クロエが実施した「がん免疫療法についての認識調査」によると、約6割が「免疫療法」を認知しているものの、「免疫チェックポイント阻害薬」であることまで理解していたのは約3割だったことが明らかになりました。調査対象は、治験情報サイト「生活向上WEB」会員1,613名。
がんの免疫療法についてどの程度知っているか尋ねたところ、「くわしく知っている」1.5%、「だいたい知っている」20.0%、「聞いたことはあるが、内容を知らない」41.8%を含め、63.3%が免疫療法を認知していることがわかりました。
がんの免疫療法の具体的な内容を選択してもらった結果では、正しい内容である「免疫チェックポイント阻害薬」を選択したのは27.3%でした。60.6%が回答した「わからない」を除いた12.1%は誤った治療法を選択していました。
次に、免疫チェックポイント阻害薬がどの程度の人に効果がある薬剤だと思うか尋ねたところ、「10~29%」19.9%、「50~79%」18.6%、「30~49%」17.2%と回答がほぼ同等でした。免疫チェックポイント阻害薬を単剤で使用した場合、効果のある人は効果の出やすい人でも20~30%程度のため、過度な期待を持っている人が多いことが伺える結果となっています。
続いて、免疫チェックポイント阻害薬はどのがん種の患者でも保険適応内で投与ができると思うか尋ねました。その結果、正しい回答である「投与できないと思う」は48.8%でした。
免疫チェックポイント阻害薬は、どの程度安全に使える薬剤だと思うか尋ねた設問では、 「とても安全だと思う」2.4%、「安全だと思う」36.5%を含めた38.9%が「安全だと思う」と回答。「安全だと思わない」の約3倍となりました。実際には、免疫チェックポイント阻害薬は従来の抗がん剤にみられる一般的な副作用が出にくい傾向がありますが、重症化する恐れのある副作用が出ることもあります。
次に、がんの免疫療法に保険適用外(自費)のものがあるのは何故だと思うかを尋ねました。その結果、最も多かったのは44.7%が回答した「最新治療のため」でした。続いて、「高価なため」41.7% 、「海外では認められても日本では認められていないため」36.1% 、「効果が不明のため」35.2%。
4位以内での正しい回答は「海外では認められても日本では認められていないため」と「効果が不明のため」であるため、保険適用外の治療法について十分な理解が得られていない可能性が考えられます。
がんの治療方法について等インターネットで調べた際、自由診療による治療の広告が表示されたかを尋ねた設問では、「多数表示された」5.3%と「いくつか表示された」24.7%をあわせた30%が「表示された」と回答しました。
その広告を見た感想のトップは、35.8%が回答した「新しい情報を得ることができたと思った」でした。
そうした治療を受けてみたいと思ったかを尋ねた結果では、「とてもそう思った」5.0%、「ややそう思った」16.0%をあわせた21%が「そう思った」と回答しています。