生命保険や医療保険は、加入しておくことで将来の病気の発症や万一の際に保障を受けられます。しかし、既に持病を持っている人の場合は、健康面でのリスクが高いため選べる保険の範囲が狭くなります。今回は持病があっても加入できる保険の種類などを紹介します。
目次
持病があっても入れる保険の種類
保険会社によっては、医師の診査が不要で簡単な告知のみで加入できる引受基準緩和型の保険を販売しています。引受基準緩和型の保険では、持病があっても加入できる可能性が高いです。引受基準緩和型保険の種類は、以下の通りです。ただし、詳しい保障内容や引受基準などは保険を販売している保険会社により異なります。
引受基準緩和型の生命保険
被保険者が万が一亡くなった場合に保険金を受け取ることができる保険です。定期タイプと終身タイプとがあり、定期タイプの場合は、払込期間と保障期間が10年などに設定されます。終身タイプは生涯に渡って保障されるため、定期タイプの保険よりも保険料が高く設定されます。
引受基準緩和型保険の生命保険では、加入後1年以内に被保険者が死亡した場合には死亡保険金が50%程度に減額されることが多いです。
引受基準緩和型の終身医療保険
医療保険は、入院給付金額と手術給付金を保障する商品です。終身タイプの医療保険は、生涯に渡って入院と手術が保障されます。
死亡保障がある医療保険で加入後1年以内に被保険者が死亡した場合は、引受基準緩和型保険の生命保険と同様に、死亡保険金は50%に減額されます。入院給付金や手術給付金についても、加入後1年以内は保障金額の50%しか支払われないケースが多いです。
引受基準緩和型のがん保険
3大疾病の一つであるがんを一生涯保障する保険です。がんによる入院や手術が発生した場合に給付金を受け取ることができます。健康保険適用外の先進医療の治療費をカバーできる先進医療特約や、入院を伴わない抗がん剤治療を保障する特約を付加することも可能です。保険会社によっては、がんになったことがある人でも加入できるがん保険を発売しています。
通院費が保障される保険とは?
通院特約の付加で入院前後の通院を保障
引受基準緩和型の医療保険には、通院特約の付加で通院給付金を受け取れるものもあります。持病がある人は健康な人に比べて通院する機会も多いため、通院特約を付加すれば備えになると言えます。ただし、通院特約の対象になる通院は入院前後の通院に限られているものが多く、保障される日数も入院後の60日のみ対象など制限も多いです。
リウマチなどの難病も保険に入れる?
持病を隠して告知をしないことが重要
リウマチなどの難病がある人でも、引受基準緩和型タイプの保険であれば条件を満たすことで加入できる可能性があります。条件は、過去2年以内の入院・手術がないことや、過去5年以内のがんや肝硬変などの診断歴がないなどです。
生命保険や医療保険、がん保険に加入する際には、持病や健康状態の告知が義務付けられています。保険加入時には、持病は隠さずに告知しましょう。
持病を隠して加入しても保険金はゼロ
持病を隠して保険に加入して保険料支払い期間中に持病があることが発覚した場合は、契約違反となるため保険料をきちんと納めていても保険金の支払額はゼロとなります。保険金を請求する際には医師による診断書が必要なことが多いですが、診断書により加入時に持病があったことが発覚する可能性も高いです。保険に加入する際には、ありのままの健康状態を保険会社に告知するべきです。
女性特有の持病や子供の場合は?
女性は条件付きで加入できることも
女性特有の持病には子宮筋腫や子宮内膜症がありますが、持病を持った女性でも疾病不担保とすることで生命保険や医療保険に加入できる可能性があります。疾病不担保とは、特定の病気の発症リスクは保障しないとする制度です。子宮系の病気が疾病不担保とされた場合、その他の病気は保障されますが子宮系の病気が悪化した場合は保障を受けられません。
持病がある子供は糖尿病保険を
小児糖尿病を発症している子供の場合は、糖尿病保険に加入することができます。糖尿病保険では、糖尿病と糖尿病の合併症だけでなく、病気やけがなどが幅広く保障されます。
ただし、加入するためには3つの告知事項をクリアする必要があります。告知内容は過去の入院歴の有無や医師からの入院、手術の指示、発症した病気の確認などです。
持病持ちで海外旅行保険に入る時は?
応急治療特約を付加する
持病持ちでも海外旅行保険に加入できる可能性は高いですが、万が一旅行中に持病が悪化し現地で入院した場合は、海外旅行保険の基本的な保障内容では不十分なこともあります。海外旅行保険だけでは保障が不足する場合は、応急治療特約を付加すると万一の事態にも備えられます。
応急治療特約を付加しておけば、旅行先での持病の悪化に伴う治療費などが給付されます。ただし扱っていない保険会社もありますし、保障内容にも制限があるため事前によく確認しておくと良いでしょう。
救援費用担保特約を付加する
救援費用担保特約を付加しておくと、持病の悪化によって入院することになった場合などに、現地へ駆けつける親族に必要な交通費などの救援費用が支給されます。ただし、応急治療特約と同様に保障内容には制限があります。
具体的には渡航先での治療が決定している場合や、継続治療の治療費は保障内容に含まれません。持病が悪化した場合に限って保障されます。
まとめ
持病がある人であっても加入できる生命保険や医療保険は、各保険会社から販売されています。ただし、加入する際にはいくつかの条件を満たす必要があります。保険による保障を受けることを検討している人は、まずは告知事項などを満たしているかを確認してみましょう。