資産運用をする場合には、リスクを減らして資産を確実に増やしていく方法と、リスクをとって資産を大きく増やす方法があります。それぞれに特徴のある資産運用の方法をリスクで分類しながら、おすすめの投資手段を解説します。
目次
ローリスクローリターン
銀行預金
資産運用ではリスクとリターンのバランスで選ぶ商品が変わりますが、ローリスクローリターンで運用する方法の一つに「銀行預金」があります。銀行預金には「普通預金」「定期預金」「貯蓄預金」などがあり、メリットとしては1000万円までは元本が保証されていることが挙げられます。
一方デメリットとしては、金利が低いため資産が大きく増える可能性が低いことです。ただし、金利は預け入れる金融機関によって異なります。
個人向け国債
国債は国が必要に応じて発行する債券で、個人向け国債には「変動型10年満期」「固定金利型5年満期」「固定金利型3年満期」の3種類があります。半年に1度利息が付く金融商品で、1年以上経過すれば一部または全部を換金できます。
変動金利型は金利が変動し、景気の上昇で上がる可能性があります。一方、国の財政破綻で預け入れした金額が戻らない可能性もあり、途中で換金した場合は直近の2回の利息を返還しなければいけません。
国内債券
国内債券は、日本の地方自治体や企業が発行する債券で、一般的には公共債と民間債で構成されます。地方債や事業債があり、文教施設や厚生・福祉施設、公園などの公共施設に使われます。償還までの期間には2年、5年、10年などがあり、半年を経過すると利息が発生する商品が多いです。
金利は預金や個人向け国債よりは高めの商品が多く、満期まで保有すれば額面で償還されます。債券の発行先が破綻した場合は、利息や償還金額が支払われないリスクがあります。
ミドルリスクミドルリターン
株式投資
ミドルリスクミドルリターンの商品の一つに株式投資があります。証券取引所に上場している企業が発行する株式を購入して、企業実績により株価が上昇して購入金額を上回る場合などに利益が発生します。
企業の業績が悪化して株価が下がれば、購入金額を下回ることもあります。株式投資は売買のタイミングを見極める必要がある商品です。
投資信託
投資信託は、資産運用会社が投資家から資産を預かり、株式や債券などの複数の銘柄に投資することによって利益を出す商品です。万が一投資信託を購入した証券会社などが破綻しても、「日本投資者保護基金」により1000万円までは保護されます。
投資信託のリスクは、購入した時だけでなく預けている間は「信託報酬」として手数料がかかり続けるところです。また、投資信託には元本保証がないため、将来受け取る金額が減る場合もあります。
外貨預金
外貨預金は日本より金利が高い外貨を購入して、金利差による利益を受け取る商品です。円安になれば購入した通貨自体に利益が出ることもあります。日本が低金利の時に利益が発生しやすい商品で、銀行などで購入できます。
ただし、円高になると購入した外貨自体の価値が大きく下がる場合があります。預金保護の対象ではないため受け取る金額も保証されない商品です。
外国債券
世界銀行や、外国の政府や企業が発行する債券が外国債券です。国債と同じように半年に1回利息を受け取ることができます。購入時には金利が明示されますので、受け取る金額も事前に計算ができます。
円高になると外貨の価値も下がりますので、外国債券の価値も下がります。外国債券は元本保証されていませんので、運用によっては受け取る金額が少なくなる場合もある商品です。
保険
保険の中でも貯蓄型の場合は、満期まで継続すれば支払った保険料より多くの満期金や配当金を受け取る可能性がある商品です。保険と貯蓄を兼ね備えているので、万が一の保障もあることがメリットの一つです。
保険料や保険金は、税金が軽減される可能性もありますが、短期での中途解約の場合は支払った保険料が戻らないこともあります。長期運用でお金を増やす場合に向いている商品です。
不動産投資
不動産投資は、土地や建物を購入して、家賃収入や物件の価格の上昇で利益を得る方法です。アパートやマンションでは入居率が高ければ「インカムゲイン」として、家賃収入など利益を受け取ることができます。土地の売買では購入時より価格が上がれば、「キャピタルゲイン」として利益を出すことができます。
ただし、賃貸物件で入居者が少ない、あるいは土地の価格が下落した場合には、損失が発生するリスクがあります。購入の手続きや税金の支払いなど、専門家への依頼が必要な投資方法です。
ハイリスクハイリターン
FX(外国為替証拠金取引)
FXは「外国為替証拠金取引」と呼ばれ、外貨預金のように外国の通貨を購入して、為替差益で利益を出す商品です。レバレッジと呼ばれるシステムを使い、自分が実際に持っている資金よりも多い金額を取引できます。
少ない資金で大きな取引ができるため利益も大きくなるのが特徴です。ただし、損失が出た場合のリスクも大きく、高いレバレッジで損失を出せば、資金の減少も早くなります。
先物取引
先物取引は将来の売買価格をあらかじめ決めて、実際の売買時との差額で利益を出す方法です。購入価格の決定時に10万円であった商品が、実際に購入する場合に12万円になっていれば2万円の利益になります。売買する商品には農産物の大豆、トウモロコシや、工業品の金、天然ゴムなどがあります。
開始する場合は買いでも売りでも取引が可能ですが、契約時の価格が反対方向に動けばその分が損失となります。値幅は決まっていないため、大きく利益が出る場合も大きく損失が出る場合もある商品です。
おすすめは分散投資
複数の投資手段を組み合わせる
資産の全額を一つだけの方法で運用する場合は、金利の変動などで大きなリスクを受ける可能性があります。資産を複数の方法で分散すれば、一つの商品で損失が出ても、他の商品でカバーできる可能性があります。例えば、短期運用で銀行預金や国債を利用して、長期運用に保険を利用するなど分散投資を心がけましょう。
まとめ
資産運用は商品によってリスクが違いますが、複数の商品を組み合わせることによってリスクを分散できる可能性があります。それぞれの資産運用の特徴を見極め、自分に合った方法で資産を増やしていきましょう。