心療内科で診察を受ける際、保険は適用されるのでしょうか?また、費用はどのくらいかかるのでしょうか?この記事では、心療内科の受診にあたって必要となる費用や生活に及ぼす影響、保険との関連などについて紹介します。
目次
心療内科とは?保険証は使えるの?
心療内科の治療費は健康保険適用
心療内科での治療には健康保険が適用され、他の診療科と同様に3割負担です。実際に掛かる費用の目安としては、初診で3,000円~5,000円程度、2回目以降は2,000円~3,000円程度と言えます。受診の際は、忘れずに保険証を持参しましょう。
保険適用外のカウンセリング
保険診療の制約のないカウンセリングについては、保険の適用外となります。カウンセリングはうつ症状が軽度である人や、薬物に頼らず症状の改善を目指したい人が利用することが多く、時間をかけて行われる傾向にあります。実施されている療法としては、認知行動療法や来談者中心療法などが挙げられます。
心療内科への通院で保険加入が難しくなる?
保険への影響
心療内科に通院することで難しくなる可能性があるのが、「保険への加入」です。特に生命保険に関しては、精神科や心療内科へ通うと加入できなくなる場合があります。保険の選択肢が少なくなる恐れがあるという意味では、デメリットと言える影響かもしれません。
生命保険に入るのが難しい理由
生命保険への加入が難しくなる理由の一つは「自殺のリスクが高くなる可能性があるため」です。不安定な精神状態が続くと、思考がマイナス方向を向いたり言動の制御がしにくくなったりすることもあります。
もう一つの理由は、「他の症状が併発する可能性があるため」です。精神症状を抑えるための薬であっても、服用する際には身体に負担がかかることがあります。外出や運動がしにくくなる症状が出ている場合などには、体力や免疫力が低下して他の病気にかかりやすくなることも考えられます。
住宅ローンへの影響
心療内科に通院すると、住宅ローンへも影響が出る可能性があります。住宅ローンを組む際、団体信用保険(団信)に同時加入するケースが多いことが関係しています。団信とは、住宅ローンの借り手が死亡したときなどに残りの住宅ローンを支払うための保険を言い、生命保険と同じような仕組みで運営されています。そのため、生命保険への加入が難しくなるのと同様の理由で、住宅ローンを組むことも困難になる可能性があります。
加入後の通院はOK!
心療内科へ通院した後の保険加入は難しくなることがあっても、保険加入後の通院は問題とならない場合があります。「保険に加入しているときには心身ともに健康だったが、後に精神症状が現れて病院に通っている」と判断され、普通の病気と変わらない扱いとなるケースが多いためです。
注意したいのは、「保険の更新時期」です。契約を更新する前に心療内科へ通院すると、「健康状態が以前と違う」という点で、更新のための前提条件と異なっているとみなされる場合もあります。
生命保険にはもう入れない?
治療後5年で入れる保険
一度心療内科に通院すると、以後生命保険への加入ができなくなるケースばかりではありません。多くの保険で加入時に問われるのは「直近5年間の病歴や通院歴」です。つまり、治療後5年が経てば保険に入れる場合も多いということです。保険に入るときは、加入条件の「通院歴などの告知義務」が過去何年前まで必要なのかをチェックしましょう。
通院歴は必ず告知を!
心療内科への通院歴があり、保険加入時にそのことを告知しなかった場合にはどうなるのでしょうか。加入自体はできたとしても、通院歴を告知しなかったことが保険金支払いの段階で発覚する可能性が高いと言えます。
この場合、「告知義務を怠った」とみなされ、保険金が受け取れなくなることが考えられます。契約そのものの見直しという話に発展すれば支払ってきた保険料が無駄になってしまう場合もあるため、通院歴に関してはきちんと告知を行う必要があります。
治療中でも入れる保険もある
心療内科へ通院中であったとしても、加入できる保険はあります。「引受基準緩和型」という、持病のある人なども加入できるタイプの保険です。「この病気なら加入できます」というように、保険会社ごとに特定の加入基準が緩和されていることが多く、保険料は他の保険より割高に設定される傾向にあります。
「引受基準緩和型」にも加入することが難しい場合、告知の必要がない「無選択型」の保険に入るという方法もあります。まずは引受基準緩和型の保険に入れるかどうかのチェックを行い、次に無選択型保険について確認する、という順序で検討するのがよいかもしれません。
まとめ
心療内科へ通院する際の保険適用や、通院後の保険加入に関する内容を紹介しました。心療内科への通院経験がある場合には、加入済みの保険・加入を検討したい保険について、契約内容の確認を行っておくとよいでしょう。