子供の成長を目の当たりにすると、将来の資産作りについて考える人も多いのではないでしょうか。この記事では、郵便局の学資保険「はじめのかんぽ」について説明します。コース別の特徴紹介や保険料のシミュレーションも行うので、参考にしてみてください。
目次
「はじめのかんぽ」のニーズ
資金を受け取るタイミングを選びたい人向け
「はじめのかんぽ」では、資金を受け取る時期を3通りから選ぶことができます。子供にお金が必要となるタイミングは年齢や進路、家族構成などによって異なります。どの時期に資金を確保しておきたいのか、家庭に合ったコースを選択しましょう。
「はじめのかんぽ」の3つのコースとは?
「大学入学時」の学資金準備コース
大学入学にあたって必要となるお金を準備するコースです。受験の時には受験料や交通費・宿泊費などがかかり、大学に合格した後は入学金や授業料、一人暮らしのための費用などを準備することになります。短期間にまとまったお金が必要となるため、計画的に蓄えておいた方が安心と言えるでしょう。
学資金を受け取る年齢は、17歳満期・18歳満期のどちらかを選択できます。また、保険料を満期まで払い込む「全期間払込」タイプと12歳で払い込みを終える「12歳払込済」タイプがあり、こちらも選択が可能です。
「小・中・高+大学入学時」の学資金準備コース
このコースでは、大学入学時に加えて小中学校・高校の入学時にも学資祝金が支払われます。小中学校や高校へ入学するときには学用品代や制服代などが必要となるため、それぞれのタイミングで学資金を受け取れると余裕を持って入学準備をすることができます。
学資祝金が支払われるのは、小中学校・高校入学前の12月です。大学入学時の学資金を受け取る年齢については、17歳満期と18歳満期から選択することができます。保険料の払込も、「大学入学時」の学資金準備コースと同様に「全期間払込」タイプ・「12歳払込済」タイプから選ぶことができます。
「大学入学時+在学中」の学資金準備コース
大学入学時に加えて、大学在学中に掛かる費用にも備えることができるコースです。大学入学時にまとまったお金が必要となることは多いですが、入学した後にも毎年の授業料や教材費などの出費は発生します。1人暮らしをするのであれば、仕送りのお金も必要になるかもしれません。大学在学中の資金についても前もって準備することができれば、資産計画を立てやすくなると言えます。
学資祝金を受け取れるのは、18歳と19歳および20歳に達したときです。また、21歳の満期時には、満期保険金を受け取ることができます。保険料は、「18歳払込済」と「12歳払込済」のどちらかで払い込むことになります。
「はじめのかんぽ」に共通する保障内容や特徴
契約者が死亡したときは保険料免除
契約者が万が一死亡してしまった場合には、その後の保険料を支払う必要が無くなります。保険金については予定通り受け取ることができるようになっています。
学資保険とは、定期的に保険料を支払い、決まった年齢で受け取る保険です。預貯金と似ているように感じられるかもしれませんが、万が一のときの保障が付いている点が異なります。契約者に不測の事態が起きてしまっても子供へ養育費をのこすことができるため、将来の安心にもつながります。
出生前加入制度がある
「はじめのかんぽ」には、子供がお腹にいるうちから契約できる「出生前加入制度」があります。出生予定日の140日前から加入することができ、契約者は被保険者である子供の父か母に限ります。出産の前後に慌ただしくなってしまう家庭にとって、子供が生まれる前から必要資金を準備しておくことができるのは利点と言えます。
医療保障特約をつけることが可能
「はじめのかんぽ」には、医療特約「そのひから」を付加することができます。「そのひから」で付加できる特約の種類は次の3つです。
・無配当傷害医療特約…不慮の事故による入院や手術、放射線治療を保障
・無配当総合医療特約…病気や不慮の事故による入院や手術、放射線治療を保障
・無配当災害特約…不慮の事故によるケガや死亡の場合、死亡保険金や傷害保険金を給付
学資保険の特約の他、民間の医療保険・公的な子供医療費助成制度なども子供の医療費への備えとなります。それぞれの保障範囲を踏まえ、必要に応じて検討するとよいでしょう。
払い込み方法が選べる
「はじめのかんぽ」の保険料は、次の3通りのうちいずれかによって支払います。
・口座からの引き落とし
・郵便局またはかんぽ生命の窓口での支払い
・所属団体を通じた払込
また、払い込みタイミングにも毎月払い・前納払込みの2通りがあり、生活スタイルに合った方法で払い込むことができます。
「はじめのかんぽ」の保険料シミュレーション
「契約者男性30歳、被保険者男性0歳、基準保険金額200万円、全期間払込18歳満期」という同じ条件で以下の2コースに加入した場合、保険料にはどのような違いがあるのかシミュレーションしてみましょう。
「大学入学時」の学資金準備コース
「大学入学時」の学資金準備コースに加入すると、
・月々の保険料…9,760円
・満期保険金額…200万円
・払込保険料総額…211万円
となります。
保険金として受け取る金額よりも、実際に払い込んだ保険料の方が多くなっている(返戻率が100%を切っている)ということがわかります。当月以降の保険料を3か月分以上まとめて前納すると保険料が割引になる場合もあるため、資金に余裕があるときには前納を検討してみるのもよいかもしれません。
「小・中・高+大学入学時」の学資金準備コース
「小・中・高+大学入学時」の学資金準備コースでは、
・月々の保険料…12,740円
・満期までの受取総額…260万円(満期保険金額…200万円に加えて、小学校10万円・中学校20万円・高校30万円の学資祝金)
・払込保険料総額…275万円
となります。
返戻率が100%に満たない点、前納すると保険料が割り引かれる点については「大学入学時」の学資金準備コースと共通しています。
まとめ
郵便局の学資保険「はじめのかんぽ」には、返戻率がそれほど高くないという一面もあるものの、計画的に貯蓄ができる点や万が一のときにも備えられる点がメリットと言えます。また、郵便局には支店が多いため、手続きや支払いの際に便利に働くことがあるかもしれません。コースごとの違いなども踏まえた上で、比較検討されることをおすすめします。