海外旅行時の万が一に備えるために海外旅行保険があります。海外旅行保険は、個別に損保会社で契約する以外にもクレジットカードに付帯している場合があります。楽天カードには海外旅行保険があるのでしょうか。この記事では楽天カードの海外旅行保険について説明します。
目次
楽天カードの海外旅行保険とは?
楽天カードの利用付帯の保険である
楽天カードの海外旅行保険は、旅行に関する交通費を楽天カードで支払う必要がある利用付帯の保険です。旅行に関する交通費は、日本を出国する前の自宅から空港までの交通費、もしくは海外旅行代金の支払いに限られています。
例えば、空港までの電車やバス、タクシーの乗車料金や海外旅行のパック料金や渡航先への航空券代の支払いは利用付帯の対象です。帰りの交通費の利用や、ガソリン代や高速道路料金、レンタカー料金などの公共交通機関の料金以外の支払いや、前泊用のホテル代金の支払いでは条件を満たしません。
楽天プレミアムカードは自動付帯
楽天プレミアムカードを所持している場合、海外旅行保険は自動付帯になります。カードの所持者が海外に行くだけで補償の対象となります。
ただし、2015年に旅行代金や交通費を楽天プレミアムカードで支払うと、補償がプラスされる内容に変更されました。例えば、携行品損害は自動付帯では30万円までの補償となりますが、利用条件を満たしている場合は20万円プラスされます。
楽天ポイントがたまりやすい
通常楽天ポイントは100円につき1円貯まります。利用付帯の為に交通費も楽天ポイントが貯まるため、楽天ポイントが貯まりやすいといえるでしょう。また、海外のショッピングでも利用額に対して楽天ポイントが貯まります。
家族や同伴者の条件は?
カードを持つ家族のみで子供はなし
楽天カードでは、カードを持っている人と決済をしたカードの家族カードを持っている人のみ保険の対象になります。つまり、18歳以下の子供は家族カードの申込みができないため海外旅行保険の対象外です。
また、夫・妻とも楽天カードを所持していても、交通費の支払いを夫のみが行った場合、妻は保険の対象から外れてしまうので注意が必要です。
同伴者もカードを持つ人のみ
家族、友人問わず、カード所持者の場合のみ海外旅行保険を利用できます。例えば、旅行代金を楽天カード一括で支払った場合、楽天カードで支払った本人・家族カードをもつ同伴者・楽天カードを持つ友人などの同伴者全員が保険の対象です。
グループの中で一人分だけ楽天カードで旅行代金を支払った場合は、支払った人のみ保険の対象です。また、支払ったカードと友人の券種が違う場合などは友人は保険対象外になります。
補償される内容や期間は?
携行品の盗難や破損を補償
もし、海外旅行中に身の回りのものが盗難、破損、事故で損害を受けた場合、年間20万円まで補償されます。1つ(1点または1対)について10万円を限度に時価または修繕費の支払いになります。ただし、現金、クレジットカード、コンタクトレンズ等は対象外です。
また、1回の事故の損害額のうち3,000円は免責金額として自己負担する必要があります。
キャッシュレス診療が使える
楽天カードの海外旅行保険には、緊急医療アシスタンスサービスという電話サービスがあります。電話することで医療機関への移送などを補助するサービスで、海外旅行保険で補償される金額まで自己負担なく診療が受けられるようになっています。もし、対象外の金額が発生した場合や、限度額を超えてしまった場合は帰国後に支払いましょう。
補償対象期間は出国日から3ヶ月間
日本を出国した日より3ヶ月後の午後12時(24時)までの期間、保険の対象になります。期間が長いため、場合によっては短期留学や出張にも利用できます。
年間トータルの保険期間が3ヶ月ではなく、一回の出国につき3ヶ月までのため、頻繁に出張がある人でも利用できます。ただし、携行品補償と救援者補償はカード契約日より1年サイクルでリセットされるため注意しましょう。
補償が不十分な点はある?
疾病死亡の保険金が出ない
楽天カードの海外旅行保険では、海外旅行中の事故による怪我が原因で死亡した場合や後遺症が残った場合、2000万円まで補償されます。しかし、海外旅行中に病気になり死亡した場合の保険金はありません。疾病の場合の補償は治療費用や治療に伴う宿泊費のプラス分や、入院に必要な身の回りの品購入費などあわせて200万円までとなっています。
治療費用の金額が不十分
治療費用は200万までとなっていますが、実際に海外で治療をする場合足りないケースも存在します。例えば、盲腸の手術の場合日本では60万(10割負担の場合)ですが、ロンドンの場合94~135万円、北京が8万~55万円、ホノルルは300万円です。日本で治療を受ける場合、健康保険加入者は医療費は3割負担で済むため、海外での治療は想定している医療費よりも高いといえます。
さらに、手術代だけでなく入院費や場合によっては滞在延長による費用もかかります。
携行品や救援者費用は限度額がある
通常の補償は1回につき限度額がいくらという形になっていますが、救援者費用と携帯品損害はカードを契約してから1年ごとの期間で限度額が決まっています。それぞれ救援者費用が200万円、携帯品損害が20万円(楽天プレミアムカードの場合は50万円)です。また、携帯品損害の場合は一回につき自己負担(免責金額)3000円を差し引いた金額の保険金支払いとなります。
遅延による航空券やホテル代は対象外
海外旅行保険の中には航空機遅延費用補償がついているものもありますが、楽天カードには航空機遅延費補償はついていません。航空機遅延費用補償とは、もし乗る予定の飛行機が遅延して臨時で宿泊する場合などに保険金が受け取れるものです。
問い合わせ先や方法は?
不明な点は出発前に
楽天カードのホームページや、海外旅行損害保険ご利用ガイドを見ても分からない点は出発前に解決しましょう。連絡先は0120-456-029(年中無休・24時間対応・フリーダイヤル)です。
もしフリーダイヤルが繋がらなかった場合や保険に加入していることを証明する証明書が必要な場合は018-888-9289(年中無休・24時間対応・有料)に連絡しましょう。証明書は発行までに時間がかかることもあるため、渡航2週間前までには連絡することをおすすめします。
渡航先からの問い合わせ
渡航先からの問い合わせの場合は内容により連絡先が異なるため注意が必要です。海外の場合国内よりも通話料が割高になるため、かける際は現地の電話機を利用するなどしてコレクトコール(電話を受けた側が通話料金を負担する電話)を利用しましょう。渡航先からの問い合わせ先は以下の通りです。
・事故受付・相談の場合
81(国コード)-18-888-9289
・渡航先からの緊急医療などに関する連絡の場合
アメリカ本土、ハワイ、グアム、サイパン:1-877-300-3931
中国(北部):10800-813-2784
中国(南部):10800-481-2967
シンガポール:800-810-2355
その他の地域:81-18-888-9998
・渡航先でのカード紛失・盗難の場合(現地警察への届けで必須)
81(国コード)-92-474-9256
帰国後の事故受付や保険金請求先
渡航中にけがをしたなどで保険金を請求する場合は、下記の番号で問い合わせをしましょう。ただし、保険金を請求する場合は帰国後30日間のみとなっているため早めに問い合わせるようにしましょう。
・帰国後に問い合わせる場合
0120-456-029(年中無休・24時間対応・フリーダイヤル)
・フリーダイヤルが利用できない場合
018-888-9289(年中無休・24時間対応・有料)
まとめ
楽天カードの海外旅行保険は、年会費無料というメリットがある一方で、場合によっては補償が不十分な可能性もあります。補償内容を詳しく調べ、不足する補償がある場合には別のクレジットカードの保険や損害保険会社の海外旅行保険と組み合わせることも検討しましょう。