こくみん共済 coop〈全労済〉(全国労働者共済生活協同組合連合会)は、「新型コロナウイルス下でのたすけあいへの意識の変容に関する調査」を行い、その結果を発表しました。調査対象は、15歳~79歳の男女3,000名。
新型コロナウイルスによる影響を尋ねたところ、「何らかの影響があった」と69.9%が回答しました。世代別に見ると、他の年代に比べて10代が87.4%と高くなっています。学校・学業が生活のほとんどを占める10代は、コロナによる小中高の休校要請により多大な影響があったことがわかりました。
コロナ禍の影響で最も変化した行動の1位は「外出・レジャー」31.9%、2位は「仕事・学業」21.5%、3位は「人との接触」16.8%でした。世代別では、若年~中年層では「仕事・学業」、高齢層では「人との接触」が最も多くなっています。
10代は「仕事・学業」が6割以上を占め、20代30代の働き盛りの層は「変化がない」と回答する人が他の年齢層よりも多く見られ、仕事の都合で自粛期間中も休めない人も多かったことが予想されます。60代以降の高齢者層は、病院や買い物など日常生活の中で社会的距離を強く感じる機会が多いことから「人との接触」がより強く意識されたと想定されます。
次に、緊急事態宣言下で具体的にどのような人にたすけられたかを尋ねたところ、1位は58.9%が回答した「家族」でした。続いて、2位「社会インフラを支えてくれる人」31.6%、3位「知人・友人・恋人」26.1%となっています。
社会のたすけあいの状況について尋ねた結果では、「たすけあいにあふれている」が46.1%と、前回(コロナ禍前)より19.2%上昇しました。社会の支えあいやたすけあいの変化については、57.9%が「変わらない」と回答。「増えた」は32.8%で、「減った」と回答した9.3%よりも高い数値でとなっています。
次に、たすけあいがあふれる社会に対する共感度を尋ねました。その結果、82.2%が「共感できる」と回答。これからの社会にたすけあいは必要かと尋ねた結果では、「必要である」が90.2%を占めました。
自身のたすけあおうという意識の高まりについては、66.9%が「高まった」と回答。「高まっていない」と回答した人も、「外出を控えたり社会的距離を守ったりと人と接触や交流を避けていたため、たすけあいを感じる機会がなかった」と回答しており、感染を防ぐための行動を通じた無意識のたすけあいが実践されていることがわかりました。