20代であっても生命保険に入る必要はあるのでしょうか。それぞれの人によって、状況は違うかと思います。また、保険にはどういった役割があるのかということも一度見直してみた方がよいでしょう。20代の人はぜひ参考にしてみてください。
目次
そもそも保険に入る理由とは
万が一に備えてお金を準備
保険に入る大きな理由は、「死亡したりけがや病気などで働くことが出来なくなったりした場合のリスクに備えて、お金を準備するため」です。家族がいる場合には、その生活費用も考えなければいけません。貯蓄だけでは対応できないときのためにお金を確保しておくのが保険の役割です。
20代の生命保険の加入率・月額の相場は?
20代の世帯別生命保険加入率は77.5%
生命保険文化センターの「生命保険に関する全国実態調査」によると、平成27年において、世帯主年齢が20代(29歳以下)の生命保険の加入率は【77.5%】となっています。世帯別で考えると10人に8人近くが保険に入っている計算となり、20代でも多くの人が保険に加入していることがわかります。
20代の年間平均払込保険料は24.2万円
「平成27年 生命保険に関する全国実態調査」によると、20代(29歳以下)世帯における生命保険の年間払込保険料の平均金額は【24.2万円】となっています。1世帯において1月あたり約2万円を保険料として支払っている計算になります。
20代の平均死亡保険金額平均は2,405万円
同じく「平成27年 生命保険に関する全国実態調査」によると、20代(29歳以下)世帯における生命保険の死亡保険金額の平均は【2,405万円】となっています。世帯主1人だけの場合だと、全年代で1,509万円となっており、配偶者がいる場合は、平均金額も高くなっていることが考えられます。
20代は保険が不要とされる理由
20代で亡くなる人は少ない
20代は、死亡したり大きな病気にかかったりすることがそれほど多い年代ではありません。また、社会人になったばかりで経済的にあまり余裕がないという人もいます。健康面での不安が少ないことに加え、金銭面の負担を減らしたいということであれば、保険料にお金をかけずに別の支出に充てた方がよいと考えられるかもしれません。
高額療養費制度がある
高額療養費制度とは、病院で支払った医療費が一定の金額(自己負担限度額)を超えると、申請によってその分が還付されるという制度です。公的な健康保険制度で適用されている制度の一つで、保険が適用される医療費が対象となります。そのため、保険適用外である差額ベッド代や食事代、先進医療による治療費などは対象から外れます。
貯蓄で賄える
死亡や大病のリスクが少ない点・高額療養費制度が利用できる点などを踏まえると、保険料を支払うより貯蓄に回した方が良いという見方もできます。また、20代のうちに保険へ加入すると、将来の急激なインフレなどによって受け取れる金額が相対的に少なくなることもあります。日本では健康保険制度が充実しているため、保険に加入して病気やけがのリスクに備えるより貯蓄で賄うという選択肢もあると言えるでしょう。
20代で保険に入る必要がある人
収入はあるが貯蓄がない
「暮らしていくのに不自由のない収入はあっても、貯蓄をあまりしていない」という人は20代から保険に入っておいてもよいかもしれません。お金が貯まるまでの間に、大きなけがや病気をしないとも限らないためです。
保険に加入して資金不足のリスクに備えつつ、少しずつ貯蓄をしていくという方法もあります。ある程度の貯蓄ができるまでの期間に限定して保険に入りたいのであれば、保険料を低く抑えることができる定期保険などを検討するのもよいでしょう。
子どもがいる
結婚をして家庭を持っている人は、20代であっても保険への加入を考慮に入れることがすすめられます。特に子供が生まれた後のライフプランを考えると、保険に入っていろいろなリスクを最低限に抑えておくことが必要と言えるためです。自身が死亡したり働けなくなるほどの病気に掛かってしまったりした場合であっても、保険金を子供の学費などにあてることができます。
20代で保険が不要な人
十分な貯蓄がある
すでに貯蓄が十分にあるという人は、無理に保険へ加入する必要はないかもしれません。そもそも保険には、「自身で賄い切れない部分を補うためのもの」という一面があります。十分な資金があるのであれば、保険料ではなく別の投資へ回した方が効率よく資産を運用できる可能性もあります。
独身で扶養する人がいない
20代・独身で扶養する人がいない場合も保険の必要性はそれほど高くないと考えられる方もいるかもしれません。死亡した場合の保険金についても親や兄弟が受取人となるケースが多く、「残された家族に対する必要最低限の備え」に該当しないこともあります。
保険は何歳から必要?
結婚して子供が生まれたら生命保険に加入
20代においては、いつ保険に加入するのがよいとされるのでしょうか。タイミングの一つとして、結婚をして子供が生まれたときが挙げられます。子供の誕生を機に、生活に必要となる保障の確認を行い、生命保険を検討するという家庭も少なくありません。20代で生命保険に加入すると、保険料を安く抑えられるというメリットもあります。
医療保険は必要最小限
前述の通り、20代のうちは健康に関するリスクが比較的少ないため、医療保険は必要最低限にしておいてもよいかもしれません。保障内容が多岐にわたる保険商品を選ぶと、その分だけ保険料も上がるケースが多いためです。公的な健康保険制度なども活用しながら、本当に必要な保障に的を絞るのも一つの方法です。
まとめ
保険の役割や、20代における生命保険の必要性などについて説明しました。同年代であっても、必要となる保障内容は人によって異なります。自分に合った保険を選択し、将来のリスクに備えられるようにしておきましょう。もし保険に入るかどうか悩まれる場合はファイナンシャルプランナー等の専門家に相談してみてはいかがですか?