テレビなどを見ているとコープ共済やJA共済など、さまざまな種類の共済があるということに気づきます。そもそも共済とはどんな仕組みや制度なのでしょうか。保険との違いなどを知って、うまく活用していきましょう。
目次
「共済」とはどんな制度?
共済とは、医療保障や死亡保障などを組合員同士の掛け金で助け合うことを目的とする保障制度です。共済に加入するためには出資をして組合員になる必要がありますが、100円程度から出資金を受け付けている共済もあります。
共済のメリットとは?
掛金が比較的安い
共済は組合員の助け合いのための保障制度という性質を持っているため、共済掛け金(保険料)が割安に設定されていることが多いです。ただし、共済に加入するためには組合員になる必要があり、人によってはデメリットとなることもあります。
掛金が年齢と性別でほぼ決まる
共済は、共済掛け金が年齢と性別でほぼ決まっていることが多いです。例えば、こくみん共済では共済掛け金は満15~満60歳の男性か女性かによって決められており、その他の共済でも年齢や性別で掛け金が決められているケースが多く見られます。
一般的に、10代や20代は病気のリスクは少ないですが、50代や60代では病気のリスクが高まるため保険の掛け金が高くなるケースが多いです。しかし、共済は組合員がお互いに助け合いながら運営することを目的としているので、幅広い年齢層の掛け金を同一にして掛け金の負担を軽減しています。
決算内容次第で割戻金が得られる
共済は助け合いを目的としており営利を追求していないため、生命保険でいう保険料にあたる共済掛け金が決算によって余った場合には組合員に還元される仕組みがあります。例えば都民共済(東京都)では、3月31日現在の加入者を対象として、8月に掛け金振替口座に割戻金として振り込まれています。
支払った掛け金が一定額還元されるため、保険料の負担をできるだけ抑えたい人にとってはメリットと言えます。しかし、決算の結果によっては割戻金が発生しない可能性もあるので注意が必要です。
参考:割戻金について
共済金の請求手続きが簡単
共済は、請求金の手続きを簡単に済ませることができます。請求の流れは以下のようになっています。
1.共済運営者へ連絡
2.共済金請求書類等の発送
3.共済金請求書類等の記入・返送
4.請求内容の確認・支払
5.共済金の内容・金額を確認
電話やインターネットなどでも手続きを申し込むことができ、手続きでわからないところは電話ですぐに確認することもできるので安心です。
共済と保険の主な違い
運営事業体の種類
共済と保険では、運営する団体が異なります。共済は相互扶助の役割を果たすために協同組合などの非営利団体が運営していますが、生命保険は株式会社や相互会社などの会社組織が運営しています。
加入できる条件
共済には組合員や組合員の家族しか加入できません。組合員でない人が共済に加入したい場合には、出資をして組合員になる必要があります。
生命保険は、健康状態に問題がなければ誰でも加入することができます。また、健康状態に不安がある方でも加入できるような種類の保険も時代やニーズに合わせて新しく誕生しています。
用意されている加入プラン
共済では、死亡保障と医療保障などがセットになったパッケージタイプのプランが用意されており、自分好みに保障をカスタマイズできないことが多いです。生命保険では、必要な保障をいろいろ組み合わせて自分好みの保障を作ることができます。また、パッケージ商品なども取り扱っています。
使用する用語
共済と生命保険は保障の内容にそれほど大きな差がありませんが、それぞれで使う用語には違いがあります。
共済で使う用語 | 生命保険で使う用語 |
---|---|
共済掛金 | 保険料 |
共済金 | 保険金 |
割戻金 | 割戻金 |
主な共済の種類と具体例
都民共済および県民共済
都民共済および県民共済は、全国生活協同組合連合会(全国生協連)が消費生活協同組合法に基づき、厚生労働省の認可を受けたうえで運営しています。全国39都道府県で展開しており、加入を希望する場合は居住地あるいは勤務地で運営している団体で契約する必要があります。死亡保障や医療保障などのパッケージ商品を主に取り扱っています。
JA共済
JA共済は、全国共済農業協同組合連合会(愛称:JA共済連)が運営している共済事業です。主な組合員は農業従事者で、終身共済や医療共済などさまざまな共済の種類で組合員のニーズに応えています。また、「ひと」に関する共済だけではなく、「家」「くるま」に関する共済事業も展開しています。
こくみん共済
全労済が運営しているこくみん共済は、消費生活協同組合法に基づいて非営利共済事業を行っています。組合員になるには、1口100円の出資金を1,000円以上出資する必要があります。子供向けの保障からケガに対する保障まで様々なタイプに分かれており、タイプによって共済掛け金や加入できる年齢に違いがあります。
コープ共済
コープ共済は、生活協同組合(生協)が運営しています。生協会員を組合員としており、地域の生協の店舗で申込可能です。家族それぞれの保障をするためのプランを展開しており、死亡保障や医療、こども共済などを取り扱っています。
まとめ
保険と共済は、どちらも私たちの暮らしの保障をしてくれます。しかし、運営する団体や会社によって商品の種類や保険料(掛け金)などに違いがあるため、自分に合っている商品を選ぶ必要があります。選共済や保険の加入を検討するときには、その保障内容や金額をしっかりと見極めましょう。