40歳を超えると自動的に公的な介護保険に加入することになり、決められた額の保険料を支払うことになります。介護保険は要介護状態になった際に所定の介護サービスを受けられるというものですが、それ以外にも介護にまつわる補助金はいくつか存在します。この記事では、介護に関わる費用や補助金について説明します。
目次
介護にかかる費用はどれくらい?
初期費用260万、月10~15万
世帯主や配偶者が要介護状態になってしまうと、居住している住居をバリアフリーに改築する必要があります。生命保険文化センターが2012年に行った調査によると、初期費用の平均は260万円でした。月々の費用の平均は17万円程度であり、分布としては月10万〜15万円が最も多くなっています。
有料老人ホーム月約10~30万
要介護状態になってしまった人が有料老人ホームに入居する場合、およそ月10万〜30万円かかるといいます。老人ホームは施設によってサービス内容や費用も異なりますが、様々な設備が整っている老人ホームは費用が高額になるのが一般的です。
グループホーム月約5~30万
グループホームであれば月5万〜30万が目安です。グループホームとは、主に認知症が軽度である高齢者を対象にした施設で、少人数で共同生活を営むのが特徴です。
グループホームの入居条件としては、65歳以上であること、そして要支援2もしくは要介護1以上の認知症患者であることが挙げられます。また、グループホームは地域密着型のところが多いため、住所地が最寄りであることも条件になるでしょう。
介護施設月約5~15万
その他の介護施設としては、特別養護老人ホームや介護老人保健施設等があります。これらを利用する際の費用としては、月額5万〜15万円程度が目安であり、有料老人ホームやグループホームに比べると比較的安価であるといえるでしょう。しかし、その分入居条件が厳しかったり、入居待ちが多数発生したり等、利用が難しい可能性があります。
介護に関わる補助金(助成金)一覧
介護保険
介護保険は40歳から強制加入するものであり、所定の介護保険料を収めることで、要介護状態になった際に所定の介護サービスを受けられる保険です。40歳〜64歳は2号被保険者であり、要介護状態になった原因によって介護サービスを受けられるかどうかが変わってきます。65歳以上になると1号被保険者となり、要介護状態になった原因を問わずに所定の介護サービスが受けられるようになります。
家族介護慰労金制度
家族介護慰労金制度は、介護保険を利用しないで要介護者になった人を一定期間以上介護している場合に給付金が支払われるものです。内容は自治体によって異なりますが、要介護者一人につき年額10万円程度が一般的です。また、家族介護慰労金制度を採用していない自治体もあります。
介護休業給付制度
介護休業給付制度は、家族が要介護状態になったことが原因で休職した場合に給付金を受け取れる制度です。条件としては、当人が休職して要介護状態になった家族を介護すること、その間に休職前の8割以上の賃金が支払われていないこと、就業日数が1ヶ月につき10日以内であること等が挙げられます。
介護休業給付を受給するには、休職している事業所を管轄のハローワークで手続きが必要です。
住宅バリアフリーリフォーム補助金
住宅バリアフリーリフォーム補助金は、住宅をバリアフリー化する際に受けることができる補助金です。要介護者もしくは要支援者が自宅をバリアフリーに改築する際、費用の9割を介護保険から賄うことができます。対象の工事としては、手すりの取り付けや、段差の解消、トイレを洋式便器に取り替える等が挙げられます。
高額介護合算療養費制度
高額介護合算療養費制度とは、医療保険と介護保険の利用額が自己負担額の限度を超えた場合に支払分を補填する制度です。条件は、世帯内に介護保険の受給者がいることです。限度額は年額56万円が一般的ですが、世帯の年齢や所得によって限度額は変わります。
民間の介護保険とはどんなもの?
一時金や年金として給付される
民間の保険会社でも介護保険を販売しています。民間の介護保険は、各保険会社が規定している要介護状態になった際に一時金や年金として保険金が支払われるものです。
民間の介護保険には、公的な介護保険ではカバーしきれない費用を補う目的があります。保険期間は有期と終身があります。
要介護度連動型と独自型がある
民間の介護保険の支払要件には、大きく分けて介護度連動型と独自型が存在します。介護度連動型は公的な介護保険と同じ基準で保険金支払の可否が決定されるものであり、「要介護○以上となった場合に保険金を支払います」というものです。一方、独自型は保険会社が支払基準を独自に定めているため、どのような時に保険金が支払われるかをしっかりとチェックすることをおすすめします。
まとめ
日本では高齢化が叫ばれており、誰もが介護の問題に直面する可能性があります。もしも介護が必要になった場合は、公的、民間の介護保険を上手く利用し、費用負担を最小限に抑えることが大切です。
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