新たに住宅を購入して住宅ローンを組んだ場合、生命保険の保障内容を見直すと良い可能性があります。なぜ見直すべきなのか、そして実際にどのように見直していくのが適切なのかなどを説明します。
目次
団体信用生命保険とは?
万が一の際に住宅ローンの残高が支払われる保険
住宅は人生で一番高い買い物だと言われており、多くの人は住宅ローンを組んで住宅を購入します。住宅ローンは、30年や40年など長期で組まれることが多く、額も数千万円などと高額になります。団体信用生命保険(団信)は、被保険者が亡くなったり、高度障害になったりして住宅ローンが支払えなくなったとき、生命保険会社が代わりにローンの残金を支払う商品です。
民間金融機関のローンは団信加入が必須
民間の金融機関で住宅ローンを組む場合、団信に加入していることが借り入れの条件となることが多いです。ただし、団信は健康状態が良くない場合には加入できないこともあります。通常の団信に加入できない場合は、加入できる範囲を広げたワイド団信へ加入すれば借り入れ条件がクリアしたとみなされ、住宅ローンを契約できることもあります。
保険料は基本金融機関負担
住宅ローンを組むために団信に加入する必要があるとはいえ、ローンの支払いに加えて保険の支払いが増えることに不安を感じる人もいるのではないでしょうか。しかし、基本的には団信の保険料は金融機関持ちです。ただし、フラット35で住宅ローンを契約した場合を除きます。
特定疾病などの特約付きの団信に加入する場合はローンの金利に上乗せされたりするケースもありますが、一般的な保障であれば新たに保険料を用意する必要はありません。
フラット35でも団信は加入するべき
フラット35は団信加入が借り入れの必須条件ではなく、保険料も自己負担になります。団信に加入しなくてもローン残高がカバーできる保障額の生命保険に加入する方法もあります。しかし、ローン完済できる年齢に合わせて保険契約をすると加入期間が長くなり、保険料が高くなります。
フラット35の利用であっても団信は加入した方が良いでしょう。
三大疾病保障など特約付きの団信もある
一般的な団信は、被保険者が亡くなる、あるいは高度障害になった場合にのみ保険金が支払われます。しかし、ある特定の疾患になった場合にローンが完済される特約付きの団信もあります。
特約付き団信では、がん・脳卒中・急性心筋梗塞などの三大疾病になったときに保険金を受け取れます。ただし、一般的な団信から特約付きの団信へは変更できませんし、特約付きの団信はローン金利に保険料がプラスされます。
住宅ローンで生命保険はどう見直すべき?
住居費分の保障を減額
団信に加入すると、将来被保険者が亡くなったときに残りのローン残高が免除されます。団信に加入することによって、契約者に万が一のことがあっても住居への備えはできていることになります。
住宅ローンの契約により家計への負担が大きい場合は、生命保険の死亡保障額を見直すという選択肢もあります。死亡保障額を見直す場合には、住居費分だけ保障を減らすと良いでしょう。
別の生命保険への変更も選択肢に
住宅費分の保障をカットしても生命保険での負担が大きい場合は、別の生命保険に切り替える方法もあります。生命保険はさまざまな保険会社で取り扱われているので、検討してみることで自分に適した保険を見つけられることもあります。自分だけでは判断に迷うときは、FP(ファイナンシャル・プランナー)などに相談すると良いかもしれません。
生命保険以外に入るべき保険は?
長期就業不能になったときの備えが必要
団信は被保険者が亡くなったり、高度障害になったりしたときに備えになりますが、さまざまなケースに対応できるわけではありません。特定疾病での特約付きの団信もありますが、対象の病気は限定的です。
もし病気になるなどして長い間仕事ができない状態になっても、住宅ローンの支払いは続きます。団信と合わせて、もし仕事ができなくなったときの備えも必要です。
傷病手当金でもらえる金額
仕事ができない状態になった場合、会社員は休業を申し出ることができます。休業期間中、十分な給与を受けられない場合の支援が健康保険による傷病手当です。
標準報酬日額のうち3分の2を傷病手当金として受け取ることができます。手当を受け取る期間には制限がありますが、最長で18ヶ月までは傷病手当金の受け取りが可能です。
就業不能保険を検討
傷病手当金は基本的に3分の2の標準報酬日額を受け取れますが、長期の療養になると十分でないこともあります。また、期間も限られてしまうため、傷病手当金が切れてしまうとローンの支払いが困難になる可能性があります。
長期的な就業不能状態は、就業不能保険で備えることが可能です。就業不能保険は各生命保険会社が取り扱っており、病気などにより長期に渡って仕事ができない場合に保険金を受け取ることができます。
まとめ
住宅ローンを民間で契約する場合、団信の加入が必須条件になることが多いです。団信に加入すると、死亡や高度障害になった残りの住宅ローンが返済されます。住宅ローン契約時に生命保険を見直す場合は、団信によってカバーされる住宅費を除いて考えてみてはいかがでしょうか。