アフラック生命保険がキャンサー・ソリューションズと共同で実施した「がんと就労に関する意識調査」によると、がん患者の診断1年目の平均休暇日数は「65.8日」でした。調査対象は、がん患者206名、周囲の社員103名、経営者103名の合計412名。
診断から1年以内の体調不良による休暇取得日数を調べたところ、平均休暇日数は「65.8日」でした。2年目以降は30.9日となっており、離職防止上、2年目以降も柔軟に有給休暇や傷病休暇制度を利用できる制度整備が重要だと言えそうです。
復職した患者の体調に関しては、患者の半数以上が「体調は以前の7割以下」と回答。周囲が患者の体調をどう感じているか調べた結果では、罹患前を基準に見ていることがわかった。
次に、会社からの支援について尋ねたところ、患者の6割が「会社の支援はなかった」と感じていることが明らかになりました。経営者や同僚は患者に「支援した」と考えている一方、患者は「支援がなかった」と感じているようです。
産業医に関しては、調査対象者が勤める企業の約65%が産業医を有するにも関わらず、患者からの産業医の認知度は約25%でした。職場での相談先として最も多かったのは56%が回答した「直属上司」。相談しなかった人は約3割いました。
今回の調査結果について、自身もがん経験者であり、長年、がん患者の就労問題に携わってきた桜井なおみ氏は、「治療中の社員と経営者・同僚の間にはさまざまな認識のギャップがあり、両立支援には「制度の充実」だけでなく、個々に配慮した「運用」が重要だと分かりました。患者は、配慮のあり方を伝えて「頼る勇気」を持ち、職場は「頼られる準備」が必要だと考えます」とコメントしています。