保険契約を解約するときのポイントや注意点は、商品によって異なります。この記事では、アフラックの取り扱う保険商品について、解約の手続き方法や注意事項などを解説します。
目次
解約すると保険料はどうなる?
保険の種類次第で返金されることも
保険を解約したときに戻ってくるお金を「解約返戻金」といいます。解約返戻金の有無や金額は商品によって異なり、主に3つのタイプに分けられます。
1.従来型…解約時に解約返戻金が支払われるタイプです。保険会社所定の返戻率にもとづき、解約返戻金額が決定します。
2.低解約返戻金型…保険料払込期間中は、従来型の70%程度の解約返戻金となる商品です。保険料払込期間終了後は、返戻率が上がることが多くなっています。
3.無解約返戻金型…掛け捨てと呼ばれるタイプの商品で、解約返戻金はありません。
「いつまで払込を行ったか」も重要
解約するタイミングも、解約返戻金の金額を決める材料のひとつです。例えば、低解約返戻金型の商品は、上記の通り「保険料払込期間が終了しているかどうか」で返戻率が異なります。
従来型の商品でも、一般的に保険を長く保有していたほうが解約返戻金額は多くなるとされています。仮に契約から短期間で解約をした場合には解約返戻金を受け取れないか、受け取れたとしてもわずかな金額となることがあるため、注意しなければなりません。
返戻率は契約時に提示されるシミュレーションに記載されていることもあるため、契約前にきちんと確認しておきましょう。
解約後の年末調整方法
生命保険や介護医療保険、個人年金保険の保険料を支払っていたときには、「生命保険料控除」を受けることができます。保険の解約をした場合でも、解約前に支払った保険料については控除が可能です。
平成23年12月31日以前に契約した保険を解約した場合、その年に9,001円以上の保険料の払込があるときには、生命保険料控除証明書が発行されます。9,000円以下のときには申告時の生命保険料控除証明書の添付が不要であるため、発行されません。なお、個人年金保険の契約では、払込保険料額に関わらず生命保険料控除証明書が発行されます。
平成24年1月1日以降に契約した保険を解約した場合には、払込保険料額に関わらず生命保険料控除証明書が発行されます。
返戻金にかかる税金の計算方法
払込保険料総額より解約返戻金額が多かった場合、差額分の税金を支払わなければなりません。解約返戻金を一時金で受取ったときには「一時所得」、年金で受け取ったときには「雑所得」がそれぞれ課せられます。
・一時所得…50万円の控除があるため、税金が発生するのは解約返戻金額と払込保険料総額の差額が50万円を超えたときです。計算方法は、「{(解約返戻金-払込保険料総額)-50万円}÷2×その年の所得税率」です。
・雑所得…その年に受取った年金額から、その金額に対応する払込保険料額を差し引いた金額へ税金が課せられます。源泉徴収されたうえで振り込まれるため、原則として自分で申告する必要はありません。
解約返戻金がある保険は?
低解約払戻金型の終身保険「WAYS」
終身保険の「WAYS」は、死亡保障として契約し、将来のニーズに合わせて年金コース・介護年金コース・医療保障コースを選ぶことができる保険です。
WAYSは、保険料払込期間中の解約返戻金が従来型の70%に設定される低解約返戻金型の保険です。そのため、解約は保険料払込期間満了日の翌日以降に行った方が高い解約返戻金を受け取れることになります。
年金コース・介護年金コース・医療保障コースへ変更した後は、コースにより解約返戻金の計算方法が異なります。詳しい返戻金額は、アフラックの窓口に問い合わせてください。
払込プランで返戻率が上がる学資保険
アフラックの「夢みるこどもの学資保険」は、出産予定日の140日前から契約が可能で、高校入学時の「学資一時金」と大学4年間の「学資年金」を受け取ることができる保険です。契約者(一般的に親)に万が一のことがあったときには、以後の保険料の支払いが免除される「保険料払込免除」も付いています。
夢みるこどもの学資保険は、保険料の払込期間を10歳払済・17歳払済・18歳払済から選択でき、払込期間により返戻率が異なるという特徴があります。例えば、被保険者…0歳、契約者…30歳男性、受取総額…300万円として契約した際に18歳払済を選択すると、返戻率は96.2%です。10歳払済を選ぶと98.1%となります。
このように、払済期間によって解約返戻金額が異なってくるため、詳しい返戻金額は契約時のシミュレーションを確認するか、アフラックの窓口に問い合わせましょう。
3種類のがん保険は問い合わせを
アフラックのがん保険は「生きるためのがん保険 Days」で、通常プラン・女性特有の病気に備えたプラン・より手厚い保障が付いたプランの3種類が用意されています。
「生きるためのがん保険 Days」の解約返戻金は、契約年齢や性別・契約プランごとに異なります。解約を検討している人は、資料を請求の上で契約概要等を確認してください。不明点がある場合には窓口に相談することも可能です。
解約返戻金がない保険は?
医療保険「EVER」は払込状況次第
医療保険の「EVER」は、保険料払込方法により解約返戻金が異なります。
・定額タイプ…終身に渡り保険料を払い込むタイプ
・半額タイプ…終身に渡り保険料を払い込むが、指定した年齢に達した後の保険料が半額になるタイプ
・払済タイプ…保険料の払込が一定の期間で満了するタイプ
定額タイプと半額タイプには、解約返戻金がありません。払済タイプは保険料払込期間中の解約返戻金がないものの、払込満了後は入院給付金日額の10倍の解約返戻金を受け取ることができます。
終身特約(死亡時に特約保険金を受け取ることができる特約)を付加していた場合、アフラック所定の解約返戻金の受け取りが可能です。ただし低解約返戻金型の特約であるため、保険料払込期間中は通常の解約返戻金の70%程度の金額となります。なお、その他の特約については、解約返戻金はありません。
給与サポート保険は返戻金なし
病気やケガのために働けない期間を保障する「給与サポート保険」には、解約返戻金がありません。給与サポート保険では、病気やケガで働けない状態が継続する限り、プランによっては最長60歳もしくは65歳まで給付金を受け取ることが可能です。しかし給付金の受取事由に該当しなかったときや、途中で解約をしてしまったときには、それまでの保険料が掛け捨てとなります。
契約時には、保険料や条件などをよく検討したうえで加入するようにしましょう。
解約手続きはどうすればいい?
代理店かコールセンターへ本人が電話
解約は、担当代理店かコールセンター(0120‐5555‐95)に連絡をして手続きを進めます。コールセンターの受付時間は、平日9時~18時・土曜9時~17時で、日曜祝日は定休日です。保険証券を手もとに準備し、契約者本人が連絡をしてください。
担当代理店は保険証券で確認できますが、金融機関や郵便局を通して保険の契約をした場合は担当代理店が決まっていないことがあります。担当代理店が分からない人は、コールセンターを通して解約を行いましょう。
必要書類を記入・提出
解約を決めた際には代理店およびコールセンターに申し出を行い、必要な書類をアフラックから受け取ります。
書類に必要事項を記入したのち、保険証券などと併せてアフラックへ提出します。解約手続き終了時には「解約手続完了のお知らせ」が送付されるため、確認を忘れないようにしましょう。なお、解約日は「保険会社が解約書類を受領した日」とするのが一般的です。
返戻金振込タイミングの目安は数日後
解約返戻金のある商品を解約した場合、解約日より3~4営業日(多くの場合1週間以内)で、指定した金融機関の口座に振り込みが行われます。解約後は口座をチェックし、振り込みがされていることを確認するとよいでしょう。
入金までの具体的な日数は商品により異なります。所要日数を確認したい人は、解約時に問い合わせてください。
住所や電話番号の変更はネットでもOK
契約内容の確認や登録情報の変更などは、インターネットでも申出が可能です。契約者専用サイトに登録後、ログインをして手続きを進めます。
インターネットで申し出可能な手続き
・契約者の住所および電話番号変更
・契約者の改姓
・給付金および保険金受取人の変更
・保険料の振替口座の変更
・クレジットカード払いの申し込み
・保険証券の再発行依頼
・生命保険料控除証明書の再発行依頼(9月から翌年3月まで)
迷いがあれば窓口や専門家に相談
保険を解約する場合に注意しなければならないのは、払い込んだ保険料よりも少ない金額の解約返戻金しか受け取れない可能性がある点や、解約後の保障がなくなってしまう点です。
解約によって損害を被ることがないよう、解約前には返戻金額などについてしっかりと確認をし、納得したうえで手続きを行うことが重要です。また、解約時の年齢や健康状態によっては、新たな保険に加入することが難しい場合もあります。何らかの保障を受け続けたいと考えている人は、新たな保険の準備をしてから解約の手続きを進めた方がよいでしょう。
解約への迷いや不明点などがある人は、まずアフラックの窓口やファイナンシャルプランナーに相談するという方法もあります。
まとめ
アフラックで取り扱う保険は、商品ごとに解約返戻金の有無が異なります。また、返戻金額は契約内容や保険を保有している期間などによっても変わるため、解約に踏み切る前に問い合わせを行っておくとよいでしょう。保険を解約すると以後の保障がなくなるため、疑問点や不明点などについては専門家に相談し、慎重な判断を行ってください。