コープ共済連は2026年8月18日、生協組合員を対象に実施したアンケート結果をまとめた冊子「生協のくらしの困りごとヒント集 老後のお金とくらし編」を発行しました。その調査で明らかになったのは、多くの人が抱える老後資金への不安です。約5,000名を対象としたこの調査は、世代を超えた深刻な課題を浮き彫りにしています。
調査で明らかになった老後資金への不安の実態

調査によると、回答者の約9割が「老後のお金に不安を感じている」ことがわかりました。この数字は、老後への漠然とした不安が、多くの家庭において現実的な課題として認識されていることを示しています。
特に注目すべきは世代による意識の違いです。老後がより近い60代から70代よりも、30代から50代の若い世代の方が、不安を「強く感じている」割合が高いという結果が出ています。これは、将来の社会保障制度への懸念や、現役世代として今の家計をやりくりしながら将来に備えることの難しさが反映されていると考えられます。
- 対象:生協組合員 約5,000名
- 約90パーセントが「老後のお金に不安を感じている」
- 30代から50代は60代から70代より不安を強く感じる傾向
- 約60パーセントは「老後のお金を備えることができていない」
一方で、こうした不安があるにもかかわらず、実際に備えが進んでいるとは言い難い状況も明らかになりました。「老後のお金を備えることができていない」と答えた人は約6割に上りました。その主な理由として最も多く挙げられたのは、「備えが必要と意識できていないから」ではなく、「家計の状況に余裕がないから」でした。
この結果は、多くの家庭が老後資金の重要性を認識しながらも、日々の生活費や教育費、住宅ローンなど、より差し迫った支出に追われ、将来のための貯蓄や準備まで手が回らない現実を映し出しています。特に子育てや住宅購入など大きな出費が重なる30代から50代にとって、老後資金の形成は容易ではない課題となっているのです。
Q&A形式で分かりやすく解説「生協のくらしの困りごとヒント集」の内容
この冊子は、Q&A形式で構成されているのが大きな特徴です。単に情報を羅列するのではなく、同じ悩みを持つ人同士の「共感」にも焦点を当てています。掲載された質問は、実際に全国の生協組合員から寄せられた「不安に思うこと」を集めたものです。そして、それらに対するヒントや情報を、専門家の解説だけでなく、経験者のアドバイスも交えながら分かりやすくまとめています。
具体的な内容は、以下の3つの章に分けて展開されています。
- 老後に必要なお金と家計の見直し
- 老後の収入(年金・就労・資産)
- 老後のくらしと亡くなった後のこと
第1章と第2章では、支出と収入という二つの側面から老後資金への備え方を解説しています。第3章では、住まいや健康、そして相続や葬儀に関する手続きなど、お金以外の「くらし」に関する悩みにも答える構成です。
この冊子は、老後資金を考える上で多くの人が抱く具体的な疑問に、段階を追って答えていく手引き書としての役割を果たします。家計の見直しから、年金制度の基本的な仕組み、終活に関する準備まで、幅広いテーマをカバーしているのが特長です。
また、このヒント集は冊子として発行されているだけでなく、ウェブサイト上でも公開されています。多くの人が不安を感じる老後の資金計画について、気軽にアクセスして情報を得られる環境が整えられています。
なぜ若い世代ほど老後資金への不安が強いのか

調査結果では、60代~70代よりも30代~50代の方が、老後資金への不安を「強く感じている」割合が高いことが明らかになりました。この傾向は、公的年金制度の将来像が不透明であるという一般的な背景に加え、世代特有のライフステージによる影響が大きいと考えられます。
30代から50代は、子育てや教育費、住宅ローンの返済など、現役世代としての支出がピークを迎える時期です。目の前の家計をやりくりするだけで精一杯で、数十年先の老後資金まで手が回らないというのが多くの家庭の実情でしょう。さらに、平均寿命が伸びている現在、将来の長い老後期間を考えると、必要な資金総額が大きくなるというプレッシャーも、若い世代の不安を強めている要因です。
このような状況だからこそ、冊子の第1章「老後に必要なお金と家計の見直し」で提供されるヒントは特に重要です。現在の支出を見直し、無理のない範囲で将来へ向けた備えを始める一歩を踏み出すことが、漠然とした不安を解消する第一歩となるでしょう。
将来への不安を感じつつも、具体的な備えに踏み出せていない方は多いのではないでしょうか。まずは今の家計の状況を客観的に把握し、できることから始めてみることが大切です。
老後資金を備えるための第一歩 家計の見直しのポイント
調査では、約6割の方が「老後のお金を備えることができていない」と回答しています。その主な理由は、「家計の状況に余裕がないから」でした。多くの方が将来の備えの必要性は感じつつも、日々の生活費のやりくりに精一杯で、具体的な行動に移せていないのが現状です。老後資金の準備は長いマラソンのようなものです。一気に大きな金額を用意するのは難しいかもしれませんが、毎月の家計を見直すことから、確実に一歩を踏み出すことが大切です。
「支出」と「収入」の両輪で考える
老後資金を準備する基本は、「支出を管理する」ことと、「収入を確保・増やす」ことの両面から考えることです。今回の冊子も、第1章で主に支出面から、第2章で主に収入面から、ヒントを提供している構成になっています。
具体的な取り組み方は、段階を踏んで進めると考えやすくなります。
まずは毎月必ずかかる固定費の削減が効果的です。生命保険や医療保険などの保険料、通信費、光熱費、サブスクリプション料金などを見直すことで、確実に月々の支出を減らせます。特に保険は、加入時のライフステージから変化していることも多いため、保障内容が今の自分に本当に必要か、定期的に確認することが重要です。
公的年金制度の仕組みや、自分がいくらくらい受け取れるのかを把握することは基本です。その上で、定年後の就労継続の可能性や、少額から始められる資産運用など、収入を増やす選択肢についても情報を集めておくことが、将来の安心感につながります。
STEP1で削減できた金額の一部を、老後資金として積み立てる習慣を作りましょう。たとえ月々数千円からでも、長期間続けることでまとまった金額になります。まずは自分の家計の中で無理のない範囲で始めることが、継続の秘訣です。
保険(共済)の見直しも選択肢の一つ
家計の固定費の中で、特に見直しの効果が大きいのが生命保険や医療保険などの保障にかかる費用です。子どもの独立や住宅ローンの完済など、ライフステージが変化すると、必要な保障内容も変わってきます。
老後資金の準備について学びたい方は、今回の冊子の他にも、コープ共済連が全国各地の生協で実施している「ライフプランニング活動」や「くらしの見直し講演会」といった、組合員同士が学び合う場を提供する活動も参考になります。家計や将来の資金計画について、一人で悩まずに、信頼できる情報源を活用しながら、具体的な一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
コープ共済連の取り組み 組合員の声を生かした保障と情報提供
老後資金への不安に対して、具体的な対策や情報を提供する団体の取り組みにも注目が集まっています。2026年8月に「生協のくらしの困りごとヒント集 老後のお金とくらし編」を発行したコープ共済連は、共済事業を専業とする連合会です。この団体の特徴は、組合員の声を直接的に商品開発に反映させてきた点にあります。
「自分たちに必要な保障商品を自分たちで開発し、育てること」を軸に活動を続けており、特に子育て世帯からの支持を集めています。
今回のヒント集も、約5,000名の組合員へのアンケート結果や寄せられた声をもとに作成されています。このように、実際に生活する人々のリアルな悩みを起点とすることで、より実践的で役立つ情報提供が実現されています。保険や共済を選ぶ際には、このような「利用者の声を大切にしているか」という視点も、判断材料の一つになるでしょう。
「ライフプランニング活動」で学び合いの場を提供
コープ共済連は、保障商品の提供だけでなく、知識を深める場の創出にも力を入れています。その一環が、全国各地の生協で実施されている「ライフプランニング活動」です。この活動では、「生きがいづくり」「健康づくり」「くらしの資金づくり」といった幅広いテーマについて、組合員同士が学び合う場を設けています。
- 「くらしの見直し講演会」では、「介護」「終活」「資産形成」「健康づくり」など、老後の生活設計に役立つ多様なテーマを取り上げています。
- これらの取り組みは、単なる情報の一方通行ではなく、参加者同士の対話や共感を通じて、不安を和らげ、解決への一歩を後押しすることを目指しています。
老後資金の問題は、一人で悩みを抱え込むのではなく、信頼できる情報源から学び、ときには同じ立場の人々と話し合うことで、対策の糸口が見えてくることもあります。このような学びの場やコミュニティの存在は、将来設計を考える上での心強いサポートとなるでしょう。
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