「保険に加入するのは社会人になってからで十分」と考える大学生もいるかもしれませんが、学生であっても生活上のリスクがゼロであるとは言えません。今回は、大学生に対する保険の必要性について説明します。
目次
大学生のリスクはどんなものがある?
病気/他人への賠償/盗難
大学生が直面する可能性の高いリスクとして、次のようなものが挙げられます。
まず、病気の発症です。海外旅行先で病気になってしまったり、一人暮らしによる栄養面の偏りで生活習慣病を発症したりするケースが考えられます。特に海外では日本の健康保険が適応されないため、医療費が高額となる可能性があります。
次に、他人への賠償や盗難です。通学中に自転車や原付バイクを運転していて他人へ怪我を負わせてしまう可能性などが考えられます。アルバイト先やインターンシップ先で備品を損壊してしまったり、盗難に遭ったりするケースなども想定できます。
学生保険にはどんなタイプがある?
それではここで、学生保険の種類をチェックしてみましょう。
大学生協の「学生総合共済」
まず、大学生協が提供する「学生総合共済」が挙げられます。大学生協を通して加入することができ、生命共済と火災共済の二種類が主なものとなっています。
生命共済は病気や怪我による入院・手術などに対する保障であり、1年間の掛金が12,800円、月額では1,067円です。火災共済は火災や盗難被害に対する保障で、1年間の掛金が2,000円、月額が167円となっています。
大学生協の「学生賠償責任保険」
同じく大学生協が提供しているのが「学生賠償責任保険」です。学生総合共済とは異なり、賠償責任に対する保障に特化した保険商品です。
保障内容には、事故を起こして相手に怪我を負わせてしまった際の示談交渉手続きなども含まれています。また、インターネットを介して他人の名誉を傷つけてしまった場合などに発生する、名誉棄損への賠償責任についても保障されています。ただし、バイクや自動車によって第三者に損害を負わせた際の賠償責任は保障されないため、注意が必要です。保険料は大学4年間で5,800円、月額換算では121円となります。
総合保険センターの「学生のための総合保険」
そして、総合保険センターが提供する「学生のための総合保険」があります。この保険では他人への賠償責任、扶養者の病気や死亡リスク、学生本人の傷害などが月額521円で保障されます。また、火災や盗難についても保障の対象であるため、大学生の生活全般をカバーしてくれる保険と言えます。
日本国際教育支援協会の「学生教育研究災害傷害保険」
最後に、日本国債教育支援協会が提供する「学生教育研究災害傷害保険」を紹介します。この保険は、授業中・学校行事中・通学中・部活動中などに病気や怪我を発症した際、保障が受けられます。保険料としては年額650円、月額にすると54円となります。
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賠償責任は最もリスクが高い
通学中などに自転車で歩行者と接触し、怪我を負わせてしまったり、相手のものを破損してしまったりするケースは少なくありません。スマートフォンやイヤホンに気を取られ、自転車利用者と歩行者の両方が前方不注意になって接触事故が起きるケースもあります。怪我や破損の程度が軽いものであっても賠償責任が発生してしまうことがあり、学生にとっては高いリスクであると言えます。
一人暮らしの場合は火災保険も
一人暮らしにまだ慣れていないうちなどは、暖房やコンロの消し忘れが火災につながることも考えられます。火災保険は水漏れや盗難などの被害についても保障対象となっている場合があるため、加入しておくと安心できることがあります。
万一の育英費用保険
学費を払っていた親・親族などが死亡したり障害状態となったりした際に保険金が給付されるのが育英費用保険です。奨学金と違って返済義務が発生しないため、学生本人に負担がかからなくて済むケースがほとんどです。
加入検討の際のポイント
生命保険や医療保険は不要?
大学生の多くが親の扶養下にある点、国による高額療養費制度(自己負担限度額を超えた医療費の還付が受けられる制度)が利用できる点などを考えると、大きな額の治療費を大学生本人が負担する機会はあまり多くないと言えます。そのため、先進医療リスク等まで幅広くカバーする保険商品への加入は過剰保障となる可能性もあります。自身に必要な保障範囲の保険を選択するようにしましょう。
他の保険と重複していないか
上記で紹介したような保険に加入する際、海外旅行の傷害保険がクレジットカードに付帯していたり、自動車保険・火災保険などの特約として賠責保険へ加入済みであったりすると、保障が重複してしまうことが考えられます。親が収入保障タイプの生命保険に加入している場合、育英費用保障が不要であることもあります。現在両親や自分が加入している保険の内容を事前にチェックし、不要な保険料を支払うことのないよう注意しましょう。
まとめ
学生生活においても、リスクに直面する可能性は少なからずあると言えます。自分ではどうにもならないケースや、両親に頼れなくなってしまうケースも考えられるため、万が一の事態に備えて保険への加入を検討してみてもよいかもしれません。
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