定期預金は普通預金とは異なり、あらかじめ期間を定めて預け入れる商品です。この記事では、満期日の前に定期預金をおろすことはできるのか、満期前におろすときには何に注意すればいいのかなどといった点や、満期金の活用方法などを紹介します。
目次
定期預金で選べる満期の取扱方法は?
自動解約型(満期振替)
自動解約型では、満期を迎えると元金・利息ともに自動的に終了となり、普通預金口座へ移ります。定期預金自体を解約する手続きなどは必要ありませんが、もう一度定期預金を組みたいときにはあらためて契約をする必要があります。満期を迎えるタイミングに合わせてお金の使い道が決まっているときなどに向いている商品です。ちなみに、ゆうちょ銀行では自動解約型のことを「満期振替」と呼んでいます。
元利金継続型(自動継続)
元利金継続型では、満期を迎えると元金・利息ともに預け入れ時と同期間の定期預金へ預け入れることとなります。ただし金利は預け入れ時のものではなく、自動継続を開始した日の金利が新たに適用されます。利息が元本に組み入れられるために複利効果が期待でき、長期の資産形成に適していると言えます。満期時に解約したいときは、申し出て手続きをする必要があります。
元金継続型(自動継続)
元金継続型では、満期を迎えると元金のみを預け入れ時と同期間の定期預金へ預け入れます。利息は普通預金口座に入金されることになります。「定期預金に引き続き預け入れたいけれど、利息は満期ごとに受け取りたい」という人に向いていますが、金融機関によっては取り扱いがない場合もあるため、事前に確認が必要です。
定期預金は満期日におろせる?
自動解約型なら満期日に引き出し可能
自動解約型は満期を迎えると自動的に元金・利息が普通預金口座へ入金されるため、満期日にお金を引き出すことができます。満期日以降は引き続き定期預金に預け入れられることとなるため、満期を迎えた自動継続型の定期預金を引き出したいときには解約の手続きをする必要があります。満期日に引き出すことがあらかじめ決まっている場合、申し込みの段階で自動解約型を選択しておくと良いでしょう。
満期日が休日なら翌営業日に手続きを
満期日が土日祝日などの金融機関の休日にあたっているときは、翌営業日が満期日の扱いとなるケースが多数です。満期日前の営業日に払い戻しの手続きをすると、中途解約の扱いとなってしまうことがあり、預け入れていた全期間に本来よりも低い利率が適用されてしまうため、注意が必要です。そのようなことを防ぐため、満期日前に自動継続から自動解約へ変更手続きをしておくのも一つの方法です。
自動継続型の場合は注意事項あり
満期日を過ぎていたとしても、次の満期日を待たずに自動継続型の定期預金をおろすことは可能です。この場合、すでに満期を迎えた期間については契約当初の金利が適用されますが、満期日以降の期間については中途解約扱いとなり、低い金利が適用されてしまう可能性があることを覚えておきましょう。
定期預金を満期前に解約する方法は?
いつ解約するかを決める
定期預金は「満期までの一定期間、お金を預け入れておく」という商品ですが、基本的には自分の都合に合わせて定期預金の解約時期を選ぶことができます。金利が低くなる場合もあるものの満期前に解約することも可能で、元本割れすることもほとんどありません。ただし、定期預金の中には「新型定期預金」や「仕組預金」などといった途中解約ができない商品もあるため、注意してください。
解約に必要な提出書類を準備
解約時は、本人確認書類(通帳・届出印・運転免許証など)を金融機関の窓口へ持参して手続きを行います。本人以外が解約の手続きをするには委任状が必要となることもあります。必要な書類は金融機関によって異なるため、あらかじめ確認をしておくようにしましょう。ネット銀行の中にはインターネットやテレホンバンキングから解約できるものもあり、手続きに本人確認書類が不要である場合もあります。
満期金の有効的な活用方法は?
資産運用に役立つ保険の契約
資産運用に向いた保険として、個人年金保険や一時払い終身保険などが挙げられます。個人年金保険は、積み立てたお金を将来年金として受け取る商品です。保険の種類によってはリスクがありますが、定期預金を上回る利率が期待でき、貯蓄性も高いと言えます。所得控除による節税効果もあります。
一時払い終身保険は、一生涯の死亡保障がある商品です。一定期間後の解約であれば払込保険料よりも解約返戻金の方が高額となる点、相続税対策になる点などがメリットです。
税金対策になるNISAの開始
「NISA」とは、毎年120万円までの投資で得た収益が最長5年間非課税となる制度です。「つみたてNISA」では、毎年40万円までの投資で得た収益が最長で20年間非課税となります。
「投資」であるため定期預金と比べるとリスクがあると言えますが、節税効果があり、定期預金よりも多くの利益を得られる可能性もあります。非課税制度を利用して積極的に資産運用をしたい人向きの商品です。
まとめ
定期預金は一定期間預け入れておくことが原則の商品です。満期前に解約したいときや、満期を過ぎて解約したいときは、金融機関によって対応が異なることもあるため、金利や手続きをあらかじめ確認しておくようにしましょう。満期後は、より効果的な資産運用ができる商品とも比較して、自分に合った運用方法を選んでください。