日本国内にはたくさんの保険会社があり、各社が消費者のニーズに合わせた保険商品を販売していますが、今回は農協(農業協同組合)の保険、JA共済についてまとめました。JA共済の特徴だけでなくメリットやデメリットについても紹介します。
目次
JA共済とは
JA共済の特徴
JA共済は、全国共済農業協同組合連合会(以下JA共済連)と農協(以下JA)が共同で運営している組織です。共済は組合員がお互いに助け合い万が一の時などに備えられる商品で、保障の面で考えれば保険と似た性質を持っています。しかし、共済は助け合いを目的とした保障のシステムのため、JA共済も営利目的の団体ではありません。
また、保険商品を提供している保険会社では生命保険と損害保険のどちらか一方を扱っていることが多いですが、JA共済では、「ひと」「いえ」「くるま」の総合保障を提供しています。
農業従事者以外も加入可能
JAは、元々農業従事者が互いに助け合うことを目的として作られた組織です。しかし、実際には非農業従事者もJA共済に加入することが可能です。非農業従事者がJA共済を利用する場合は、出資金を出資して准組合員になる方法と、員外利用をする方法の二通りがあります。
JA共済のメリットとデメリットとは?
JA共済と民間保険の違い
JA共済と民間保険の違いは、営利目的であるかという点です。例えば株式会社形式の民間保険の場合には、会社全体として利益を追求する必要があります。また、株主の意向が会社の方針に影響を及ぼすことがあります。
一方、JA共済は非営利団体のため、事業方針は営利追求ではなく相互扶助となっています。
JA共済のメリット
まず、JA共済は利益を追求する団体ではないため、保障に対して割安な掛け金で共済に加入できます。できるだけ安い掛け金で保障を得たい人にはメリットと言えます。
二つ目のメリットは、JAは全国にあるため、もし転居しても転居先のJAで契約を引き継げたりサポートを得られるところです。また、共済の加入や解約は基本的にJAの窓口で行う必要がありますが、フォルダー契約をすればインターネットで住所変更もできます。
JA共済のデメリット
一方、JA共済には以下のようなデメリットもあります。一つ目は、助け合いを目的としているため、保障の金額や種類が少ないという点です。前述の通り、JA共済は少額の共済掛金で加入することができますが保障金額を少なく抑えることの裏返しでもあります。そのため自分に必要な保障額をしっかりと見極めた上で、共済を選ぶことが求められます。
二つ目は、契約や解約はJAの窓口に行って行わなければならないところです。保険会社によっては、インターネットで加入できるところも多いため、JA共済の手続き方法はデメリットと思われる方もいるかもしれません。ただし、JA共済には保険の専門員であるライフアドバイザーがおり、ライフアドバイザーを自宅に呼んで手続きすることも可能です。
JAの生命共済:「ひと」に関する保障
一生涯備えられる「終身共済」
終身共済は、一生涯に渡って保障が得られる商品です。契約者に万が一があった場合には、共済金が支払われるため残された家族の生活を守ることができます。
掛け金は80歳で払込が終了になりますが、保障は一生涯継続されます。死亡についての保障が生涯欲しい人に向いている商品です。
貯蓄しながら蓄えられる「養老生命共済」
「養老生命共済」は、貯蓄と保障を兼ね備えた満期のある商品です。契約期間中には死亡などの万が一に備えることが可能で、満期を迎えれば所定の満期保険金を受け取ることができます。支払った掛け金の一部は積み立てられていくため、契約の途中で解約した場合にも解約返戻金を受け取れることがあります。
毎月、あるいは毎年など決まったタイミング掛け金を払う必要があるため、貯蓄が苦手な人でも貯めやすい商品です。
子供の教育資金を蓄える「こども共済」
子供を育てる上で欠かせないものが、教育資金です。「こども共済」は、掛け金を積み立てて教育資金に備えられる商品で、契約者に万が一のことがあった場合には掛け金が免除されるなどの保障もあります。学資金の受け取りは、大学進学などのタイミングに合わせて受け取りが可能です。
養老生命共済と同様、貯蓄を苦手とする人に向いている商品です。
先進医療にも備えられる「医療共済」
医学の進歩に伴って、がんなどの治療に先進医療技術が使われるケースが増えてきました。しかし先進医療には健康保険が医療保険が適用されないため、医療費が高額になることもあります。
JAの「医療共済」は、病気による入院や手術に備える商品ですが、先進医療が保障されるプランを選択すれば先進医療の治療費が保障されます。先進医療を受けられるように保障を整備しておけば、病気を発症しても治療費の心配をすることなく治療できます。
JAの建物更生共済:「いえ」に関する保障
建物や家財を保障する「むてきプラス」
JAには、火災や地震から家を守る建物更生共済「むてきプラス」があります。万が一火災や地震などで家に損害を受けた場合、共済金を受け取ることができます。むてきプラスは貯蓄型の共済で、掛け捨てではありません。
一般的に地震などで家に被害が生じた場合には家財も損傷しているケースが多いですが、むてきプラスには家財専用のプランもあり家財にも備えることができます。また、契約中の建物が損傷したことによりケガや死亡した場合には、共済金を受け取れることもあります。
JAの自動車共済::「くるま」に関する保障
車の事故に備える「クルマスター」
「クルマスター」は、他の損害保険会社が販売する自動車保険に当たる共済です。自動車事故に遭った、もしくは事故を起こしてしまったと場合に保障を受けることが出来ます。バッテリー上がりやインロックを起こした時などのロードサービスを受けることも可能です。
また、JA共済は国の保険である自賠責保険を自賠責共済として扱っています。クルマスターと自賠責共済をセットで加入すると、クルマスターの掛け金が割引になります。
まとめ
JA共済には、メリットがある一方でデメリットもあります。共済や保険に加入する際には、それぞれのメリットやデメリットについて良く知り、自分のライフプランに合った保障を受けられる商品を選びましょう。