日本生命の契約貸付は、解約せずに解約払戻金の範囲内でお金を借りられる制度です。審査がなく、インターネットから手続きすれば当日中に着金することもあります。
ただし利息はかかります。しかも利率は契約日によって大きく違います。古い契約ほど高く、年5%を超えるケースもあります。ネット上には数年前の利率表がそのまま残っていることが多いため、必ずご自身の契約の利率を確認してから利用してください。この記事では、借り方・返し方に加えて、見落とされがちなリスクまで整理します。
契約貸付とはどんな制度か
契約貸付は、解約払戻金の所定の範囲内で保険会社から資金を借りる制度です。契約を解約せずに一時的な資金需要に対応できます。
利用できるのは解約払戻金のある商品に限られます。掛け捨ての定期保険や医療保険では利用できません。日本生命では、終身保険・養老保険・年金保険・学資保険などが対象です。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 審査がない(自分の解約払戻金が原資のため) | 利息がかかる(契約日により年3〜5%台のことも) |
| 信用情報に記録されない | 返済しないと契約が失効するおそれ |
| 使途が自由 | 借入中に保険金・給付金が支払われる場合、元利金が差し引かれる |
| 解約せずに済むので保障が続く | 解約払戻金のある契約でしか使えない |
「保険を解約するくらいなら契約貸付」という判断は、多くの場合で正しい選択です。特に予定利率の高い時期に加入した契約は、いま解約すると二度と同じ条件では入れません。同じ仕組みは他社にもあり、たとえばかんぽ生命の契約者貸付でも解説しています。
【重要】貸付利率は契約日によって異なる
ここが最も注意すべき点です。契約貸付の利率は一律ではなく、保険契約を結んだ日によって決まります。
一般的に、予定利率が高かった時代の古い契約ほど、貸付利率も高く設定されています。1990年代の契約では年5%を超える例もあり、カードローンほどではないにせよ、決して低い金利ではありません。
ネット上の利率表には古いものが多い
検索して出てくる利率表の多くは、数年前の情報のまま更新されていません。
日本生命が公表している「主な諸利率一覧」では、契約日の区分が2012年・2014年・2017年・2022年・2025年といった時点で細かく分かれています。ところが、よく見かける解説記事は「2014年以降は一律◯%」で止まっているものが少なくありません。2014年以降だけでも複数の区分があるため、そうした表を見て判断すると実際の利率とずれます。
加えて日本生命は過去に契約貸付利率の改定を実施しており、利率は金融情勢等により変動することがあると明記しています。2024年以降は市場金利が上昇局面にあるため、今後さらに見直される可能性もあります。
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- ニッセイマイページ(契約者専用サービス)にログインする。ご自身の契約に適用される利率と、借入可能額が確認できます
- 日本生命の公式サイトに掲載されている主な諸利率一覧で契約日ごとの利率を確認する
- ニッセイコールセンターまたは担当者に問い合わせる
借りる前に、必ずこの3つのいずれかで実際の利率を確認してください。本記事を含め、第三者のサイトに掲載された数値をそのまま信じて判断すべきではありません。
借りる方法
インターネットでの手続き
契約者専用サービスにログインして手続きします。あらかじめ送金先の口座を登録しておく必要があるため、急ぎの場合は事前登録を済ませておくとスムーズです。
手数料は無料です。1日あたりの引出限度額が設定されており、それを超える金額を希望する場合は別途手続きが必要になります。
着金のタイミング
手続きした曜日・時間帯によって着金日が変わります。平日の午後早い時間までに手続きを完了すれば当日中に着金し、それ以降や土日祝日の手続きは翌営業日以降の着金となるのが一般的です。
登録口座がゆうちょ銀行の場合は、時間帯にかかわらず着金が遅くなる扱いになっています。急ぎで資金が必要な場合は、ゆうちょ銀行以外の口座を登録しておくほうが確実です。
受付時間や限度額は変更されることがあるため、実際の手続き前に契約者専用サービスの案内をご確認ください。
返す方法
返済方法は主に2つです。
- 契約者専用サービスからの返済:ログインして返済手続きを行う。もっとも確実な方法です
- ATMからの返済:ニッセイカードを持っていて、所定の条件を満たす契約であれば利用できます
金融機関から直接振り込む方法は避けたほうが無難です。どの契約への返済かを特定するのに時間がかかり、その間も利息が発生し続けます。
返済は一括でも一部でも構いません。利息は借入残高に対して日割りでかかるため、余裕ができたときに少しずつでも返済したほうが総支払額は減ります。
返さないとどうなるか
ここが契約貸付の最大の落とし穴です。「返済期限がない=返さなくてよい」ではありません。
元利金が解約払戻金を超えると契約が失効する
返済せずにいると利息が元金に組み入れられて雪だるま式に増えていきます。そして借入元利金が解約払戻金の額を超えると、契約は失効します。
失効すれば保障はなくなります。長年払い続けてきた保険が、借りたお金を返さなかったために消えてしまうという事態が実際に起こり得ます。特に古い契約は貸付利率が高いため、増えるスピードも速くなります。
保険金・給付金から差し引かれる
借入中に死亡保険金や満期保険金が支払われる場合、元利金が差し引かれた額が支払われます。遺族が受け取る金額が想定より少なくなるため、家族の生活資金として計算していた場合は注意が必要です。
実際の取り扱いは約款で定められています。借入前に、ご自身の契約の約款で失効条件を確認してください。
解約・減額との比較
| 契約貸付 | 減額 | 解約 | |
|---|---|---|---|
| 保障 | そのまま継続 | 減るが継続 | なくなる |
| 利息 | かかる | なし | なし |
| 受け取れる額 | 解約払戻金の範囲内 | 減額分の払戻金 | 解約払戻金の全額 |
| 元に戻せるか | 返済すれば戻る | 戻せない | 戻せない |
| 向いている場面 | 一時的な資金不足 | 保険料の負担を恒久的に下げたい | 保障が不要になった |
一時的な資金需要なら契約貸付、恒久的に負担を下げたいなら減額というのが基本的な考え方です。解約は最終手段と考えてください。解約を検討している場合は日本生命の解約方法は?、税金の扱いは終身保険の解約返戻金は税金がかかる?で解説しています。
よくある質問
審査はありますか?
ありません。ご自身の解約払戻金を原資とするため、収入や信用情報の審査は不要です。信用情報機関に記録されることもありません。
いくらまで借りられますか?
解約払戻金の所定の範囲内です。具体的な金額は契約内容によって異なるため、ニッセイマイページで借入可能額をご確認ください。
返済期限はありますか?
明確な期限はありませんが、返済しないと利息が積み上がり、最終的に契約が失効します。期限がないことと、返さなくてよいことは別です。
掛け捨ての保険でも借りられますか?
借りられません。解約払戻金のない契約(定期保険や多くの医療保険)は対象外です。日本生命の商品ラインナップは日本生命の特徴は?評判の組合せ保険をご覧ください。
まとめ
- 契約貸付は解約払戻金の範囲内で借りられる制度。審査なし・信用情報に影響なし
- 利率は契約日により異なり、古い契約ほど高い。年5%を超える場合もある
- ネット上の利率表は古いものが多い。必ずニッセイマイページか公式の諸利率一覧で確認する
- 返済は契約者専用サービス経由が確実。金融機関からの直接振込は避ける
- 返済しないと元利金が解約払戻金を超えて契約が失効する。期限がないことと返さなくてよいことは違う
本記事は2026年8月時点の公開情報にもとづいて作成しています。貸付利率・限度額・受付時間・手続き方法は変更される場合があります。実際のご利用にあたっては、必ず日本生命の公式サイト、契約者専用サービス、またはご契約のしおり・約款をご確認ください。

