三井住友DSアセットマネジメントは、マーケットレポート「間もなく接種開始、新型コロナ『ワクチン実用化』へ」を発行しました。
新型コロナウイルスのワクチンは、今月に入って一部の実用化が現実となる見通しとなっています。12月2日に英当局がファイザー/ビオンテックのワクチンを承認しており、医療従事者や高齢者などへの一刻も早い接種開始が期待されています。
世界の主要薬品企業を中心に急ピッチでワクチン開発を行っており、ワクチン実用化は秒読み段階に入っています。米ファイザー/独ベンチャーのビオンテックや米モデルナ、英アストラゼネカ/英オックスフォード大学などが開発したワクチンは高い有効性が確認され、年内にも接種が始まる見通しとなりました。
ファイザー/ビオンテックとモデルナのワクチンは、新しい種類のワクチンでいずれもmRNA(伝令RNA)技術を使っています。この種類のワクチンの安全性は未知数ですが、様々な病気に対する医薬品を作る試みが長年行われていました。
ファイザー/ビオンテックのワクチンは、12月2日に英当局が承認。英製薬大手のアストラゼネカがオックスフォード大学と開発しているワクチンは、通常の冷蔵庫の温度での長期保管が可能で、価格も低く、途上国へのワクチン供給が期待されます。
一時は開発の先頭集団を走っていた中国は、伝統的手法を活用。英医学誌ランセットに掲載された論文によると、有効性は中程度と評価されています。不活化ワクチンと言われる伝統的な手法でワクチン開発を行う中国ですが、最新技術を使った欧米勢のワクチンと比較するとやや見劣りする模様です。
日本のワクチン開発は、欧米や中国に比べて出遅れたと言われていますが、早ければ明治HD傘下のKMバイオロジクスや塩野義製薬が年内に臨床試験に入ると言われています。他国で確立された技術を使った開発を進めているため、国産のワクチンという選択肢が未知の副作用を心配する人へ提供されることが期待されます。