アクサ生命の「ユニットリンク」は、死亡や高度障害といった万一のときの備えに加え、運用による貯蓄の楽しみがある点が特徴の変額保険です。この記事では「ユニットリンク」の仕組みや商品内容について解説します。
目次
アクサ生命の「ユニットリンク」とは
主契約のしくみ
「ユニットリンク」は、死亡や高度障害への保障を準備することができる変額保険です。契約者は保険期間(保険料払込期間)や基本保険金額などを契約時に決めます。保険期間は最短10年、満了30年となっています。
保険期間中は毎月保険料を支払い特別勘定で運用します。運用状況を確認しながら資産作りを楽しむことができるのも、ユニットリンクの特徴のひとつだといえるでしょう。保険期間中に被保険者が死亡・高度障害状態になった場合には、保険金が支払われます。保険期間を満了した場合は、満期保険金を受け取ることができます。
保障内容
「ユニットリンク」で保障されるのは、被保険者の死亡・高度障害、保険期間の満了です。
死亡
保険期間中に被保険者が死亡した場合、死亡保険金が支払われます。死亡保険金額は、基本保険金額か積立金額の大きい額です。
高度障害
保険期間中に被保険者が所定の高度障害状態となった場合、高度障害保険金が支払われます。高度障害保険金額は、基本保険金額か積立金額の大きい額です。
満了
保険の満期時に被保険者が生存していた場合、満期保険金を受け取ることができます。満期保険金は、保険満了日の積立金額です。
特別勘定の例
保険商品の資産を管理・運用する勘定が特別勘定です。「ユニットリンク」では10種類の特別勘定が用意されています。契約者は保険料を繰り入れる特別勘定を保険の契約時に選びます。
選んだ特別勘定の積立金は契約後、他へ移すことも可能です。書面かインターネットで移転の申し込みをしてください。月1回の移転は手数料無料です。2回目以降は、書面は2300円、インターネットは800円の手数料が掛かります。
10種類の特別勘定は、それぞれ期待されるリターンやリスクが異なります。契約者の資産状況やこれまでの投資経験をふまえた上で、特別勘定を選択しましょう。
アクサ生命「ユニットリンク」のメリット・デメリット
長期的な運用で高いリターンが得られる
「ユニットリンク」は、特別勘定で資産を運用する投資商品です。ここではまず、投資を上手に行うために必要だとされている3つのルールを見ていきましょう。
長期投資
短期的な投資は大きな利益を得ることもありますが、多大な損失を被ることもあります。このような投資のブレ幅を減らし安定した成長を目指すには、長期投資をすることが効果的です。
資産分散
投資商品には、資産(株や債券など)・通貨(円・ドル・ユーロなど)・国(日本・世界各国)などさまざまな種類があります。複数の種類に分散して投資することで、一極集中による運用リスクを軽減することができます。
時間分散
投資商品の価格は日々変動するものです。投資商品を一定額定期的に買い続けることで、購入価格を平準化し運用リスクを下げることができます。
「ユニットリンク」は、最低10年満期30年という保険期間のため長期運用が可能です。また特別勘定も10種類あるため資産の分散も図れます。毎月保険料を支払うため時間の分散も出来るでしょう。投資の3つのルールをしっかりと守り、時間をかけて安定的な資産運用をしていく商品だといえます。
満期の選択肢が多い
満期保険金額の受け取り方法は、一括で受け取る方法、年金として分割で受け取る方法、満期保険金額を終身保険として活用する方法があります。
満期保険金を年金として受け取る場合は、保険期間中に年金払特約(06)を中途付加しなければなりません。付加するにはアクサ生命所定の要件があります。年金の受け取り方法には、10年保障期間付終身年金と確定年金の2種類があります。
満期保険金を終身保険(無配当)に変更するには、被保険者の同意を得なければなりません。変更には所定の手続きが必要です。また変更に当たってはアクサ生命所定の要件があります。
運用実績によって受け取る金額が減ることがある
「ユニットリンク」は変動保険であるため、価格変動リスクや為替リスクなどの投資リスクがあります。運用状況によっては、契約者が損失を被る可能性があるという事を覚えておかなければなりません。
またユニットリンクには2種類の手数料があります。1つ目は特別勘定の運用に掛かる費用です。2つ目は保険の締結・維持・保障などに掛かる費用です。保険料にはこれらの費用が含まれます。そのため払い込んだ保険料の全額が運用資金として使われているわけではありません。
それぞれの特別勘定の運用手数料は、特別勘定のしおりを確認してください。保険の締結や維持・保障にかかわる手数料は、被保険者の年齢や性別により異なるため金額は公表されていません。
10年未満の運用は解約控除が発生する
「ユニットリンク」を契約後10年未満で解約した場合には、解約控除が発生します。解約控除金額は、保険料払込年月数や契約年齢、保険期間などに基づき計算され積立金から差し引かれます。
特に早期の解約をした場合には、解約控除額が大きくなり、払戻金額がゼロになる可能性もあるということに注意してください。解約以外にも10年未満でユニットリンク払済保険への変更などをした場合には、解約控除が掛かります。
アクサ生命「ユニットリンク」の保険料控除
生命保険料控除の対象になる
生命保険には、支払った保険料に対し所得から一定額が控除されるという「生命保険料控除」があります。アクサ生命の「ユニットリンク」も生命保険料控除の対象となります。
生命保険料控除が適用されるのは保険料を支払っている人です。また控除を受けるには、保険金などの受取人が契約者本人か配偶者、またはその他の親族でなければなりません。
生命保険料控除が適用される保険料は、その年の1/1~12/31日に支払われた分です。支払った保険料額に応じ、それぞれ所得税および住民税の控除額が計算されます。
所得税
20000円以下・・・・・・・・年間正味払込保険料の全額を控除
20000円超40000円以下・・・年間正味払込保険料×1/2+10000円
40000円超80000円以下・・・年間正味払込保険料×1/4+20000円
80000円超・・・・・・・・・一律40000円
住民税
12000円以下・・・・・・・・年間正味払込保険料の全額を控除
12000円超32000円以下・・・年間正味払込保険料×1/2+6000円
32000円超56000円以下・・・年間正味払込保険料×1/4+14000円
56000円超・・・・・・・・・一律28000円
生命保険料控除証明書の発送時期
生命保険料控除を受けるには、保険会社から送られる生命保険料控除証明書が必要です。「ユニットリンク」の場合は、ハガキでの郵送となります。
9月中旬までに今年度の保険料の払込が合った場合は、ハガキの発送が10月上旬ごろに。9月中旬以降に初めて今年度の保険料の払込があった場合は、保険料払込日の翌月末日ごろにハガキが発送されます。
生命保険料控除証明書を紛失・急な入用のときには、個別の発行や再発行ができます。電話かウェブサービス「My アクサ」で申し込みをしてください。「My アクサ」の利用には登録が必要です。登録には証券番号の入力があるため、保険証券を手元に準備してから手続きを始めましょう。
まとめ
「ユニットリンク」は、万一のときの保障と運用による資産作りをすることができる商品です。特別勘定が10種類用意されているため、契約者それぞれの好みによって運用内容を変えることができるというおもしろさがあります。ただし、短期間で解約をしてしまうと解約控除が発生する点には注意が必要です。長期間使う予定のない資金があるときには、「ユニットリンク」でお金を上手に運用してみることを検討してみるのも良いでしょう。