保険の種類と主な特徴をまとめて解説

この記事について

編集責任者 河口 武志(株式会社イード コンテンツマーケティング事業部 部長)が監修しています。制度・数値は厚生労働省・金融庁・各保険会社の公表資料など一次情報にあたって確認しています。詳しくは編集方針をご覧ください。

保険は、病気やケガ、事故、災害など、予測できない事態が起きたときに生活を支えてくれる仕組みです。とはいえ、「生命保険」「医療保険」「損害保険」といった言葉を耳にしても、それぞれがどう違うのか、どこまで保障してくれるのかを正確に説明できる人は少ないのではないでしょうか。

保障内容を理解せずに加入してしまうと、必要な保障が不足していたり、逆に重複した保障に無駄な保険料を払い続けていたりすることがあります。この記事では、保険の主な4つの分類と、それぞれに属する代表的な保険商品の特徴を整理しました。自分に合った保険を選ぶ際の判断材料として活用してください。

目次

保険の主な種類は4つ

保険は大きく「公的医療保険」「生命保険」「医療保険」「損害保険」の4種類に分けられます。加入が義務となっているものと、任意で選ぶものがあり、保障の対象や支払われるお金の性質もそれぞれ異なります。まずは4種類の全体像をつかんでおきましょう。

公的医療保険

公的医療保険は、病気やケガの治療が必要になった際、治療費の一部を公的機関が負担してくれる制度です。日本では国民全員がいずれかの公的医療保険に加入する義務を負っており、会社員は「健康保険」に、自営業者や専業主婦(夫)は「国民健康保険」に加入します。

公的医療保険に加入していれば、治療費の自己負担は1〜3割に軽減されます。さらに、1ヵ月の自己負担額が一定の上限を超えた場合には、超過分が全額払い戻される「高額療養費制度」も用意されています。医療費が高額になった際の心強い後ろ盾といえるでしょう。

生命保険

生命保険は、人の生存または死亡について、あらかじめ定められた保険金が支払われる保険です。実際にかかった費用の額とは関係なく、契約時に決めた金額が支給される「定額払い」であることが大きな特徴です。

保険をかける対象は「人」であり、契約を取り扱えるのは生命保険会社に限られます。将来の家族の生活資金や、老後の備えなど、目的に応じて多様な商品が用意されています。

医療保険

医療保険は、被保険者が入院や手術、通院をした際に給付金が支払われる保険です。生命保険にも損害保険にも当てはまらないため「第三分野の保険」と呼ばれており、生命保険会社と損害保険会社のどちらでも取り扱っています。

入院や手術にかかる費用は公的医療保険で一部カバーされますが、差額ベッド代や先進医療の技術料などは自己負担となるケースがあります。医療保険は、こうした公的保険では補いきれない費用への備えとして活用されています。

損害保険

損害保険は、偶発的な事故や災害によって建物や家財などに損害が生じた場合、その損害額に応じて保険金が支払われる保険です。生命保険とは違い、実際の損害額によって支払われる金額が変わる「実損払い」が基本になります。

保険をかける対象は人ではなく「モノ」であり、契約を取り扱うのは損害保険会社に限られます。火災や自動車事故、地震など、想定される被害の種類によって商品が細分化されているのも特徴です。

種類 保障の対象 支払い方式 取扱会社 加入の義務
公的医療保険 治療費 実費の一部負担 公的機関 義務
生命保険 人の生存・死亡 定額払い 生命保険会社 任意
医療保険 入院・手術・通院 定額払い 生命保険会社・損害保険会社 任意
損害保険 建物・家財などのモノ 実損払い 損害保険会社 任意(自賠責等は義務)

生命保険に分類される保険の具体例

生命保険には、死亡や生存に対して保険金が支払われる商品がいくつも存在します。目的や保障期間によって「養老保険」「終身保険」「個人年金保険」に分かれ、それぞれ貯蓄性や保障の続き方に違いがあります。ここでは代表的な3種類の特徴を見ていきます。

養老保険

養老保険は、一定期間の死亡保障と生存保障を組み合わせた「生死混合保険」と呼ばれる商品です。保険期間中に死亡または高度障害状態になった場合には死亡(高度障害)保険金が支払われ、満期まで生存していた場合には満期保険金が支払われます。

通常、死亡(高度障害)保険金と満期保険金は同額に設定されています。生死のどちらの結果になっても保険金を受け取れる点はメリットですが、その分保険料が高額になりやすいというデメリットも押さえておく必要があります。

終身保険

終身保険は、被保険者が死亡した際に保険金が支払われる保険で、契約を途中で解約しない限り死亡保障が一生涯続きます。解約した場合には解約返戻金が支払われ、その金額は契約の継続期間が長くなるほど増えていく仕組みです。

解約返戻金が保険料の払込総額を上回ることもあり、貯蓄性の高さに注目が集まる保険です。一方で、返戻金を低く抑えることで保険料を割安にした「低解約返戻金型」の商品も販売されており、目的に応じて選び分けることができます。

個人年金保険

個人年金保険は、老後の資金を保険料の積み立てという形で準備するための保険です。銀行の普通預金のように簡単に引き出せない仕組みになっているため、自分で貯金を続けるのが苦手な人にとって、老後資金を確実に準備する手段として適しています。

ただし、公的年金(国民年金・厚生年金)のようなインフレ対応の仕組みはありません。将来物価が上昇して貨幣価値が下がったとしても、契約時に定めた支給額がそれに合わせて増えることはない点には注意が必要です。

医療保険に分類される保険の具体例

医療保険の枠組みには、病気やケガ全般に対応する基本的な商品のほかに、特定の状況に手厚く対応する保険もあります。「がん保険」「女性の保険」「介護保険」は、いずれも公的医療保険や公的介護保険で足りない部分を補う役割を持っています。

がん保険

がん保険は、がんの治療にかかる経済的負担を軽減することを目的とした保険です。被保険者ががんと診断されたときには「がん診断給付金」、がんで入院したときには「がん入院給付金」、がんで手術を受けたときには「がん手術給付金」、がんで通院したときには「がん通院給付金」が支払われます。

がん治療は通院での抗がん剤治療など長期化するケースも少なくないため、入院だけでなく通院までカバーする給付金の有無は、商品を選ぶ際の確認ポイントになります。

女性の保険

女性の保険は、医療保険やがん保険の中でも、子宮筋腫や卵巣嚢腫など女性特有の病気にかかった場合の保障を手厚くした保険です。加入していると、女性特有の病気による入院や手術の際に、通常の保障へ上乗せする形で保障を受けられます。

帝王切開など通常と異なる分娩についても上乗せ保障の対象になることが多く、結婚して子どもを持ちたいと考えている女性にとっては、妊娠・出産に対する備えとして検討する価値があるでしょう。

介護保険

介護保険は、介護にかかる経済的負担を軽減することを目的とした保険です。私たちは40歳になると公的介護保険への加入が義務付けられますが、40歳未満で要介護状態になった場合は公的介護保険の適用対象外となります。

また、40〜64歳であっても、法律で定められた特定疾病を原因とした要介護状態でなければ公的介護保険の対象にはなりません。たとえば交通事故が原因で介護状態になった場合などは、公的介護保険では保障されないのです。民間の介護保険には、こうした公的介護保険でカバーできない部分を補う役割があります。

損害保険に分類される保険の具体例

損害保険は建物や自動車、家財などモノの損害を補償する保険で、身近なリスクに合わせて商品が細分化されています。ここでは「火災保険」「自動車保険」「地震保険」の3つを取り上げ、それぞれの補償範囲と関係性を整理します。

火災保険

火災保険は、火災によって建物や建物内の家財に生じた損害の費用を補償する保険です。名称には「火災」とありますが、大雨による建物の浸水や、落雷による家財の故障など、火災以外の損害についても補償されるケースがあります。

自動車保険

自動車保険は、自動車で事故を起こした際に生じた損害を補償する保険です。自動車を購入する際には「自賠責保険」への加入が義務付けられていますが、自賠責保険の補償範囲は相手側への最低限の補償に限られています。

任意加入の自動車保険には、強制加入である自賠責保険では補えない損害、たとえば自分自身のケガや自分の車の修理費、相手の車や物への賠償などをカバーする役割があります。

地震保険

地震保険は、政府と損害保険会社が共同で運営する保険で、地震や噴火による建物・家財の損害を補償します。地震や噴火の際に生じた津波や火災によって建物や家財が被害を受けた場合の補償も含まれます。

地震保険は単体で販売されておらず、火災保険に付帯する形で契約するのが基本です。つまり、地震保険に加入したい場合は、まず火災保険への加入が前提になるという点を覚えておく必要があります。

まとめ

保険は「公的医療保険」「生命保険」「医療保険」「損害保険」の4つに分かれ、それぞれ保障の対象や支払い方式が異なります。公的医療保険は治療費の負担を軽減し、生命保険は人の生死に対して定額の保険金を、医療保険は入院や手術に給付金を、損害保険はモノの損害に実損の保険金を支払う仕組みです。

すでに加入している公的医療保険や公的介護保険で足りない部分を把握したうえで、生命保険・医療保険・損害保険をどう組み合わせるかを考えることが、無駄のない保険選びの近道です。収入やライフプラン、家族構成の変化に合わせて、必要な保障を見直すきっかけとして今回の内容を役立ててみてください。

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著者

株式会社イード コンテンツマーケティング事業部 部長。

広島大学卒業後に慶應義塾大学の大学院に進学。大学院では『ダイレクト・レスポンス・マーケティングにおけるユーザ行動分析に関する研究』を修士論文としてマーケティングの研究に取り組む。

LiPro(婚活)メディアを始め、めしレポSpicomiCareer Theoryなど多数サービスの責任者を務める。
特定非営利活動法人 広島経済活性化推進倶楽部の理事に従事。

著書「婚活メンパ革命〜自分を削る婚活は卒業!消耗しない人が勝つ「婚活フィルタリング戦略」〜」を発売。

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