インフレ時代も資産の7割以上を銀行預金で保有する人が過半数 貯蓄の新たな選択肢も登場

インフレ時代も資産の7割以上を銀行預金で保有する人が過半数 貯蓄の新たな選択肢も登場

この記事について

編集責任者 河口 武志(株式会社イード コンテンツマーケティング事業部 部長)が監修しています。制度・数値は厚生労働省・金融庁・各保険会社の公表資料など一次情報にあたって確認しています。詳しくは編集方針をご覧ください。

2026年9月8日、株式会社Habittoはインフレ時代における貯蓄に関する意識・行動調査の結果を発表しました。物価が上昇し続ける中、多くの人が依然として金融資産の多くを銀行預金で保有している「預貯金主義」が続いている実態が明らかになりました。

目次

インフレ下でも続く「預貯金主義」の実態

インフレ時代も資産の7割以上を銀行預金で保有する人が過半数 貯蓄の新たな選択肢も登場

調査によると、日々の生活費以外の余裕資金の保有方法として、最も多くの人が選んでいるのは「都市銀行や地方銀行などの普通預金口座への預貯金」(74.3%)です。次点の選択肢である「ネット銀行などの高利回りの口座への預貯金」(24.2%)や「株式投資(国内株式、外国株式、投資信託など)」(22.8%)を大きく引き離す結果となりました。

調査結果のポイント

金融資産の7割以上を一般銀行預金で保有している人は、全体の65.4%に上ります。これは約3人に2人が、資産の大半を銀行預金に置いていることを意味します。

金融資産の多くを銀行預金で保有

具体的な保有割合を見ると、さらに実態が鮮明になります。保有するすべての金融資産に占める一般の銀行口座への預貯金の割合が「10割程度」と回答した人が33.9%、「7〜9割程度」と回答した人が31.5%でした。合わせると、全体の65.4%、およそ3人に2人が金融資産の7割以上を銀行預金で保有している計算です。

「特に意識せず」が理由の過半数

なぜこれほど多くの人が銀行預金に依存しているのでしょうか。その理由を尋ねたところ、「特に意識せず、これまでもそうしてきたから」が58.1%で最多となりました。多くの人が長年の習慣や惰性によって、明確な目的を持たずに預貯金を続けていることがわかります。

次に多かった理由は「元本が保証されていて安心・安全だから」(38.1%)でした。物価上昇により預金金利がインフレ率に追いつかず、現金価値が実質的に目減りする「インフレ負け」のリスクがあるにもかかわらず、依然として「預貯金=安全」という認識が根強いようです。

物価上昇は実感するも「インフレ負け」リスクへの認識は低い

インフレ時代も資産の7割以上を銀行預金で保有する人が過半数 貯蓄の新たな選択肢も登場

調査では、生活者の82.7%が「以前より物価が上がっている」と回答し、多くの人が日々の買い物を通じて物価上昇を痛感していることがわかりました。しかし一方で、銀行預貯金がインフレの影響を受けるリスクについては、十分に理解されていない実態が浮かび上がりました。

「一般の銀行口座に資金を貯め続けることをリスクと感じる」と答えた人は、全体の48.7%に留まりました。つまり、半数以上がこのリスクを感じていません。参照データによると、2025年の平均消費者物価指数は前年比で3.1%上昇していますが、2026年9月時点での一般的な普通預金の金利は0.4%程度です。

項目数値
2025年のインフレ率(前年比)+3.1%
一般的な普通預金金利(2026年9月時点)約0.4%

この差は、預金金利では物価の上昇に全く追いついていないことを意味します。例えば、100万円を年利0.4%の普通預金に預けても、1年後の名目金額は100万4千円です。しかし、物価が3.1%上昇しているため、その100万4千円で買えるモノやサービスの量は、1年前の約97万円分に目減りしてしまう計算になります。これが「インフレ負け」の実態です。

知っておきたいこと

預金は元本が保証され、いつでも引き出せる安心感があります。しかし、インフレが続く環境では、預金の「安全性」は名目金額(数字)だけのものであり、そのお金の「購買力」(実際に買える価値)は時間とともに低下する可能性があります。このリスクを認識することが、お金の置き方を見直す第一歩となります。

危機感はあっても「どう動けばいいかわからない」というジレンマ

インフレ時代も資産の7割以上を銀行預金で保有する人が過半数 貯蓄の新たな選択肢も登場

調査では、インフレ下での預貯金のリスクや、お金の置き場所を見直す必要性を感じている人も一定数いることがわかりました。「物価高などで実質的なお金の価値が目減りしていく危機感がある」と答えた人は25.2%、「見直しが必要と感じている」と答えた人は19.2%に上り、この2つを合わせると全体の44.4%が何らかの不安や見直しの意識を持っていることがわかります。

しかし、このような意識を持つ人々の多くは、具体的な行動に移せていません。彼らが銀行預金を変えずにいる理由を聞くと、「危機感はあるが、具体的にどう動けばいいかわからない」が41.0%で最も多く、次いで「資産が減っていくのを放置している後ろめたさがある」(28.6%)という回答が続きました。

つまり、多くの人が「このままではまずい」と薄々感じながらも、何をどう変えればよいのかという具体的な方法が見えず、行動に移せずにいるのです。この「知っているけれど、できない」という状態は、資産形成においてよく見られるジレンマと言えるでしょう。

専門家の指摘

同社のアドバイザリー部門責任者は、調査結果について「これは『危機感を持っていない』というより、『危機感はあっても、どう解消すればよいか分からない』状態にあることを示している」とコメントしています。この「わからないから動けない」という足踏み状態を解消するための具体的なアドバイスが求められていることが、調査から読み取れます。

このような状況の背景には、預金とリスクの高い投資の二択しか知らない、あるいは情報が多すぎて選択肢を絞りきれないといった問題があるのかもしれません。インフレ時代においては、単に「貯める」だけでなく、目的や時期に合わせてお金を「守る」部分と「育てる」部分に分けて考える視点が、これまで以上に重要になってくるでしょう。

「守りながら育てる」が理想 新しい貯蓄のニーズ

インフレ時代も資産の7割以上を銀行預金で保有する人が過半数 貯蓄の新たな選択肢も登場

調査では、これからの時代の理想的なお金の置き方を尋ねました。すると、「リスクは抑えつつも、できるなら少しでも資産を増やしたい(守りながら育てたい)」と答えた人が48.5%で最多となりました。これは「従来通りの銀行預金で保有したい」(18.7%)を大きく上回る結果です。多くの人が、インフレ下においても単に「守る」だけではなく、可能な範囲で「育てる」ことを望んでいることが明らかになりました。

この「守りながら育てる」という潜在的なニーズは、調査対象者の意識とも重なります。危機感や見直しの必要性を感じていながら「具体的にどう動けばいいかわからない」と足踏みしている人々が一定数存在しており、従来の銀行預金と積極的な投資の中間的な選択肢を求めている様子がうかがえます。

従来の預金を上回る新たなニーズ

家計再生コンサルタントの横山光昭氏は、調査結果を受けてコメントしています。氏は、預貯金そのものが悪いわけではないとしつつも、インフレが続く環境では銀行口座に置いているだけでは安心とは言い切れないと指摘します。金額は減らなくても、物価が上がればそのお金で買えるものは減っていくからです。重要なのは、「これまでそうしてきたから」と惰性で預貯金を続けるのではなく、お金を「使う・貯める・増やす」の3つに分け、目的に合った置き場所を考えることだと述べています。

ポイント

預貯金と投資の二択ではなく、「守るお金は守り、育てるお金は育てる」という使い分けが、これからのお金との付き合い方の一つの考え方です。

「貯蓄マックス!」の提供開始

このような生活者のニーズに対応するため、株式会社Habittoは2026年9月8日に、「第三の貯蓄」を体現する新しい投資信託「貯蓄マックス!」の提供を開始しました。同社はこの商品を、銀行預貯金とも株式中心の運用とも異なる性質を持つ「Japanese Saving Mindset Products」の第一弾と位置づけています。

この商品は、大きな値動きを抑えつつ、預金金利を上回る利回りを目指す円建ての商品です。住宅の頭金や子どもの教育資金など、3年から5年の間に使う可能性がある資金の、新しい置き場所として提案されています。預金のままではもったいないが、積極的な投資に回すのは不安というジレンマを抱えるお金の選択肢として開発されたとしています。

知っておきたいこと

「貯蓄マックス!」は元本保証の商品ではなく、目標利回りは保証するものではありません。また、通常でも約2カ月かかる換金に、さらに時間を要する場合があります。投資信託である以上、元本割れのリスクがあることを理解した上で検討することが重要です。

ライフステージの変化と資産形成 保険と貯蓄の共通点

結婚や出産など、ライフステージが変わるときは、将来への備え方を見直す重要なタイミングです。保険の見直しが重視されるのと同様に、貯蓄や資産の置き場所も、人生の節目で考えるべきことのひとつといえるでしょう。

調査結果についてコメントした家計再生コンサルタントの横山光昭氏は、お金を「使う・貯める・増やす」の3つに分け、目的に合った置き場所を考えることの重要性を指摘しています。この考え方は、保険を「万一の備え」として「守る」ものと位置づけることと通じるものがあります。

多くの人が「これまでそうしてきたから」という惰性で銀行預金を続けている調査結果は、保障内容をほとんど確認せずに保険を継続しているケースにも重なります。どちらも、現状のままで本当に自分や家族にとって最適なのか、定期的な見直しが必要です。

保険と資産形成の見直し時期の共通点

ライフステージの変化(結婚、出産、子どもの独立など)は、必要な保障内容を見直すタイミングであると同時に、資産形成の目的や方法を見直す機会でもあります。どちらも「現状のまま」では、時代や家族構成の変化に対応できなくなる可能性があります。

横山氏はさらに、「守るお金は守り、育てるお金は育てる」という使い分けを、これからのインフレ時代のお金との付き合い方として提案しています。これは、保険でリスクをカバーし(守り)、余裕資金で資産を形成する(育てる)という、家計管理の基本的な考え方にも沿っています。

目的に合ったお金の置き場所を考える

例えば、子どもの教育資金や住宅購入の頭金など、近い将来に使うことが確実な資金は、元本を優先して安全性の高い方法で「守る」ことが基本です。一方で、老後資金など長期的に準備するお金は、インフレに負けないよう、ある程度のリスクを取って「育てる」ことを検討する余地があります。

「使う・貯める・増やす」のバランスが重要

調査で多くの人が理想とした「守りながら育てる」という考え方は、すべてのお金をリスクの高い運用に回すことではありません。生活費や緊急予備費は確実に「守り」、中長期的な目標のためには「育てる」部分も持つ。保険と資産運用を合わせて、ライフプランに沿った総合的なお金の計画を立てることが、将来の安心につながります。

関連リンク

本記事は「株式会社Habitto」が配信したプレスリリースを元に執筆しています。

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著者

株式会社イード コンテンツマーケティング事業部 部長。

広島大学卒業後に慶應義塾大学の大学院に進学。大学院では『ダイレクト・レスポンス・マーケティングにおけるユーザ行動分析に関する研究』を修士論文としてマーケティングの研究に取り組む。

LiPro(婚活)メディアを始め、めしレポSpicomiCareer Theoryなど多数サービスの責任者を務める。
特定非営利活動法人 広島経済活性化推進倶楽部の理事に従事。

著書「婚活メンパ革命〜自分を削る婚活は卒業!消耗しない人が勝つ「婚活フィルタリング戦略」〜」を発売。

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