日本は生命保険の加入率が高い国の一つです。しかし、毎月保険料を支払っていても、相場がどれくらいなのか知らないという人は少なくないのではないでしょうか?今回は、生命保険の月額平均保険料について、いろいろな視点から紹介します。
目次
生命保険ってどんなもの?
まずは、生命保険の特徴について説明します。
生命保険とは
生命保険とは、病気やケガ・死亡などによって発生する経済的負担のリスクに備えるための保険です。定期保険・終身保険・養老保険などの種類があり、それぞれ保険料の支払期間や保険金の受け取り期間・タイミングなどが異なります。
保険料の月額平均は月収の3~6%
一世帯あたりの平均は3万円強
保険料の月額を平均すると、1世帯あたり3万円程度です。世帯収入別にみると以下の通りとなり、全体的に月収の約3〜6%を保険料の月々の支払いへあてていることがわかります。
世帯年収 | 保険料月額 |
---|---|
300万円未満 | 1.45万円 |
300~500万円未満 | 1.63万円 |
500~700万円未満 | 1.75万円 |
700~1,000万円未満 | 2.05万円 |
1,000万円以上 | 3.06万円 |
参考:生命保険文化センター
世帯別の保険料比較
保険料の設定は、世帯構成によっても異なります。以降のデータについては生命保険文化センターの調査を元にしています。
単身世帯の場合
サンプル数349に対し、平均年間保険料支払額は304,800円、月額換算で25,400円が単身世帯の保険料額です。単身世帯の場合、家族に保険を掛ける必要がないため、一世帯あたりの平均よりも低い水準となっています。
夫婦だけの世帯の場合
40歳未満の夫婦のみの家庭の場合、サンプル数45に対し平均年間保険料支払額は228,200円、月額換算で19,016円となっています。単身世帯よりも低い水準ですが、40歳未満という年齢のため、収入や病気に備える意識などがまだそれほど高くない点が理由に挙げられます。
40〜59歳の夫婦のみの家庭の場合、サンプル数153に対し平均年間保険料額は395,200円、月額換算で32,933円となっています。年齢に伴って収入が増加し、病気に備える意識も高まるため、40歳未満の夫婦よりも金額が大きくなっていると考えられます。
4人家族の場合
夫婦に加えて小・中学生の子供を持つ4人家族の場合、サンプル数524人に対し平均年間保険料総額は418,100円、月額換算で34,841円となっています。家族が増えれば保険を掛ける対象も増えるため、支払う保険料額も大きくなります。
死亡保障額の目安や受取額の平均は?
目安となる死亡保障額
自分が死亡した際、家族へ残すためにどれくらいの金額を設定しておけば良いのかわからないという人は、次のような目安で保障額を設定すると良いでしょう。
(必要保障額の目安)=(遺族の支出)-(遺族の収入)
遺族の支出として挙げられるのは、葬儀関連費用に加え、生活費や子供の学費、住居費用等です。しかし、収入としては遺族基礎年金や老齢基礎年金、企業保障のみとなってしまうことも考えられます。死亡保険に加入する際には、収入源や必要な費用を概算しておくことも大切です。
世帯主の死亡保険金の平均額
世帯主の死亡保険金は平均1,509万円です。年齢別にみると、世帯主が29歳以下の場合で1,529万円と平均に近い数値になっており、年齢とともに金額が上昇します。
子供の成長とともに生活費も増加し、支出が増えると予想される45~49歳が死亡保険金額平均のピークで、金額は2,223万円です。世帯主の収入が増えるとともに死亡した時のリスクも高まるため、死亡保険金の金額も高く設定されていることが考えられます。その後世帯主が50歳台になると2,000万円を割り、70歳台では600万円余りまで下降します。
20代、30代、40代で掛け金はこう変わる
保険料の推移
平成27年のデータによれば、世帯主の年齢が29歳以下の場合、保険料の平均は242,100円です。30~34歳では275,600円、35~39歳で329,100円、40~44歳で410,000円、45~49歳では442,000円となり、年齢とともに保険料も上がっていることがわかります。
死亡保障額の推移
保険料と同様、死亡保障額も年齢によって異なります。世帯主の年齢が29歳以下の場合、1世帯あたりの死亡保障額はおよそ2,500万円ですが、30代になると500万円ほど上昇し、およそ3,000万円となります。さらに40代では3,200万円あまりとなり、世帯主の年齢や収入、家族構成の変化と関連性があると考えられます。
医療保険と生命保険の違い
どこに対する保障が手厚いか
医療保険と生命保険はどちらも“人”に対する保障が受けられる保険ですが、次のような違いがあります。医療保険はケガや病気による手術・入院に対する保障が手厚くなっており、生命保険では死亡した時の保障が重視されています。そのため、医療保険の死亡保障や、生命保険の医療費保障の金額についてはそれほど大きなものでないというケースもあります。
それぞれの保険料平均額
20代~40代の医療保険料平均額は、男女ともに月額3,000円から5,000円程度です。女性特有の病気対するリスクが高まることなどから、40代のみ男性よりも女性の方が高い金額となっている点が特徴的です。
生命保険の保険料平均額は、男性が月額およそ2万円、女性がおよそ1.5万円です。医療保険に未加入であっても生命保険には加入しているという人も一定数おり、万が一に備えたいという意識がうかがえる結果と言えます。
まとめ
生命保険料の平均について、複数の切り口から紹介しました。保険にかける金額は年齢や収入、家族構成などによって変化するものであり、平均額はあくまで参考値と言えます。自身や家族にとって必要な保障に対して適切な保険料を支払えるよう、日ごろから情報収集をしておくとよいかもしれません。