ファイナンシャル・プランナー(FP)による無料の相談サービスを提供する団体が、2025年度の相談状況をまとめました。その結果、相談件数は前年度より増加し、最も多かった相談テーマは「ライフプラン」であることがわかりました。また、利用者の年代は50〜60歳代が中心となっています。ライフステージの節目を迎える年代において、将来設計への関心の高さがうかがえる結果です。
無料FP相談室の2025年度実施状況

日本FP協会が全国8都市(札幌、仙台、東京、金沢、名古屋、大阪、広島、福岡)に設置する「くらしとお金のFP相談室」の2025年度の実施状況がまとまりました。同協会によると、2025年度(2025年4月から2026年3月)の1年間で実施された無料相談の総数は814件でした。これは前年度(757件)から増加しており、家計や将来の資金計画について専門家の意見を求める人が増えている傾向が読み取れます。
- 相談実施総数:814件(前年度比増加)
- 最多相談テーマ:「ライフプラン」
- 利用者の約半数:50〜60歳代
- 相談場所:全国8都市(札幌、仙台、東京、金沢、名古屋、大阪、広島、福岡)
相談内容をテーマ別に見ると、最も多かったのは「ライフプラン」でした。ここでいうライフプランとは、住宅購入や結婚・離婚に伴う資金計画、働き方の設計など、生涯を通じた生活設計全般を指します。次に多かったのは「金融資産運用」、そして「家計収支」に関する相談でした。多くの場合、複数のテーマが絡み合って相談されるため、ライフプランを軸にしながら、具体的な資産の増やし方や毎月のやりくりについてもアドバイスを求めている様子がわかります。
なぜ「ライフプラン」の相談が多いのか

無料のファイナンシャル・プランナー(FP)相談で最も多いテーマが「ライフプラン」であることは、多くの人が将来の長期的な生活設計について具体的な不安や疑問を抱えている証と言えます。特に、利用者の約半数を占める50〜60代の方々にとって、この時期はお金に関する複数の大きな課題が重なる年代です。
ライフプランとは具体的に何か
日本FP協会によると、相談で扱われる「ライフプラン」とは、生涯にわたる生活設計全般を指します。これは単なる貯蓄計画ではなく、結婚や離婚に伴う資金計画、住宅購入、教育費の準備、働き方の選択、そして老後の生活設計までを含む、人生全体のマネープランです。具体的には、以下のような項目が含まれます。
- マイホームの購入資金や住宅ローンの計画
- 結婚や離婚など、ライフイベントに伴う資金のやりくり
- 子どもの教育費の準備と貯蓄のスケジュール
- 仕事と収入の見通し、定年後の働き方
- 老後の生活費や医療費、介護費用の見積もり
ライフステージの変化が相談のきっかけに
50〜60代は、まさにライフステージが大きく変化する時期です。子どもが独立し教育費のピークを過ぎると同時に、住宅ローンの最終返済期を迎えたり、自身の定年や退職後の生活を具体的に考え始めたりします。これまで別々に考えていた「教育」「住宅」「老後」といったお金の課題が、一気に現実味を帯びて目の前に迫ってくるのです。
漠然とした「老後が心配」「貯蓄が足りるか不安」という気持ちを、具体的な数字に落とし込み、客観的な視点で検証したいというニーズが高まっています。自分だけで考えると、感情に左右されたり、情報が偏ったりしがちです。FPのような第三者かつ専門家の意見を聞くことで、より現実的で実行可能な計画を立てられることが、相談を後押ししていると考えられます。
このように、「ライフプラン」相談の多さは、単なる家計管理の悩みを超えて、人生の節目を迎える世代が、残りの人生をどう設計し、経済的に安心して過ごすかを真剣に模索している現れです。専門家を交えて将来を見通すことは、不安を解消する第一歩となります。
FP(ファイナンシャル・プランナー)に相談できること

ファイナンシャル・プランナー(FP)は、家計の総合的な健康状態を診て、長期的な生活設計に沿ったアドバイスを行う「家計のホームドクター」です。ライフプランという大きな枠組みの中で、保険の加入・見直しや住宅取得、教育費・老後資金の準備など、多岐にわたるお金の課題に対して中立的な立場からサポートします。
「家計のホームドクター」としての役割
FPは、単に金融商品を紹介するだけの専門家ではありません。日本FP協会によると、FPは生活者一人ひとりの立場に立って、生涯にわたるライフプランに基づいた長期的かつ総合的な視点でアドバイスを行う存在とされています。この「総合的な視点」が、FP相談の大きな特徴です。
例えば、住宅購入の相談では、単に住宅ローンの返済計画だけでなく、その後の教育費や退職後の生活費までを見据えた資金計画を一緒に考えます。保険の見直しにおいても、家族構成や将来の目標から、本当に必要な保障と不要な部分を客観的に整理します。このように、個別の課題を、あなたの人生全体の設計図の中に位置づけて考えるのが、FPの役割です。
保険の見直しも相談可能なテーマの一つ
日本FP協会が挙げる相談可能なテーマには、保険の加入・見直しも明確に含まれています。これは、結婚や出産、子どもの独立といったライフステージの変化に伴い、必要な保障内容が変わるためです。
多くの場合、保険は個別の商品として検討されがちですが、FPはそれを家計全体の収支や将来のライフイベントと照らし合わせて診断します。例えば、教育費が最もかかる時期に過剰な保障が家計を圧迫していないか、老後の資金準備とバランスは取れているかなど、客観的な視点で保険の適正な役割を見直す手助けをしてくれます。
保険以外にも、マイホーム購入、相続対策、教育費の準備、NISAの活用、老後の生活費対策、住宅ローンの繰上返済など、幅広いテーマについて相談が可能です。
- FP相談を利用すると、具体的にどんなメリットがありますか?
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主なメリットとして、中立的な立場からの客観的なアドバイスが得られることが挙げられます。また、将来のライフイベントに向けた資金計画を立てることで目標が明確になり、漠然とした不安が解消されるケースも少なくありません。さらに、自分では気づかなかった家計の問題点を早期に発見し、解決策を得られることも大きな利点です。
- FPはどのような資格を持っているのですか?
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日本FP協会が設置する相談室では、「CFP認定者」または「AFP認定者」が相談員を務めています。これらの認定者は、金融や法律、税金、不動産など幅広い知識を持ち、高い職業倫理と継続的な研鑽を積んだ専門家です。信頼性の高いアドバイスを受けられるという点で、安心して相談できると言えるでしょう。
「くらしとお金のFP相談室」の利用方法と特徴

ライフプランや家計管理について専門家の意見を聞いてみたいけれど、どこに相談すればいいのか、費用がかかるのではないかと悩んでいる方も多いでしょう。日本FP協会が全国8カ所で提供している「くらしとお金のFP相談室」は、無料でプロのアドバイスを体験できる貴重な機会です。
相談は、日本FP協会の厳しい審査を通過したCFP・AFP認定者が担当します。認定者は高い職業倫理を持ち、継続的に知識をアップデートしているプロフェッショナルです。相談は完全予約制で、無料で50分間の対面相談を体験できます。
無料で50分の対面相談を体験
この相談室の大きな特徴は、費用を気にせずにファイナンシャル・プランニングの専門家と話ができる点です。相談の目的は、単に個別の問題を解決するだけでなく、FPに相談することの重要性を実感し、「家計のホームドクター」としてのFPの役割を知ってもらうことにもあります。
ライフプラン、保険の見直し、住宅購入、老後資金など、具体的に何について話したいかを考えておくと、時間を有効に使えます。
相談は札幌、仙台、東京、金沢、名古屋、大阪、広島、福岡の8地域で実施されています。予約は各開催地ごとの専用Webページからインターネットで申し込みます。
家計の収支が分かるものや、現在加入している保険の契約内容など、相談内容に関連する資料があると、より具体的なアドバイスが得られます。
相談はあくまで「体験」であり、継続的なプランニング契約を前提としたものではありません。そのため、気軽に一歩を踏み出し、自分の家計についてプロの視点を借りてみるきっかけとして活用できます。
ライフプランを見直したい人が次に取るべきステップ
無料のFP相談は、ライフプランについて専門家の意見を聞く良いきっかけになります。相談をより効果的に活用し、自分に合ったアドバイスを得るためには、相談前の準備が大切です。ここでは、相談を検討する際に押さえておきたいポイントを二つのステップでご紹介します。
まずは自身の家計と将来のイベントを書き出す
相談に行く前に、ご自身の現状と悩みを整理しておくと、限られた時間を有効に使えます。以下の項目について、できる範囲でメモを取っておくと良いでしょう。
- 現在の収入と支出の大まかな内訳
- 貯蓄や投資、保険など保有する資産の内容
- 住宅ローンや教育ローンなど現在の借入状況
- 近い将来(5年以内)に予定しているライフイベント(例:住宅購入、子どもの進学、転職など)
- 長期的に考えている目標(例:老後の生活設計、セカンドライフの準備など)
- 漠然とした不安や、特に相談したい具体的な課題
この準備作業を通じて、自分が「何について悩んでいるのか」「何を明確にしたいのか」が自ずと見えてきます。例えば、老後資金が心配なのか、それとも子どもの教育費の準備が課題なのか、焦点を絞ることで相談がスムーズになります。
相談を申し込む際や相談時のポイント
相談を申し込む際や、実際に相談を行う際には、以下の点を意識しておくと良いでしょう。
まず、50分という限られた時間を最大限に活かすため、あらかじめ整理した悩みや目標のうち、優先度の高いものから相談することをおすすめします。住宅、教育、老後など、どのライフイベントについて主に話したいかを明確に伝えましょう。
相談を通じて、より継続的で詳細なプランニングが必要だと感じた場合、有料での本格的な相談を選択肢として検討することもできます。その際は、相談員から今後の進め方についてもアドバイスをもらえるでしょう。大切なのは、自分のライフプランについて主体的に考え、一歩を踏み出すことです。
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