保険の中には、加入時に審査を行う商品が多数あります。たとえば、生命保険の加入手続きの際、自分の健康状態について書類を書いた経験のある人も多いかもしれません。今回は生命保険の加入と健康状態の関係について紹介します。定期的に健康診断を受けていなかったり、健康に不安があったりする人も一読ください。
目次
生命保険の審査の方法とは
多くの生命保険では、申し込み時に健康状態の確認や所定の審査が行われます。基準は保険によって異なりますが、どのような審査があるのでしょうか。
告知書扱い
生命保険加入時には、告知書と呼ばれる書類の提出を求められることがあります。告知書には、過去数年間の病気・入院・手術などの有無、服用している薬の種類、妊娠しているかどうか等に関する設問があります。対象となる期間内に病気や入院をした場合、その原因や現在の状況についても記入することになります。
診査扱い
大きな保障の保険になるほど、加入時に診査扱いが必須であるケースが多くなります。診査方法は以下の3種類あり、加入する保険によって必要なものが異なります。
・健康診断書扱い…告知書と健康診断書を提出する
・診察扱い…保険会社から委託された診察医の診査を受ける
・面接士扱い…保険面接士との面談を行う
健康診断が不要な生命保険もある?
保険の中には事前に健康診断を受ける必要がなく、告知だけで加入できる商品もあります。
高額な保障の保険は必要
前述の通り、高額な保障の保険(死亡保険や高齢での契約等)へ加入する際は、告知書ではなく診査扱いでの審査が行われることが多くなります。告知書扱いの保険は手軽である反面、契約者の公平性を保つために契約できる上限金額が設定されている場合もあります。
低額の保障でも告知内容によっては必要
保障が高額とならない保険であっても、告知書の内容によっては後日健康診断書の提出を求められる場合があります。健康面に不安がある方は、告知内容の確認や、担当者への相談をしておくことをおすすめします。また、職業の告知のみの保険(年金保険・一時払い型の保険などの一部)も存在するため、そちらに切り替えて加入検討を行う方法もあります。
告知義務違反をするとどうなる?
告知書の記入はそれほど難易度の高い作業ではないことがほとんどですが、仮に告知内容を偽って提出したらどうなるのでしょうか。
告知書の主な質問内容
告知書の内容は、「5年以内に病気やけがでの入院、手術の経験があるか」、「1年以内に病院での診察を受けた経験があるか」、「定期健診などで医師から何かの指摘を受けたか」等の質問項目があります。もし該当する項目があった場合、その後の経過や服用している薬の名前等についても書かなければなりません。
血圧の高低を医師から指摘されたような場合にも数値の記載が必要であるため、面倒に感じる人もいるかもしれません。しかし、曖昧な記載によって後に保障内容が変更される可能性もないとは言えません。できる限り正確に詳細を記入するようにしましょう。
告知義務違反は保険金が支払われない
ごく短期の入院や部分的な手術だから省略しても良いだろうと決めつけて告知書への記載を怠った場合や、事実と異なる告知を行った場合には、告知義務違反となります。
告知義務違反が明らかになった場合、保険会社は一定の期間内であればその契約を取り消すことができます。それ以前に保険金支払事由が発生していたとしても、原則として保険金が支払われることは原則としてほとんどないため、告知漏れには十分に注意してください。
生命保険の審査で提出する健康診断書
加入を希望するのが生命保険である場合、保険会社からは健康診断書の提出を求められやすい傾向にあります。
健康診断書に必要な項目
健康診断書に必要な項目は保険会社や被保険者の年齢に応じて異なります。確認される主な項目としては、身長体重・血圧・尿検査・胸部X線・脂質値・血算等です。会社の定期健診結果や地域の定期健康診断表など、比較的最近のデータがあればそれを提出しましょう。
健康診断書が手元にない場合や保険会社が必要とする検診項目が無い場合には、その旨を保険会社に伝えると診察医の診察に切り替える等の対応を個別に行ってくれる場合もあります。
健康診断書のコピーを提出
健康診断書に関しては、コピーの提出も可能です。ただし、すべての項目についてコピーが必要となることもあるため、漏れが無いように注意してください。
健康診断書の中に「要再検査」や「要精密検査」等の要検査項目がある場合、再検査結果のコピーも提出する必要があります。項目にもよりますが、基準外の数値が認められたとしても加入できる保険もあるため、気になる点については問い合わせてみましょう。
生命保険に加入できる健康状態とは
保険会社によって引受基準は異なる
保険会社や保険商品、被保険者の年齢などによって引受基準は異なりますが、加入時の健康状態については明確な基準が設けられていないのが現状と言えます。中には、「保障は小さいけれど最低限の告知のみで加入できる」という、健康に不安のある人向けの商品を扱っている保険会社もあります。
保険会社のホームページなどで引受基準を確認
また、引受可能である基準が公開されている場合もあります。健康へ何らかの不安を感じているのであれば、保険会社のホームページを確認したりコールセンターに問い合わせてみたりするのもひとつの方法です。
特別条件で加入できるケースもある
否決されるのではなく、特別条件で加入が可能となるケースもあります。被保険者の告知内容によって保険会社が提示する特別条件も変わることが多く、保険料の割増、支払う保険金の削減、特定部位不支払(告知で異常がわかっている部位に傷病があっても支払われない)等が主なものです。契約者が同意して初めて契約が締結されるため、自分の望まない条件である場合には契約を辞退することもできます。
まとめ
健康診断が必要ない保険の加入条件は、保険会社や商品によって異なります。もし健康状態に不安があったとしても、告知書で虚偽の告知をすると不利益を被ることがあるため注意が必要です。加入を検討している保険について疑問点や知りたい点がある場合にはパンフレットやホームページ、電話等で事前に確認をしてください。