「自分の保険料は周りの人よりも高い?安い?」「保険料の相場はどれくらい?」という疑問が、頭に浮かんだことはありませんか?今回は生命保険料や保険金、入院給付金の相場について説明していきます。自分に合った保険金額を知る方法も紹介していますので、保険加入や保険の見直しを考える際の参考にしてみてください。
目次
生命保険の相場とは?世帯・男女別の年間払込保険料
生命保険を検討する際に「自分と似たような環境の人は、いくらくらいの生命保険に加入しているんだろう」と思ったことはないですか?どのようにして生命保険を選べばいいか分からない場合は、予算面から考え始めるのも一つの方法です。その手始めとして、生命保険料の「相場」を見ていきましょう。
生命保険文化センターが行った「平成27年度 生命保険に関する全国実態調査」によると、1世帯あたりの年間払込保険料は38.5万円となっています(個人年金保険料含む)。その中で最も高い比率を示していたのは年間「12万~24万未満」で、月に1万~2万円の支払いを行っている世帯が全体の約20%を占めています。次いで、「12万円未満」「24万〜36万円未満」が、ともに約16%となっており、月に3万円までの保険料支払いを行っている世帯が、全体の約半数を占めている結果になりました。
続いて、男性と女性の平均値です。調査結果によると、世帯主が男性の年間払込保険料は平均39.3万円、世帯主が女性の場合は平均29.7万円となっています(個人年金保険料含む)。その中で最も多い比率を示していたのは、男性が「12万~24万未満」、女性は「12万円未満」です。男性は約半数、女性は約6割が、年間36万円未満の保険料支払いを行っているという結果になっています。
生命保険の加入件数とその目的
生命保険にはどのくらいの人が加入しているのでしょうか。また、1世帯の加入件数はどのくらいなのでしょうか。その目的と合わせて解説します。
前述の生命保険文化センターが行った調査によると、世帯の生命保険加入率は約9割です(個人年金保険含む)。1世帯の平均加入件数は3.8件で、最も高い比率を示していたのは2件でした。次いで、3件、4件と続き、加入件数が1〜4件が全体の67%を占めています。多くの人が生命保険に加入しており、さまざまなリスクやライフスタイル、将来設計に合わせて、複数の保険を組み合わせている世帯も多いことが分かります。
契約(かんぽ生命除く)の加入の目的として、最も比率が高かったのが「医療費や入院費のため」で 58.5%、次いで「万一のときの家族の生活保障のため」が 53.1%となっています(複数回答)。調査結果では、この2つの項目が、が他の加入目的を選んだ人の割合を、大きく上回っていることから、不測の事態になった場合の生活安定を目的として、生命保険に加入していることが想定できます。また、今後増やしたい生活保障準備としては、「世帯主や配偶者の老後の生活資金準備」が最も多くなっています。
死亡保険金と入院給付金の相場
万一への備えとして、死亡保険金や入院給付金といったものがあります。それぞれの相場を見ていきましょう。
こちらも前述の調査によると、世帯全体の普通死亡保険金額は平均2,423万円となっています。また、世帯主の普通死亡保険金額は平均1,509万円で、妻(男性世帯主の配偶者)の普通死亡保険金額の平均は 807万円という結果です。これに対し、「世帯主に万一のことがあった場合の経済的な備えとして必要」と考える資金総額の平均は5,653万円でした。世帯主の年齢が若いほど、多くの生活資金が必要な傾向にあり、世帯主の年齢が29歳以下では8,666万円、50〜59歳でも5,629万円の生活資金が必要という結果になっています。このことから、子供の独立までは多くの生活資金が必要であることを読み取れます。
世帯主の疾病入院給付金日額の平均は 9,600円という結果でした。最も高い比率を占めたのが「入院給付日額1万〜1.5万円未満」で、次に「日額5,000円〜7,000円」が続いています。一方、妻(男性世帯主の配偶者)の疾病入院給付金日額の平均は8,300円となっています。最も高い比率を占めたのが「入院給付日額5,000円〜7,000円」で、次に「日額1万〜1.5万円未満」が続いています。また、妻(男性世帯主の配偶者)が無職の場合の平均は7,700円となっています。
年代別の加入率・払込保険料・死亡保険額
ライフスタイルの違いによっても生命保険の相場は異なります。ここでは、年代別に加入率・保険料・保障額を見ていきます。
(※世帯主の年齢、個人年金保険を含む)
20代
- 加入世帯率 : 77.5%
- 年間払込保険料 : 24.2万円
- 死亡保険金額 : 2405万円
30代前半(30歳~34歳)
- 加入世帯率 : 86.7%
- 年間払込保険料 : 27.6万円
- 死亡保険金額 : 3093万円
30代後半(35歳~39歳)
- 加入世帯率 : 93.3%
- 年間払込保険料 : 32.9万円
- 死亡保険金額 : 3050万円
40代前半(40歳~44歳)
- 加入世帯率 : 91.4%
- 年間払込保険料 : 41.0万円
- 死亡保険金額 : 3277万円
40代後半(45歳~49歳)
- 加入世帯率 : 95.2%
- 年間払込保険料 : 44.2万円
- 死亡保険金額 : 3287万円
50代前半(50歳~54歳)
- 加入世帯率 : 92.8%
- 年間払込保険料 : 49.8万円
- 死亡保険金額 : 3388万円
50代後半(55歳~59歳)
- 加入世帯率 : 96.1%
- 年間払込保険料 : 49.2万円
- 死亡保険金額 : 3175万円
自分に合った死亡保険金額を知る方法
もし、たった今、自分が死んでしまったら…ということを想像してみましょう。遺された家族には、どのような資金が必要になるでしょうか?突然収入が途絶えるため、まずは生活費を考えなくてはいけません。自分の葬儀代や死後の整理資金に加え、子供の教育費や子供が独立するまでの生活費も大きなものになります。場合によっては引っ越しが必要な場合もあるでしょう。このように、必要となる生活資金の合計額を確かめましょう。
次に、遺族年金や死亡退職金、預貯金など、必要生活資金に充当できる資産の合計を確かめましょう。もし、既に契約している学資保険に育英年金が付加されている場合は、その金額も計上できます。
自分に必要な備え(死亡保険金)は、下記の式で算出できます。
(必要となる生活資金の合計)-(必要生活資金に充当できる資産の合計)=現在の必要保障額
より正確な金額を知りたい方は、無料の必要保障額シミュレーションを利用してみてはいかがでしょうか?遺族年金の計算ができるうえ、教育費の平均なども見られますので、より実際に必要な生活保障資金を知ることができます。
万一のことを考えると、生命保険を万全に整えたくなります。しかし、長期間の支払いを考えずに契約をしてしまうと、家計の収支バランスが崩れ、契約を存続できくなることもあります。まずは必要となる資金と、それに対応できる資金の差額を正確に知ることから始め、無理のない備えへの足がかりにしてみませんか?