病気やけがになってしまったときの備えは準備していますか?入院手術だけでなく通院についても、しっかり準備しておきたいところです。 この記事では、医療保険の通院保障について説明します。
目次
医療保険は通院のみで給付金はもらえる?
病気や怪我での入院や手術の給付金が主な保障
医療保険は、治療を目的とした入院や手術をしたときに備えるための商品なので、通院のみでは給付金を受け取れないことが多いです。しかし、特約をつけると通院でも給付金を受け取れることもあります。特約には、通院特約以外にも先進医療保障や三大疾病保障、女性疾病保障などがあり、自分で必要なものを選ぶ必要があります。
通院特約は入院が前提
通院特約を医療保険につけても、入院をして退院した後の通院か入院する前の通院のみ保障されることが多いです。入院を伴わない通院は保障されないことが多く、風邪や小さなけがでの通院では給付金は支払われない可能性が高いでしょう。
一般的な通院保障とは
退院から120日以内や180日以内が一般的
一般的に、通院保障は退院した翌日から120日あるいは180日以内に通院をした場合に給付金が支払われます。入院した前日から遡って60日以内の通院も保障してくれるものや、退院後に通院を開始したときに通院給付一時金が支払われるものもあります。商品によって保障内容は異なるので、契約時には商品内容をよく確認しましょう。
日数や日額に制限がある
・日数制限
一回の通院で保障される日数は30日が一般的です。また、保険には保険期間全体で給付金を受け取れる日数(通算日数)が決められており、通算日数は1,000日~1,095日に設定されていることが多いです。通算日数を超えると、通院しても給付金が支払われない可能性があります。
・日額制限
支給される日額は、特約の内容にもよりますが日額3,000円から10,000円程度です。実際の治療費に関わらず、決まった給付金が支払われます。
・目的の制限
処置を伴う通院でなければ、通院しても給付金が支払われないことがあります。例えば、診断書や薬の受け取りのみで通院したときには、支払い対象にならない可能性が高いです。
通院だけで給付金が受け取れる保険
がん保険
がん保険とは、がんの治療に特化した保険です。がんは入院手術だけでなく通院での治療も必要になることが多いため、がん保険では通院のみでも給付金が支払われるようになっています。
具体的には、放射線・抗がん剤といったがん治療のための通院をしたときに、通院のみでも治療給付金を受け取ることができます。また、入院給付金が支給される入院をした場合には、退院の翌日から365日以内であれば日数無制限でがん通院給付金が支給されることもあります。
傷害保険
傷害保険とは、けがをしてしまったときに保障を受けられる保険です。骨折などの大きなけがには入院が必要ですが、けがの程度によっては通院で治療していくことも少なくないため、傷害保険は通院だけでも給付の対象になることが多いです。
一般的には、保障対象となるけがをして180日以内に治療のために通院した場合に給付金が支払われます。実際に通院した日のみが保障され、支払い日数は30日程度に制限されています。
共済
共済とは、相互扶助精神に基づいて非営利団体が運営している保障制度です。団体の組合員になり共済に加入するとと、火災や事故などが発生した際に共済金が受け取れます。
共済には様々な商品があり、事故による通院の場合のみ保障が受けられる商品もあります。ただし、共済は運営している団体によって保障内容が異なるので、通院のみでは保障されない共済もあります。
医療保険に通院保障は必要?いらない?
入院後は通院するケースが多い
大きなけがや病気をしたときには、入院して治療をしなければなりません。しかし、けがや病気が完治するまで入院できるケースは少なく、一般的にはある程度病気やけがが回復すると退院して通院治療に切り替えます。
退院後の通院には、通院での治療費以外にも交通費などが発生します。医療保険に通院特約を付けて準備をしておけば、入院中から退院後の通院まで備えることもできます。
健康保険から傷病手当金が出る
傷病手当金とは、公務員や会社員が加入している健康保険から支払われる公的制度です。病気やけがで働けなくなってしまったときの生活保障を目的として給付されます。
傷病手当金が受給できれば、医療保険に通院特約がなくても金銭的な負担は軽くなる可能性があります。しかし、支払われる金額は標準報酬日額の3分の2程度とされ1年半までしか受け取れないことが多いです。
けがや病気の程度によっては傷病手当金だけでは不足することもあるので、通院特約をつけておけば金銭的な負担を少なくすることができるかもしれません。
就業不能保険や所得補償保険も選択肢に
就業不能保険は生命保険会社が取り扱っており、給付金額は契約時に決めた金額となります。中長期的に保障してくれるものが多いことが特徴です。
所得補償保険は損害保険会社が取り扱っている商品で、働けなくなったときの実際の所得に応じて給付金が受け取れます。保障期間は短期間のものが多いです。
けがや病気で収入が減ってしまっても、就業不能保険と所得補償保険に加入していれば毎月一定額の給付金を受け取ることができます。医療保険に通院特約をつけない場合は、選択肢として覚えておくと良いでしょう。
まとめ
病気やけがの通院への備えは、色々な方法があります。何に対して備えたいのか、どのくらいの給付金をどのように受け取りたいのかをよく考える必要があります。万が一のことを考え、病気やけがへ備えていきましょう。