全労済のこくみん共済には、子どものためのプランがあります。全労済以外にも県民共済やコープ共済などがありますが、どのような点が違うのでしょうか。商品の特徴や保障内容、困ったときの手続き方法などについて紹介します。
目次
全労済についての基礎知識
全労済・こくみん共済とは
全国労働者共済生活協同組合連合会(全労済)とは、厚生労働省によって認可された共済事業の協同組合です。こくみん共済は全労済の共済商品のひとつであり、医療保障・子どものための保障・シニアのための保障など、家族のかたちに合わせたさまざまな保障やプランが用意されています。性別や年齢に関係なく一律の掛金で運営されている点も特徴です。
県民共済など他の共済との違い
全労済は勤労者の福利厚生事業をメインとする共済です。39都道府県で提供されている県(都)民共済、日本コープ共済生活協同組合連合会によるコープ共済、農協協同組合のJA共済などとは元受けが異なるだけでなく、商品の内容や特色についても違いがあります。
全労済キッズの種類と特色は?
キッズタイプとキッズワイドタイプ
全労済こくみん共済の子ども向け共済には、キッズタイプとキッズワイドタイプの2種類があります。どちらも入院や通院、重度障害・死亡時などについて保障がありますが、キッズワイドタイプはキッズタイプの保障に手術時の保障・長期入院時の保障がプラスされたものです。また、保障の金額についても、入院時や重度障害・死亡時などに関する額が一部上乗せされます。
全労済キッズ満期金付きプラン
キッズタイプ、キッズワイドタイプのいずれも掛け捨て型になりますが、満期金の受け取りを希望する場合には「キッズ満期金付きプラン」を選択することもできます。障害や死亡時の保障を残しつつ、満期が訪れたら満期金を受け取ることができるプランです。単独での申し込みは取り扱っていないため、キッズプランまたはキッズワイドプランへ追加して加入することになります。
全労済キッズの保障の詳細
捻挫・骨折など特定損傷や怪我の保障
疲労骨折などの特定損傷は子どもに多いけがの一種でもあります。全労済のキッズプランでは、骨折の他、脱臼や腱の断裂についても保障されるケースがあります(交通事故または不慮の事故による場合)。キッズタイプであれば50,000円・キッズワイドタイプであれば65,000円の支払いを、契約期間中に1回受けることができます。
中耳炎などの病気の保障
その他にもさまざまな病気が保障の対象として挙げられます。たとえば中耳炎の場合、症状がある程度進んだ中耳炎に対して用いられる中耳根本手術についても共済金を受け取れる対象となっています。また、コレラやジフテリア、日本脳炎など特定の感染症にかかって入院した場合なども共済金による保障があります。
ワイドタイプは入院を伴う手術も保障
キッズワイドタイプに関しては保障がさらに手厚くなっており、入院を伴う手術をした場合には1回10万円の共済金を受け取ることができます。保障の対象となるのは、原則として「発効以前に発病し、かつ契約期間内に手術をした場合」です。しかし、発効から2年経過後に手術を行った場合、発効日以前に発病した病気についても対象となるケースがあります。
自転車事故で加害者に!賠償責任保障
自転車に乗っていて通行人に怪我を負わせた、お店の商品を壊した、物があたって友達に怪我をさせたなど、子どもが人に怪我を負わせたり物を壊したりするリスクは日常生活の中に存在します。
キッズタイプ、キッズワイドタイプにはどちらも賠償責任保障が組み込まれており、最高100万円まで共済金を受け取れる場合があります(賠償額のうち、5,000円までは自己負担となります)。
死亡・および障がいが残ったとき
死亡または重度の障害を負った場合には共済金が支払われます。キッズタイプでは、交通事故で600万円、不慮の事故等で400万円、病気等で200万円が保障金額です。キッズタイプにはそれぞれ200万円がプラスされ、より受け取れる金額が大きくなっています。
契約者の死亡・または障がい
全労済キッズでは、契約者である保護者の死亡・重度障害時にも共済金が受け取れます。交通事故や不慮の事故が原因の場合、キッズプランで350万円、ワイドキッズプランで500万円が支払われます。病気等が原因の場合には保障の開始から1年間は対象外となりますが、以降はどちらのプランについても30万円が保障されます。
全労済キッズで教育資金も安心!
全労済キッズ満期タイプと学資保険
全労済のキッズ満期付きプランでは、子どもの教育資金を備えることができます。中学入学準備コース、高校入学準備コース、大学入学準備コースのうち最大3コースを組み合わせて加入することが可能で、満期金は50万円・100万円のいずれかを選ぶことができます。一般的な学資保険と比べると満期金の額が少ない傾向にあり、契約者が亡くなったときの掛金払込免除や払い込んだ額から借り入れのできる契約者貸付が設けられていないという面もあるため、申し込みに当たっては内容をよく確認するようにしてください。
全労済キッズ満期タイプの返戻率
加入した年齢や加入したタイプにもよりますが、基本的には返戻率が100%に満たないケースが多いと言えます。払い込んだ金額がすべて満期金として戻ってくるわけではないものの、全労済キッズ満期タイプには「病気に対する幅広い保障」などのメリットもあります。返戻率だけにとらわれず、保障内容も含めて検討することが推奨されます。
全労済キッズの各種手続き方法
怪我や病気での請求には診断書が必要
病気や怪我などで共済金を請求する際には、医師による診断書が必要です。交通事故が原因である場合は、交通事故を証明できる書類の提出もあわせて求められます。書類や手続きに不備があった場合には共済金が受け取れない可能性もあるため、契約のしおりなどで確認するようにしてください。
全労済キッズ満期金の受取手続き
全労済のキッズ満期金付きプランにおいて、契約の途中で一部の金額を受け取ることは原則としてできません。満期金が受け取れるのは契約終了の翌日以降です。
また、自動で満期金が受け取れるわけではなく、請求書類一式の提出が必要となります。契約終了後すぐに満期金の受取りを希望する場合、早めに必要書類の用意をしておきましょう。
全労済キッズを解約するときの手続き
全労済キッズの解約はいつでも可能であり、解約届を請求して手続きを行います。なお、キッズタイプ、キッズワイドタイプ共に掛け捨てであるため、解約返戻金は発生しません。キッズ満期金付きプランは積立タイプであるため解約返戻金が発生しますが、死亡保障共済金額が上限です。割戻金がある場合、解約返戻金と合わせて返金されます。
まとめ
全労済キッズの特徴は、病気や怪我、死亡保障だけでなく、損害賠償責任保障や保護者の死亡保障などについても幅広くカバーしている点にあると言えます。キッズ満期金プランをつけることで、学資保険のように積み立てることもできます。ただし、満期金の額がそれほど多くない・契約者貸付がないなど通常の学資保険と違う部分もあるため、うまく活用しましょう。