子供が生まれると教育資金について考える人は多いです。しかし、子供を育てるために必要なお金は、教育資金だけではないことを知っていますか?この記事では子供を育てるにあたり、いったいどれくらいの子育て費用が必要になるのかを徹底検証します。
目次
子育て費用とは?
妊娠、出産そしてその子供が大学を卒業して無事に社会人になるまでが子育て期間といわれています。ここでは子供が生まれてから社会人になるまで、子供に対してどのような子育て費用が必要なのかを考えてみます。
養育費と教育費がかかる
子供を育てるということを考えたとき、頭に浮かぶのは教育費ではないでしょうか。教育費とは学費や進学における受験、塾やスイミングなど習い事の費用が該当します。
では、子供を育てることに必要なのは教育費だけなのでしょうか。教育費とは別枠で、子供を育てる上では食費などの養育費も必要になります。子育て費用を考える場合は、教育費と養育費を合計して考えるようにしましょう。
統計では子育て費用はどのくらい?
この項では平成21年度に内閣府が発表した、未就学児から中学生までの第一子一人あたりの年間子育て費用平均額をもとに子育て費用を解説します。
中学生までの月々の子育て費用
内閣府の発表によると、未就学児での子育て費用は年間84万3,225円で、月に換算すると約7万円となっています。保育園や幼稚園へ入園した場合は年間約121万となり月々にすると約10万円が必要です。小学生になると年間115万3,541円、月々約9万6,000円と下がりますが、中学に進学すると年間155万5,567円となり、月にすると約13万円と費用が上がることがわかります。
中学生までのトータル費用
それぞれの年代の子育て費用から、中学生までに必要なトータルの子育て費用を算出すると以下のようになります。ただし、小学校入学前に幼稚園や保育園に通った場合とします。
未就園児・・・年間約84万円
保育園児・幼稚園児・・・年間約121万円
小学生・・・年間約115万円
中学生・・・年間約155万円
中学校までの子育て費用合計・・・約1770万円
小学校と中学校は義務教育のため、高校や大学に比べると比較的教育費用がかからない期間です。そのため、高校や大学への進学にはより多くのお金が必要だということがいえるのではないでしょうか。
私立と公立の学費の違いは?
小学校から大学卒業までを公立で進学していくのか、それとも受験をして私立へ進学するのかによって学費は異なります。平成28年度子供の学費調査の結果について文部科学省が発表していますので、紹介します。
小学校
公立小学校へ入学した場合の学費は、年間32万2,310円となっており、私立小学校へ入学した場合は152万8,237円となっています。比較的教育資金が低い小学校でも、私立へ進学すると、6年間で約900万円近くの学費が必要となります。
私立と公立の学費に差が出る原因としては、学校教育費の違いが大きいです。公立の場合は約6万円、私立の場合は14.5倍の約87万円が学校教育費として必要です。学校教育費とは、授業料や通学費など教育費にかかる全ての費用を指します。
中学校
公立中学校の学費は、年間47万8,554円となっており、私立中学校の場合は132万6,933円となっています。学費の総額は、公立に比べて私立の方が2.8倍高くなっています。
小学校の私立に比べ金額が低くなっているように見えますが、これは小学校が6年間、中学校は3年間となっているためです。実際には、私立中学校へ入学した場合、私立小学校の倍程度の学費が必要になることが多いです。
高校
一部の地域では、高校の学費が無償化にされていることから学費の平均が下がりぎみとなっていることが特徴です。公立に進学した場合は年間45万862円となっていますが、私立への進学となると104万168円と公立に比べて2.8倍の学費が必要です。
私立高校の場合は、公立に比べると入学金や諸経費が高い傾向にあります。入学年度は特に出費が多くなりがちとなりますので、事前に準備しておくことが必要です。
大学
独立行政法人日本学生支援機構の「平成26年度学生生活調査」によると、大学(昼間部)での年間の学費は以下の通りです。
・国立大学・・・64万7,700円
・公立大学・・・66万6,300円
・私立大学・・・136万1,600円
国立や公立の大学に比べ、私立大学は倍以上の学費が必要ということがわかります。そのため、4年間では、国立大学であれば約259万円、私立大学であれば約544万円の学費が必要といえます。
子育て費用の総額は?
先で紹介した通り、子育て費用は教育費だけでなく養育費も必要となることから、学校の進学だけを考えて子育て費用を準備することはできません。では、子供一人を育てるにあたり、出産から大学卒業までにどれくらいの子育て費用が必要になるのか考えてみましょう。
2500万円~3000万円程度必要
先ほども説明しましたが、中学生までの子育て費用は約1770万円となっています。高校生と大学生は、進学先によって学費が異なるため、まず養育費を算出しましょう。高校生と大学生にかかる養育費を食費と生活用品費として、中学生にかかる費用と同程度とした場合、年間で約45万円必要です。
そして、高校と大学を公立へ進学した場合の学費は7年で約394万円となり、子育て費用の総合計は約2,400万円となります。私立の高校と大学に進学した場合は、学費の合計は約856万円になるため、約2,800万円の費用が必要となります。進学先が遠方など、場合によってはこれ以上かかる可能性もあるため、私立の場合は3,000万円程度必要かもしれません。
不安なら学資保険で備えるべき?
教育資金を貯める方法は様々ですが、子供の誕生とともに学資保険に加入する人は多いです。ここでは、学資保険の特徴やメリットを紹介します。
学資保険は貯蓄型の保険
学資保険とは、将来の教育資金として積み立てていく生命保険の貯蓄型の保険です。子供が生まれる前に加入できる学資保険もあります。
学資保険は、貯蓄性の高い生命保険となっています。保険料は子供の年齢と契約者である親の年齢によって相違します。そのため、学資保険に加入するのであれば、できるだけ子供が小さいうちに、そして契約者の年齢が若いうちに加入した方が保険料は安くなります。
強制的に学費を準備できる
自分自身での自己管理による貯蓄は、何らかのトラブルやイベントが発生したときに「今月の貯蓄はやめておこう」となりがちです。しかし、学資保険は継続するためには必ず保険料を支払わなければならず、いわば強制的な教育資金の準備といえます。自分の意思だけでは貯蓄ができない人にとっては、メリットといえるでしょう。
ただし、途中解約すると払い込んだ保険料よりも受け取れる返戻金が少ないことが多いため、満期まで続けられる保険料に設定する必要があります。
親の死亡時は保険料が免除
学資保険には、契約者である親が死亡あるいは高度障害状態になってしまった場合、以後の保険料は支払わなくてすむ「保険料払込免除特約」というものがあります。保険料は支払わなくて良い一方で、保障は継続されるため親の万が一にも学資保険は備えられるといえます。
ただし、この特約は必ずしも学資保険全てに付加されているわけではありません。契約時に特約として付加し保険料を負担する場合や、特約そのものを付加できない学資保険もあります。
また、保険は取り扱っている保険会社によって内容が異なることもあります。学資保険に加入する際には、返戻率だけでなく契約の内容や特約の有無についてもしっかりと調べてから入ると良いでしょう。
まとめ
子供を一人育てるためには、教育資金と養育資金の2つの資金を準備する必要があります。学校へ行かせるだけが子育てではないということです。子供の将来のための資金備は、自己管理のみだけでなく、生命保険の学資保険を利用することも視野に入れて計画的に準備することが大切です。
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