銀行で預け入れられる商品のひとつに定期預金がありますが、どのようなメリットや特徴があるのでしょうか。今回は低金利時代でも定期預金でお金を貯めるメリットや、その方法を解説します。
目次
定期預金はいくらから?仕組みを解説
預入金額は銀行により異なる
定期預金の預入金額は銀行によって異なっており、一概にいくらから、とは決まっていません。銀行によっては1円から預けられるところや、1,000円あるいは1万円以上からと決まっている銀行もあります。また、大口定期預金については基本的に預入金額は1000万からです。
少しずつ積立できる積立定期預金とは
月々少しずつ積み立てできる定期預金に「積立定期預金」があります。毎月決まった日に決まった金額を預けて積み立てていく商品で、まとまった資金がなくても定期預金を利用できます。積立期間は自分で決めることができます。
積立定期預金は、子供の教育資金や車検など数年後に必要なお金を少しずつ積み立てていくことを目的に利用することが多い預金です。通常の定期預金と異なり、途中での一部積立金の引き出しや解約にも対応しています。
定期預金の適用金利は金額による
定期預金の適用金利は預ける金額によって変わりますが、一般的には金額が多くなるほど金利も高くなります。金利には固定金利と変動金利があり300万円未満の固定金利の定期預金は「スーパー定期」、300万円以上の固定金利は「スーパー定期300」と呼ばれます。
また、300万円以上の変動金利の定期預金を「変動金利定期預金300」、預入金額が1000万円以上は「変動金利定期1000」といわれます。
満期は数ヶ月や数年など自由に設定可
定期預金の満期日は、数か月から年単位まで自由に設定が可能です。子供の入学や住宅の建設など、生活設計に合わせて定期預金の満期日を選ぶと良いでしょう。
ちなみに、基本的に定期預金は満期を迎えないと解約できない商品です。解約ができても中途解約利率が適用されるため、預け入れた金利よりも低い金利で利息が計算されます。
満期後に自動継続できるやり方もある
定期預金を満期後も継続したい場合、「自動継続」の設定が可能です。「元利金継続型」を選択すれば、定期預金の満期日に元本に利息を加えた金額で同じ期間の定期預金が継続されます。
「元金継続型」の場合は、満期日に元本と同じ金額で同じ期間の定期預金が継続され、利息は普通預金に入金されます。「自動払戻し型」は定期預金の満期日に元本と利息を受け取る方法で、自動継続せずに終了となります。
定期預金のメリットは何?
キャンペーンなら特に金利が高め
定期預金の金利は、通常は普通預金の金利よりも高めに設定されています。キャンペーン中に定期預金を契約すれば、低金利時代でもしっかりと利息が増やせるメリットがあります。また、ネット銀行ではキャンペーン中でなくても都市銀行や地方銀行よりも金利が高く設定されていることがあります。
元本が保証される
定期預金のメリットは、預け入れた金額が満期時点で減るリスクがないことです。万が一預け入れている金融機関が破綻しても、預金保険法により1000万円までは保証されています。
ハイリスク、ハイリターンの金融商品に比べると、定期預金は大きく増やす可能性はありませんが、リスクもないので計画的な資産運用が可能です。確実に増やすことを目的にしている人にとっては、定期預金は適していると言えます。
引き出しにくくお金が貯めやすい
定期預金は途中解約がしにくいため、満期まで継続することが多い金融商品です。自由に引き出せる普通預金では、浪費してしまう可能性もありますが、定期預金であれば満期までは資産が減る可能性は少ないです。また、定期預金は普通預金に比べると金利が高いため、利便性のある普通預金と、確実に貯まる定期預金を使い分けて運用すると利便性が高いと言えます。
定期預金で資産がどのくらい増える?
実際に定期預金に預け入れした場合、どれくらい資産が増えるかを計算してみましょう。ここでは利息の取り扱いを単利としています。
単利とは預けたお金に対してのみ利息を付ける方法です。一方、預けたお金と利息の合計額に利息を付ける方法を複利と呼びます。
複利を選択すると、利息によって雪だるま式に資産が増えていきます。そのため、長期的な運用では複利を選択すると良いでしょう。ただし金融機関や金融商品によっては、預入期間が3年以上の定期預金のみ複利で運用する、など複利を選択できないこともあります。
100万円を定期預金に預けた場合
・税引前金利0.20%の定期預金に預け入れ
預入期間1年 100万円×(1+(0.20%×1年))=1,002,000円
預入期間3年 100万円×(1+(0.20%×3年))=1,006,000円
預入期間5年 100万円×(1+(0.20%×5年))=1,010,000円
300万円を定期預金に預けた場合
・税引前金利0.30%の定期預金に預け入れ
預入期間1年 300万円×(1+(0.30%×1年))=3,009,000円
預入期間3年 300万円×(1+(0.30%×3年))=3,027,000円
預入期間5年 300万円×(1+(0.30%×5年))=3,045,000円
500万円を定期預金に預けた場合
・金利0.30%の定期預金に預け入れ
預入期間1年 500万円×(1+(0.30%×1年))=5,015,000円
預入期間3年 500万円×(1+(0.30%×3年))=5,045,000円
預入期間5年 500万円×(1+(0.30%×5年))=5,075,000円
定期預金以外の資産運用商品は?
個人年金保険
定期預金以外の資産運用商品には、生命保険会社などで販売している「個人年金保険」があります。老後の資金を公的年金だけではなく民間でも準備して計画的に資産を作ることが目的の保険で、運用実績によっては配当金が支払われます。
個人年金には確定年金や保障期間付終身年金があり、払い込んだ保険料には個人年金保険料控除が適用されます。途中で解約すると元本割れする可能性が高く、長期で運用する場合に適している保険です。
投資信託
投資信託は、証券会社や、銀行、郵便局で販売されている商品です。運用会社は、集めたお金の投資を実行する権限を持っていて、信託会社に運用指図を行います。信託会社はそれを受けて株や債券の売買を実行して、投資家は実績による分配金や償還金を受け取ります。
投資信託は、運用実績によっては定期預金よりも資産を増やせる可能性が高い商品です。ただし、保管している期間は信託報酬の費用などの手数料が必要で、元本の保証はありません。
まとめ
定期預金は預ける銀行によって金利に差があり、満期時に受け取る金額も異なります。また、定期預金以外にも資産運用にはさまざまな方法があります。定期預金や個人年金保険の特性について理解を深め、計画的な資産運用をしましょう。