郵便局で取り扱っている保険商品(ゆうちょ保険)にはどのような種類があるのでしょうか?この記事では、各商品の特徴や保障内容などについてまとめました。
目次
郵便局で取り扱う「かんぽ生命」の特長とは?
医師による診査が必要ない
保険の基本契約や特約を申し込む際には、医師による診査を求められることがあります。郵便局のかんぽ生命への加入時は健康状態の告知が必要となるものの、医師による診査は原則として必要ありません。
保険金額や年金額に制限がある
かんぽ生命では、被保険者1人あたりの保険金に限度額が定められています。保険の種類によって限度額は異なりますが、特定養老保険を除く基本契約の場合、満15歳以下の被保険者については700万円、満16歳以上で1,000万円となっています。
職業による加入制限がない
保険会社によっては、業務内容に危険が伴う職業の就労者について加入制限を設けている場合もあります。死亡・負傷などのリスクが高い人とそうでない人が同じ保険料で補償されるのは、公平性に欠けるというのがその理由です。しかし、郵便局のかんぽ生命には職業による加入制限がないため、仕事内容によらず申し込みをすることができます。
かんぽ生命の保険商品、種類やニーズは?
万一の保障がある「普通終身保険」
被保険者が死亡したときに保険金を受け取ることができるのが、普通終身保険です。契約日から一生涯に渡って保障が受けられる保険なので、家族のための蓄えを用意しておきたい人・万が一のときの保障を重視したい人などにニーズがあります。
保障と保険料を両立する「定期保険」
契約日から10年以内に被保険者が死亡した場合に保険金を受け取れるのが定期保険です。安価な保険料で最高1,000万円の保障が受けられるため、万が一に備えながらも保険料の負担を抑えたい人にニーズがあります。
こどもに備える「学資保険」
こどもが高校を卒業する18歳を満期に設定し、保険金の支払いを受けられるのが学資保険です。満期を迎える前に契約者が死亡するなどして保険料の支払いができなくなった場合、その後の保険料が免除されます。時期を見据えてこどもの学費を準備しておきたい人にニーズがあります。
老後資金を準備できる「養老保険」
被保険者が死亡した際に保険金が受け取れるだけでなく、満期を迎えたときには満期保険金が支払われるのが養老保険です。万が一のときの保障を確保しつつ、計画的な資産形成を目指したいという人にニーズがあります。
年金保険の代わりとなる「長寿支援保険」
保険料払込期間の死亡保障を行わないことによって返戻金を抑え、代わりに長生きした場合の年金受取額を大きく設定しているのが長寿支援保険です。公的年金に上乗せして保険金を受け取りたい人にニーズがあります。
満期後も保障が続く「特別終身保険」
保険料払込期間満了後も保障が一生涯続き、満了時とその後に一時金を受け取ることができるのが特別終身保険です。生涯保障に加え、余剰資金も残したいという人にニーズがあります。
かんぽ生命各保険商品の保障内容
「普通終身保険」の保障内容
普通終身保険には、次の4種類の商品があります。
◎新ながいきくん(定額型):加入年齢は満15~85歳で、最高1,000万円の定額死亡保険金が契約日から一生涯にわたって保障されます。
◎新ながいきくん(ばらんす型2倍):加入年齢は満15~65歳で、契約日から保険料払込期間満了までの死亡保険金が満了後以降の2倍となります。死亡保険金の最高金額は1,000万円で、一生涯保障されます。
◎新ながいきくん(ばらんす型5倍):加入年齢は満15~60歳で、契約日から保険料払込期間満了までの死亡保険金が満了後以降の5倍となります。死亡保険金の最高金額は1,000万円で、一生涯保障されます。
◎新ながいきくん(おたのしみ型):加入年齢は満15~70歳で、保障は一生涯続きます。保険料払込期間満了時とその後5年ごとに一時金を受け取ることができますが、保障される死亡保険金(最高1,000万円)がその都度減額されます。
「定期保険」の保障内容
定期保険(新普通定期保険)は、契約日から10年の間に被保険者が死亡または重度障がい状態になった際、最高1,000万円が補償される掛け捨て型保険です。ただし、事故死の場合を除き、契約日から1年間については保険金が基準保険金額の50%、1年6カ月間については80%に減額されます。加入年齢は満15~50歳です。
「学資保険」の保障内容
郵便局の学資保険には、次の3種類のコースがあります。
◎「大学入学時」の学資金準備コース:17歳満期または18歳満期で、最大500万円の満期保険金を受け取ることができます。保険料の払込期間は「契約日から満期まで払い込むタイプ」「こどもが12歳の時点で払い終えるタイプ」のうちから選べます。加入年齢範囲は、契約者が男性18~65歳/女性16歳~65歳、被保険者が0~12歳(12歳払込済タイプは0~6歳)となっており、出生予定日の140日前から加入することができます。
◎「小・中・高+大学入学時」の学資金準備コース:17歳満期または18歳満期で、最大700万円の満期保険金が支給される他、小学校・中学校・高校へ入学する前年の12月にもそれぞれ学資祝金が受け取れます。保険料の払込期間は「契約日から満期まで払い込むタイプ」「こどもが12歳の時点で払い終えるタイプ」のうちから選べます。加入年齢範囲は、契約者が男性18~65歳/女性16歳~65歳、被保険者が0~3歳となっており、出生予定日の140日前から加入することができます。
◎「大学入学時+在学中」の学資金準備コース:21歳満期で、18~20歳に達したときにそれぞれ学資祝金として・21歳満期には満期保険金として、合計最大700万円の保険金を受け取ることができます。保険料の払込期間は「契約日から18歳まで払い込むタイプ」「こどもが12歳の時点で払い終えるタイプ」のうちから選べます。加入年齢範囲は、契約者が男性18~65歳/女性16歳~65歳、被保険者が0~12歳(12歳払込済タイプは0~6歳)となっており、出生予定日の140日前から加入することができます。
「養老保険」の保障内容
郵便局の養老保険には、「新フリープラン」と「新一病壮健プラン」があります。
「新フリープラン」は満期保険金や満期年齢を自由に設定できるプランです。保険期間中に死亡した際は満期保険金と同額の死亡保険金が支払われ、不慮の事故や所定の感染症が原因で契約日からその日を含めて1年6カ月を経過後に死亡した場合は、死亡保険金が増額されます。通常の「新フリープラン」に加えて「短期払込型」「2倍保障型」「5倍保障型」が展開されており、加入年齢や満期保険金、増額される場合の保険金などは商品によって異なります。
「新一病壮健プラン」は、慢性疾患(糖尿病や高血圧症など)の治療中であっても日常生活に支障をきたしていない40~65歳の人を対象したプランです。満期保険金を自由に設定できる点や死亡時の保険金受け取りについては「新フリープラン」と似た内容ですが、保険期間は10年と決められています。
「長寿支援保険」の保障内容
長寿支援保険は、年金受取開始年齢(60~80歳の間で5年きざみに設定可能)から最長で30年間、被保険者が生存している限り最大90万円の年金を毎年受け取ることができる保険です。返戻金を低く抑えて長生きした場合の年金の受取額を大きく設定しているため、保険料払込期間中の死亡保障はありません。加入年齢は50~70歳です。
「特別終身保険」の保障内容
特別終身保険は、満了時とその後5年ごとに合計4回、被保険者の生存中に一時金を受け取ることができる保険です。死亡保険金の金額は最大1,000万円で、一時金が支払われる毎に減額されますが、不慮の事故や所定の感染症が原因で契約日からその日を含めて1年6カ月を経過後に死亡した場合は倍額となります。加入年齢は満15~70歳です。
基本契約に付加できる3つの特約とは?
万一の事故に備えて安心「無配当傷害医療特約」
無配当傷害医療特約は、不慮の事故によるケガが原因で3年以内に入院をしたり手術や放射線治療を受けたりした場合に、入院保険金や手術保険金・放射線治療保険金が受け取れる特約です。入院初期保険金が付いたI型と、付いていないII型があります。
病気や事故での出費をカバー「無配当総合医療特約」
無配当総合医療特約は、病気や不慮の事故によるケガが原因で入院をしたり手術や放射線治療を受けたりした場合に、入院保険金や手術保険金・放射線治療保険金が受け取れる特約です。無配当傷害医療特約と同様に、入院初期保険金が付いたI型と、付いていないII型があります。
事故による死亡や障がいに備える「無配当災害特約」
無配当災害特約は、不慮の事故によるケガを原因として事故日から180日以内に死亡した場合、または所定の身体障がいとなった場合に特約保険金を受け取れる特約です。身体障がいとなった場合は、状態に応じて特約基準保険金額の10%~100%が支払われます。
まとめ
郵便局の保険は保障額が低い場合もあるものの、医師による診査が不要である点、職業による制限がない点などから加入しやすい保険であると言えます。各商品の特徴や内容をよく確認し、万が一の備えや資金準備などに役立ててみてください。