登山を趣味にしているという人も多いのではないのでしょうか?幅広い年齢層が楽しむことのできるレジャーと言えるものの、怪我や遭難などをしてしまう可能性があることも忘れてはいけません。登山のリスクについて正しく理解し、事前に備えておきましょう。
目次
登山のリスクは?保険でカバーできる?
登山中のリスク
登山中に考えられるリスクの一つとして、怪我が挙げられます。登山では、普段歩き慣れていないような山道を歩くケースが多いため、思わぬ段差につまずいたり、落差のあるところから転落したりする危険性もあります。
また、登山は自然の中で楽しむ場合も多いため、熊や猪等の動物に襲われたり、ハチに刺されたりするリスクもあります。さらに、いつもと違う環境に長時間身をおくことが多い登山では、急病に罹ってしまうケースもあります。いずれの場合も、医療機関を受診しようと下山を試みているうちに重症化してしまう可能性もあります。
登山を楽しむ上で忘れてはならないのが、遭難のリスクです。標高の高い山では天気や気温などが急変しやすく、進路を見失ったり、怪我や病気等により動けなくなったりすることも考えられます。遭難者が発生すると救援隊が組織されることとなりますが、救援にかかった費用が遭難者本人やその家族に請求される場合もあります。
自分の不注意で他人に怪我をさせてしまうリスクも見逃せません。特に冬山登山等では、俊敏な動きを取ることが難しい装備で臨む場合が多いため、いっそうの注意が必要です。また、一日に多数の登山客が訪れる山では、バッグや各種装備・財布など、携行品の盗難にも備える必要があります。
山岳保険でリスクに備えよう
山岳保険に加入すると、登山中の怪我や急病・遭難・他人への傷害・携行品の盗難等に備えることができます。想定されるリスクにあらかじめ備えておくことが、登山中の安心につながる場合もあります。
山岳保険の種類と選び方のポイント
掛け捨て1日のみか長期保証か
山岳保険には、大きく分けて以下の2通りがあります。
・損害保険に特約を追加して年間で加入する山岳保険
・スポットで加入する旅行傷害保険(レジャー保険)
どちらにもメリット・デメリットの両面があるため、自分のスタイルにマッチした保険を選ぶようにしましょう。
山歩きか海外登山や本格登山を行うか
どのような保険に加入したらいいかという点については、登山のスタイルによって異なります。たまに趣味やレジャーとして山歩きを楽しみたいというレベルであれば、スポットで加入する旅行傷害保険で十分な保障が得られると言えます。1泊2日程度の短い旅程であれば保険料が数百円程度のプランも展開されているため、チェックしておきましょう。
本格的な登山を目指す人や海外の山へ挑戦したいという人は、山岳保険に加入しておくことをおすすめします。登山中の怪我やそれに伴う手術費用の保障をはじめ、万一遭難してしまった時の救援費用等も幅広く保障の対象としている保険があります。ただし、危険度が高いと言われる山への登山は保障の対象とならない場合もあるため、注意が必要です。
保障内容を確認して加入を
旅行傷害保険や山岳保険を利用して一定のリスクに備えることは可能ですが、加入時には保障内容をきちんと理解することが大切です。特に、遭難時のレスキュー費用や急病に関する保障などについては、有無や金額などを把握しておいた方が安心と言えます。雪山や山岳登はんに対応していない保険、海外の事故等には対応していない保険なども中にはあるため、保障内容は詳細まで確認しましょう。
山岳保険5つの加入方法
アウトドアショップで加入
山岳保険にはアウトドアショップでも加入することができます。モンベル(mont-bell)では、趣味として登山を楽しむ人から本格的な登山家まで、様々なニーズに応えた山岳保険を販売しています。また、「モンベルメイト」と呼ばれる会員になっていれば、保険加入によってポイントが付与されるなどのメリットもあります(2017年12月現在)。インターネットからでも気軽に加入申し込みができるため、検討してみても良いかもしれません。
山岳団体に加入して保険を契約
日本山岳協会山岳共済会の会員になると、「山岳遭難・捜索保険」に加入することができます。この保険では、自分の登山スタイルに応じて複数のプランから保障内容を選択することができます。また、日本山岳協会山岳共済会に加入すると、各種宿泊施設・山麓施設・ジムやショップなどの優待利用ができるなどの特典もあります。
携帯キャリアの保険に加入
ドコモ・ソフトバンク・auでは、携帯キャリアの加入者向けプランとして、登山者のリスクにも対応する保険を提供しています。ただし、携帯電話契約を解約すると保障も消滅する可能性があるため、自分がどのような保険に入っているかきちんと把握しておく必要があります。
総合損害保険の特約で対応
登山のリスクに対応できる旅行傷害保険を発売している損害保険会社もあります。特に大手の損害保険会社の商品だと安心感を持つ人もいるかもしれませんが、各社で保障内容が大きく異なる場合があるため、加入前の確認がすすめられます。
加入済保険の特約で対応
すでに自動車保険や火災保険に加入済みという人は、「個人賠償責任特約」に加入しているかどうかチェックしてみましょう。登山の時だけではなく、日常生活において他人に傷害を与えたり、他人の財物を傷つけてしまったりした場合などに保険金が支払われる特約です。安価な保険料で大きな金額が保障される場合が多いため、登山を機に加入を検討するのもよいでしょう。
まとめ
登山にともなう怪我や遭難等のリスクには、保険へ加入することによって備えられる場合があります。登山に関する保険は用品店や損害保険会社、携帯電話会社などから展開されています。事前に保障内容をきちんと確認し、自分の登山レベルに合った保険を選びましょう。