「こくみん共済」という名前を目にしたことはありますか?全労済は保険によく似た共済という保障事業を展開しており、こくみん共済はその一種です。今回は、こくみん共済の保障内容等について詳しく説明します。
目次
全労済が展開する国民共済とは?
人の保障「こくみん共済」
全国労働者共済生活協同組合連合会(以下全労済)が運営する「共済」という保障事業は、保険と似た仕組みを取っています。保険では人や家・車等様々なものを保障の対象としていますが、こくみん共済(国民共済)は人の保障に重点を置いています。
加入者は医療や生命・賠償等の共済の中から必要な保障を選び、毎月決められた金額を掛金として支払います。そして、選んだ保障にかかる万が一のことが起こった際には共済金が支払われます。
こくみん共済(国民共済)について
こくみん共済には多様なプランがあり、家族それぞれに向いた保障を選ぶことができます。その一部を紹介します。
パパ向け「総合タイプ」
総合保障とは、医療・死亡・障害に対する保障をカバーできるプランを指します。中でもこくみん共済の「総合タイプ」は比較的手頃な掛金で医療・死亡・障害に備えることができるため、家計を支えるパパ等に適していると言えます。
ママ向け「医療タイプ」
医療保障についても、ニーズに合わせてタイプを選ぶことができます。「医療タイプ」には通常の病気に加えて女性特有の病気への保障も付いているため、ママ等に向いた内容と言えます。
子ども向け「キッズ満期金付プラン」
満0歳から加入できる、子ども向けの総合保障もあります。「キッズ満期金付プラン」は医療や死亡等の総合保障に加えて、進学のための資金も準備できるプランです。
シニア向け「シニア総合タイプ」
「シニア総合タイプ」は、満60歳以上の人が比較的手頃な掛金で加入できる保障です。入院が必要となった場合や、交通事故・けがなどで重度の障害が残った場合に備えることができます。
けがと賠償の保障「障害安心タイプ」
他人に被害を与えるリスクへの備えとなるのが「障害安心タイプ」です。自分自身の入院や通院に対する保障に加え、他人にけがを負わせたり他人の物を壊したりしてしまった場合の損害賠償も保障内容に含まれています。
こくみん共済の医療保障について
次は、医療保障について見てみましょう。
がん保険「がん保障プラス」
「がん保障プラス」はがんに特化した保障です。単独での取り扱いはなく、他の医療保障とあわせて加入することになります。がん(悪性新生物)や上皮内新生物等の診断を受けた際、がんによる入院や手術の際などには共済金が受け取れることがあります。
終身保険「終身医療5000」
「終身医療5000」は、加入してから亡くなるまでの期間、入院や手術に備えることのできる保障です。掛金は加入時の満年齢や性別によって異なりますが、更新による掛金の上昇は原則としてありません。不慮の事故で高度障害となった場合には以降の掛金支払が免除され、保障は継続となります。
こくみん共済の特徴
こくみん共済と民間の保険には、運営上異なる部分があります。以下では、こくみん共済の特徴と言える点をメリット・デメリットの両面から紹介します。
職業に制限がない
死亡保障のついた民間の生命保険等に加入する際には職業に関する告知が必要となる場合があり、加入希望者の職業によっては保障内容が減らされたり加入自体ができなかったりする場合もあります。しかし、こくみん共済では職業による加入時の制限が基本的に設けられていないため、幅広い職業の人が加入しやすいという一面があります。
保険料は一律
こくみん共済では、掛金が何パターンかの金額に決められています。年齢や性別によって金額が変わるわけではなく、更新によって掛金が増額されることも基本的にないため(一部商品を除く)、保険料の支払いは比較的しやすいと言えます。一方で、病気やけがのリスクが低い若い世代などにとっては、掛金が割高と感じられる可能性もあります。
保障される金額が少ない
掛金がシンプルである分、民間の保険会社の保険より保障される金額は少ない傾向にあります。保障が手厚いタイプでも死亡・高度障害の際の受取額が3000万円となっており、子どもの多い家庭等にとっては十分と言えない場合があります。「民間の保険より低額の保険料で最低限の保障がほしい」というニーズには合った仕組みであると言えます。
保険の自由な組み合わせができない
民間の保険では、基本の保障に加えて必要な特約を付けることができますが、こくみん共済には特約というものが存在しません。そのため、保障内容を自由に組み合わせることは難しいと言えます。しかし、保障内容や金額が異なる多様なプランの用意があるため、その中から自分に合ったものを選択することは可能です。
こくみん共済の各種手続き
こくみん共済に加入した後の各種手続きについて説明します。
電話・口座・住所変更
電話番号・取引口座・住所などの変更は、以下の方法で行うことができます。
・Webか電話で書類請求をし、必要事項を記入の上で返送する
・共済ショップの窓口に行き、手続きをする
・マイページサービスに登録をし、インターネット上で手続きをする
いずれの方法についても、保障内容や組合番号・契約番号が確認できるもの(共済契約証書等)と、変更後の電話番号・口座番号・住所等がわかるものを手元に用意しておきましょう。
共済金の請求
共済金を請求する場合、まずは次のどちらかの方法で必要書類を送付してもらいます(個人賠償制度に関する受付は電話のみ)。
・受付専用フォームへ必要事項を入力する
・全労済共済金センターへ電話をする
どちらの場合も、保障内容・組合番号・契約番号が確認できるものが必要となるため、共済契約証書を手元に用意してください。書類が郵送されて来たら、必要事項を記入し返送します。全労済側で内確認を行い、支払いに該当すると判断されれば共済金が支払われます。
解約手続き
解約手続きには、次の2通りの方法があります。
・Webか電話で書類請求をし、必要事項を記入の上で返送する
・共済ショップの窓口に行き、手続きをする
他の手続きと同様、共済契約証書の用意が必要となります。なお、家族で加入していて1人だけが解約を希望する場合などには通常とは異なる手続きが発生する可能性があるため、事前に確認を行ってください。
まとめ
こくみん共済には「人に関するリスクへ備える保障」という面があり、多様なプランから自分に合ったものを選ぶことができます。保険への加入を検討しているのであれば、選択肢のひとつに加えてみても良いかもしれません。