上

住宅購入時の金融面での判断は、多くの人にとって負担が大きいものです。しかし、調査によると、住宅購入に関する金融面のアドバイスを「受けていない」と回答した人は53.5%に上りました。大きな買い物であるにもかかわらず、半数以上の人が誰にも相談せずに決断している実態が浮かび上がります。
アドバイスを受けた人のうち、最も役立ったと感じた相談相手は「金融機関の担当者」で20.5%でした。次いで「不動産会社の担当者」(15.5%)、「ファイナンシャルプランナー」(6.0%)という結果です。
金融機関の担当者に対しては「説明が分かりやすかった」「一番多くの実例を扱っているので適切なアドバイスができそうだから」といった声が寄せられました。不動産会社の担当者に対しては「一番やり取りをしている人だし信頼できる人だったから」「専門知識に詳しいので何でも聞けるから」という信頼感が評価されています。ファイナンシャルプランナーに対しては「アフターサポートやさまざまな面で親身になって相談をうけてくれた」「内容が的確だったから」といった点が役立ったと感じられていました。
この結果からは、専門家に相談することで、自分だけでは気づけなかった視点や、より具体的な返済計画のイメージを得られる可能性があることが示唆されています。住宅ローンは長期にわたる契約です。自分に合った選択をするためには、情報を集めるだけでなく、疑問や不安を気軽に相談できる専門家の存在を活用することも大切です。
望まれる金融サポートは「金利優遇」と「家計シミュレーション」
住宅ローンに加えて、どのような金融サポートがあれば住宅購入がより安心できるのか、調査で尋ねています。その結果、最も多くの人が挙げたのは「住宅ローンの金利優遇」で、45.0%に上りました。返済総額に直結する金利負担を軽減したいというニーズが強く表れています。
次に多かったのは「家計・返済計画のシミュレーション」(29.0%)でした。これは、購入後の長期的な資金計画を事前に具体的に把握しておきたいという意識の表れです。そのほか、「住宅購入に必要な保険をまとめたパッケージ」と「住宅ローンの借り換え相談」がともに18.5%で続きました。
- 住宅ローンの金利優遇(45.0%)
- 家計・返済計画のシミュレーション(29.0%)
- 住宅購入に必要な保険をまとめたパッケージ(18.5%)
- 住宅ローンの借り換え相談(18.5%)
具体的に望まれる情報や相談窓口とは
自由回答からは、回答者が具体的にどのような情報やサポートを望んでいるのかが読み取れます。多くの声が共通して求めているのは、「比較できる情報」と「将来を見据えた相談」の二つです。
例えば、「住宅の費用やローン金利を分かりやすく比較できる情報」や、「将来の返済計画をしっかり理解したい」という声が挙がっています。これは、複雑な情報を整理して比較し、長期的な家計への影響を予測するツールへの需要を示しています。
さらに注目すべきは、「気軽に相談できる第三者の窓口」や「購入後も継続して相談できるサポート」を望む声です。住宅購入は一度きりの判断ではなく、その後の生活やライフプランに長く影響します。そのため、単発のアドバイスではなく、長期的なパートナーとして頼れる専門家や相談窓口の存在が、安心感につながると考えられます。
住宅購入時、なぜ専門家のアドバイスが受けにくいのか

住宅購入は、専門用語が多く、複雑な判断を伴う大きな買い物です。それにもかかわらず、調査では半数以上の人が金融面のアドバイスを受けずに購入に臨んでいる実態が明らかになりました。この背景には、専門家に相談することへの心理的ハードルや、情報過多による混乱があると考えられます。
相談への心理的ハードル
金融機関や不動産会社の担当者に相談することに対して、「営業が目的では?」という懸念が働くことがあります。担当者はもちろん、住宅購入者にとって最適な提案を目指しているはずですが、購入者側には「自分に本当に必要な商品を勧めてもらえるのだろうか」という不安がつきまといがちです。
また、ファイナンシャルプランナーなど第三者の専門家への相談は、良質なアドバイスが期待できる一方で、費用がかかることや、そもそも接点がないというハードルもあります。そもそも「どこに相談すればいいのかわからない」という状況が、最初の一歩を踏み出せなくさせている可能性があります。
調査では、アドバイスを受けた人からは以下のような評価がありました。
- 金融機関の担当者:説明が分かりやすかった、実例が豊富
- 不動産会社の担当者:信頼できる、専門知識があり親身
- ファイナンシャルプランナー:的確なアドバイス、相談しやすい
このように、実際に相談した人からは評価の声が上がっています。しかし、多くの人はその一歩を踏み出す前に、心理的な壁に阻まれているのかもしれません。
情報過多と信頼できる情報源の見極め難しさ
今日では、インターネット上に住宅ローンの金利や税制優遇についての情報が溢れています。しかし、情報が多すぎるがゆえに、何が信頼できる情報なのか、また、その情報が自分の状況に当てはまるのか判断が難しい面があります。
情報を自分で集めようとしても、金利の仕組みや控除の要件は複雑で、理解するには時間と労力が必要です。「将来の資産形成との両立」や「購入後の家計・資金計画」など、長期的な視点に立った情報を整理し、自分なりの計画を立てるのは容易ではありません。
自分だけの判断で進めてしまうと、「元金がほとんど減っていなかった」と後から気づくようなリスクもあります。
つまり、適切なアドバイスを受けにくい背景には、「誰に相談していいかわからない」という入口の難しさと、「情報は多いが、自分に合った正しい情報を選び取れない」という中身の難しさの両方が存在しているのです。調査で多くの人が「住宅ローンの金利・金利タイプ」についてもっと情報が欲しいと感じた背景には、こうした複合的な課題があると言えるでしょう。
住宅購入前に確認したい、保険とローンに関するポイント
住宅購入は、大きな借り入れを伴うライフイベントです。調査では、住宅ローンに加え「住宅購入に必要な保険をまとめたパッケージ」があれば安心できると答えた人が18.5%いました。ここでは、住宅購入時に特に検討したい保険と、住宅ローンの関係について確認しておきましょう。
住宅ローンと連動する生命保険の検討
多くの住宅ローンには、「団体信用生命保険(団信)」への加入が条件となっています。これは、ローン返済中に万が一借り手が亡くなったり、高度障害状態になったりした場合に、残りのローン債務が保険で完済される仕組みです。配偶者や子どもが残された場合の経済的負担を大きく軽減する重要な保障です。
団信の内容は金融機関によって異なり、三大疾病(がん・急性心筋梗塞・脳卒中)への保障が付加されているかどうかは特に確認すべきポイントです。また、既に加入している生命保険の保障内容と重複がないか、家計の負担を考慮しながら検討することが大切です。
火災保険・地震保険の役割と選び方
住宅を購入したら、建物そのものを守るための保険も必須です。主なものは「火災保険」と「地震保険」です。火災保険は火災だけでなく、水漏れ、風災、ひょう災、盗難などによる損害も補償の対象となることが一般的です。
地震保険は単独では加入できず、火災保険に付帯する形で契約します。地震や噴火、津波による火災・損壊・埋没などを補償します。地震大国といわれる日本では、その必要性は高いといえるでしょう。保険金額は、建物の評価額や再調達価格を基に適切に設定する必要があります。補償内容や保険料は保険会社によって異なるため、比較検討が重要です。
- 団体信用生命保険の保障範囲(三大疾病保障の有無など)を確認する
- 火災保険の補償内容(水漏れ、風災など)を比較する
- 地震保険の必要性を検討し、付帯するか判断する
- 将来のライフステージ変化(家族構成、収入変動)を見据えた保障を考える
住宅購入はゴールではなく、新しい生活のスタートです。子どもが生まれたり、収入が変化したりするなど、ライフステージが変われば、必要な保障も変わってきます。今回の調査で要望があったように、住宅ローンと保険をまとめて専門家に相談できる機会を活用し、長期的な視点で家計の安心を設計していきましょう。
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