子供の教育費を作る方法として、各保険会社や郵便局などからさまざまな学資保険が発売されています。今回はそんな学資保険の中から、JA共済の「こども共済」について詳しく商品内容を紹介していきます。学資保険を検討している人は、ぜひ参考にしてください。
目次
JAの学資保険「こども共済」の特徴
高い貯蓄性と保障
JA共済の発売する学資保険「こども共済」には、進学時期に入学祝金を受取ることができる貯蓄性の高いタイプと、子供に万が一のことがあったときの保障を手厚くしたタイプがあります。学資保険に加入する理由は家庭によって異なるため、様々家庭のニーズに合わせて選ぶことができる商品だと言えます。
年末調整で控除の対象になる
学資保険は、生命保険控除の対象です。年末調整で控除の申告をすればその年の収入から控除額分が差し引かれるため、所得税と住民税の負担を軽減することができます。
生命保険控除を受けるには、JA共済から発行される「払込証明書」が必要です。通常10月~12月にハガキで郵送されるため、大切に保管してください。万が一届かなかったときや紛失してしまったときには、JA共済に問い合わせれば再発行も可能です。
こども共済はクレジット払いが可能
こども共済は2016年4月以降の新契約分については、掛金をクレジットカードで支払うことができます。ただし、クレジットカードの支払いを選択した場合は、掛け金が割引になる「口座振替扱掛金」が適用されません。
クレジットカード払いをした場合、ポイントが貯まりますが還元率はクレジットカードのポイント率によって異なります。口座振替の割引を受けるかクレジットカード払いにするかは、契約時に比べて決めると良いでしょう。
子供に人気のアンパンマングッズ
こども共済は、アンパンマンをキャラクターとして使用しています。そのため、資料請求や見積もり依頼をするとアンパンマングッズをもらえるキャンペーンを行っていることがあります。見積もりや資料請求を検討している人は、グッズを貰えるキャンペーン期間中かどうかを確認してみるとよいでしょう。
JAのこども共済を選ぶ人は?
11歳から入れる学資保険を探している
学資保険の加入には年齢制限があり、多くの学資保険では未就学児までしか加入できません。しかし、JAのこども共済では、加入年齢の上限を12歳と定めています。こども共済は新たに学資保険の契約を検討している人はもちろん、教育資金を充実させるための2本目の学資保険として利用することもできます。
ただし、学資保険は一般的に、加入した年齢が高くなるほど保険料が上がることが多く、給付率(給付総額を払込共済掛金総額で割ったもの)も下がる傾向にあります。こども共済の契約時にもきちんと確認すると良いでしょう。
教育資金準備金として手厚く備えたい
こども共済では、プランによっては給付率が100%を超えるものもあります。教育資金をしっかりと準備していきたいというニーズにも応えることができる商品だと言えます。
給付率は、選んだプランだけでなく加入年齢などによっても変わってきます。掛金を月払いでなく年払いにしたときにはさらに給付率を上げることもできるので、資金に余裕がある人は年払いも検討してみてください。
孫のために祖父母が加入することも
学資保険の場合、加入年齢を60歳までと設定している商品もありますが、JA共済のこども共済は加入年齢が75歳までです。そのため、孫のために学資保険に入りたいという祖父母のニーズにも応えることができる商品です。
祖父母が契約するときには注意点がいくつかあります。1つ目は、健康状態により契約内容が異なる可能性があるということです。
基本的には、こども共済では契約者が死亡または所定の高度障害状態となったときに以降の掛金が免除されます。しかし、健康に不安がある人の場合は「共済掛金払込免除不担保特則」を付加しての契約となり、万が一の時の掛金免除がなくなることがあります。
2つ目は、税金についてです。祖父母が孫を共済金の受取人としてこども共済を契約すると、共済金額によっては贈与税などがかかることがあります。契約の際には、税金まできちんと相談してから加入をすると良いでしょう。
JAこども共済の具体的な内容
学資応援隊(旧すてっぷ)
「学資応援隊」は、こども共済の中でも特に貯蓄性を重視したタイプです。具体的な契約例を見てみましょう。(平成29年4月現在)
父親の契約年齢:30歳
子供の加入年齢:0歳
共済金額:300万円
共済掛金払込終了年齢:18歳
学資金支払開始年齢は:18歳
満期:22歳
上記契約の場合、年払いをした際の給付率は104.7%です。共済掛金払込終了年齢を12歳まで引き下げると、給付率は108.6%に上がります。
払込年齢を引き下げると、掛金支払い時にまとまったお金が必要にはなりますが、給付率を上げることができます。
にじ・えがお
「にじ」と「えがお」は、子供の入学に合わせて入学祝金を受取ることができるため、制服代や学用品代として活用することができます。また、貯蓄だけでなく死亡や所定の後遺障害状態・所定の要介護状態に備えられる商品です。具体的な契約例を見てみましょう。(平成29年4月現在)
父親の契約年齢:30歳
子供の加入年齢:0歳
共済金額:300万円
満期:22歳
入学祝金受取り日:0歳・5歳・11歳14歳・17歳の契約応答日
災害給付特約:200万円
指定代理請求特約付加
上記契約の場合、災害で所定の後遺障害状態となった場合には、程度に応じて10万~160万円の給付金を受け取ることができます。こどもが死亡・所定の後遺障害状態・所定の要介護状態となったときには、「にじ」では500万円(災害)、もしくは300万円(病気)の給付金を受け取ることができます。「えがお」では年齢によって500万円~1,700万円(災害)、もしくは300万円~1,500万円(病気)が支払われます。
JAこども共済に加入する注意点
JA組合員でないと加入できないことがある
JAは、農業従事者を中心とする組合員で構成される非営利団体です。そのため、JAの組合員もしくは出資金を支払って准組合員にならないと共済に加入できないことがあります。ただし、JAは組合員・准組合員以外でも利用できる員外利用を認めているため、組合員や准組合員にならなくても共済に加入できることもあります。
返戻率が元本割れするリスク
こども共済は、選択したプランや契約年齢、掛金の支払い方法などにより、給付率が大きく変わります。高い給付率の契約を結ぶことも可能ですが、場合によっては給付率が100%を切る(元本割れをする)可能性もあります。
給付率を上げるためには、月払いでなく年払いにしたり、掛金払込終了年齢を引き下げたりするなどいくつかの方法があります。契約の際はシミュレーションの給付率にしっかりと目を通し、JAの職員によく相談するようにしましょう。
運営団体が破綻したとき
保険会社や銀行が破綻したときには、生命保険契約者保護機構や預金保険機構などのセーフティネットにより、預けた資金がある程度守られるようになっています。一方、JAにはそのようなセーフティネットはありません。しかし、万が一契約の窓口となっているJAが破綻したときには、他のJAとJA共済連が共同して共済契約を引き受けることにより保障が守られることとなっています。
まとめ
こども共済は教育資金の準備や子供の万が一への保障ができ、多様なニーズに応えることができる商品です。契約の仕方や選ぶプランにより、共済金額や保障内容が変わってきます。自分のニーズにしっかり合ったプランを見つけられるよう、窓口で相談してみてはいかがでしょうか。