資産運用の手段として投資信託を検討する人も少なくありませんが、NISAを活用するとどのようなメリットを受けられるのでしょうか?NISAの特徴や、資産運用時のポイントなどを紹介します。
目次
そもそもNISAとは?
譲渡益や分配金の非課税枠がある
NISAとは、一定金額の範囲内における投資で得た利益が非課税となる制度のことを言います。個人投資家向けの税制優遇制度として、2014年に導入されました。
NISAを利用すると、毎年120万円までの投資によって得られた譲渡益・分配金・配当などが最長5年間にわたって非課税となります。1人につき開設できるのは1口座のみで、他の口座で得た利益との損益通算はできません。
対象商品は上場株式や株式投資信託
NISAの対象となるのは、上場株式やETF(上場投資信託)の他、REIT(不動産投信)、株式投資信託などの商品です。これらの中から任意の投資商品を選んで運用を行うこととなります。
5年後はロールオーバーするか選択
NISAにおける非課税期間は5年間です。期間終了後の対応として、以下の2通りのうちどちらかを選択することができます。
・保有中の投資商品を翌年の非課税投資枠に繰り越す(ロールオーバーする)
・NISA口座以外の課税口座に移行する
NISAで投資信託を選ぶメリット
少額から投資可能
投資信託においては、様々な銘柄から商品を選択することとなります。株式投資で国内の有名銘柄を購入しようとすると、単価が高い上にまとまった数量(100株単位等)を購入する必要があるため、投資額も高額となる傾向があります。しかし、投資信託においては、注目銘柄が含まれているファンドを選択すれば、自分が投資したい銘柄へ比較的安価に投資を行うことができます。
非課税枠を使い切りやすい
NISAでは、年間の非課税投資枠(120万円)があらかじめ決められています。120万円の範囲内であれば、一つのファンドに非課税枠いっぱいまで資金を投入する方法、複数のファンドに投資を分けてリスクを分散する方法など、自由度の高い投資を行うことができます。
また、投資信託においては、1万円台もしくはそれ以下の商品を取り扱っている金融機関もあります。投資金額の上限が決められている点・少額から投資できる点などから、NISAは非課税枠を計画的に使い切るのに適した仕組みであると言えます。
一つの商品で分散投資できる
投資信託では様々な銘柄を含むファンドを選択して購入するため、リスク分散がしやすいという面があります。
株式投資等においては、リスク分散を行いながら投資対象の銘柄を選ぶことが初心者にとって困難である場合もあります。その点、複数の銘柄が含まれたファンドを選択する形式の投資信託では、リスク分散を比較的容易に行うことができます。
投信積立も利用できる
NISAでは、投信積立も利用することができます。投信積立とは、「決まった額の投資信託を毎月買う」という投資方法です。月々3,000円程度から購入できる商品もあるため、手元にまとまった資金がないという理由で資産運用を始められずにいた人・投資した商品を頻繁にチェックできない人などにとっても始めやすい方法であると言えます。
NISAに向いた投資信託は?
インデックスファンドがおすすめ
「インデックスファンド」とは、日経平均株価などの代表的な指標(インデックス)への連動を目標として運用されているファンドのことを言います。平均値に沿った運用を行うため、低リスクである点が特徴です。
NISAでは非課税期間が限られていること・他の投資と損益通算ができないことなどから、リスクの少ない商品を選んだ方が良いとされる向きがあります。そうした点で、リスクを極力取らない方針で運用されるインデックスファンドは、NISAとの連携に適していると考えられます。
NISAで投資信託を選ぶポイント
運用実績は重視するべき
NISAで投資信託を選ぶ際には、ある程度の運用実績と利益が見込まれる商品に的を絞った方が良いと言えます。判断が難しい新商品などは避け、過去の運用実績を参照できる商品を選択するようにしましょう。
コストの低いものを選ぶ
NISAには長期の資産形成を目的とする一面があるため、継続的なコスト(信託報酬等)をできる限り抑えることが利益へつながります。発生するコストを先々まで予測し、長い目で見てコストが低いと考えられる商品を選ぶことが必要となります。
分配金が多い商品は避ける
NISA口座から分配金を払い出した場合、その分は「解約」とみなされ、非課税枠が減少します。また、分配金として払い出されたお金を再投資する場合も、「新規に投資信託を購入した」という扱いになり、120万円の非課税枠を消費することになります。このような理由から、分配金の多い商品はNISAへは向いていないと言えます。
まとめ
投資信託による資産運用を考えるのであれば、NISAの非課税枠を活用して資産を増やすという選択肢もあります。しかし、投資信託の中でもNISAとあまり相性の良くない商品もあります。メリット・デメリットを把握し、自分に合った投資商品を選ぶようにしましょう。