三井住友DSアセットマネジメントは、マーケットレポート「世界初の『アルツハイマー型認知症治療薬』を承認」を発行しました。
国内の認知症患者のおよそ7割程度をアルツハイマー型が占めるとされ、海外でも多数の患者を抱えます。その医薬品の開発は抗がん剤以上に困難な領域とされ、いくつものメガファーマ(巨大製薬企業)が挑戦しましたが失敗してきました。
そうした状況の中、米食品医薬品局(FDA)は6月7日に、エーザイと米バイオジェンが共同で開発するアルツハイマー型認知症治療薬候補「アデュカヌマブ」の承認を条件付きで認めると発表。治療薬としては世界初となります。
同薬はアルツハイマー型認知症の原因物質とされるたんぱく質「アミロイドベータ」を除去する効果があるとされ、従来の認知症薬とは異なり、疾患そのものを治療する初めての「アルツハイマー型認知症治療薬」として世界で初めての承認となります。年間治療費は、バイオジェンが5万6,000ドル(約610万円)になると公表しました。
エーザイは認知症領域に経営資源を集中しており、1997年に認知症薬「アリセプト」を開発。欧米大手に先行しましたが、同薬は認知機能を一時的に改善する対症療法にとどまり、投与可能期間も短いことから、症状の悪化を長期的に抑制する治療薬開発を加速してきました。「アデュカヌマブ」以外にも共同開発に取り組むエーザイとバイオジェンは、「アルツハイマー型認知症治療薬」では「レカネマブ」も臨床が進み、期待が高まっています。