ライフイベント表とは、将来の予定や目標を時系列に並べたものです。これから起こるライフイベントとそれにかかる費用を一覧表にすることで、自分や家族の生活に必要なお金が具体的に見えてきます。今回は、ライフイベント表の作成方法を解説するとともに、作成の手助けになるアプリなども紹介します。
目次
ライフイベント表の基礎知識
家計の実態と健全さを把握できる
まずは家計における現在の収入と支出を書き出すことから始めましょう。収入から支出を差し引くと、貯蓄力や家計の赤字・黒字などを確認できます。
続いて、現在の資産と負債を書き出します。資産から負債を差し引いた額が実質の資産(=純資産)といえるので、これがプラスかマイナスかで家計の健全さがわかります。年間収支が黒字であっても純資産がマイナスになっている場合は負債を減らす方法を検討するとよいでしょう。
備えあれば憂いなし!将来の収支を予測しよう
家計の現状が把握できたら、将来の予定をわかる範囲で書き出しましょう。子どもの進学や車の買い替え時期などは「〇〇年後」と特定しやすいイベントと言えます。
そして、自分や家族の10年後や20年後の予定について、いつ頃にどのくらいの費用が必要なのか書き込みます。住んでいる地域や個人の志向などによって金額は異なりますが、以下がおよその目安となります。
結婚(結納、挙式、新婚旅行など) 約400万円
出産(分娩費用、出産準備など) 約50万円
子どもの小学校入学(入学備品準備など) 約30万円
車の買い替え 約300万円
マイホーム購入 約3,500万円
自分の将来について考えるきっかけになる
ライフイベント表には目標も合わせて書き込むと、将来を考える際のモチベーション維持につながります。例えば、「40歳で昇進」「長男、私立中学に入学」などのイベントについては家計の収支にも影響を及ぼす可能性が高いため、書き出しておくとよいでしょう。
現在の家計と将来の予定を目に見える形にすることで、これから自分がすべきことに気付ける場合があります。目標を達成するために資格取得の勉強を始めたり、家計の健全化のために保険の見直しを検討したりするきっかけになることもあります。
キャッシュフロー表の基礎知識
キャッシュフローとはお金の流れのこと
「キャッシュ」=「お金」、「フロー」=「流れ」という意味を持っており、「キャッシュフロー表」とは家計の状況を中長期的に予測した一覧表のことを言います。将来の収支や貯蓄残高などを時系列にすることでお金の流れがイメージでき、資産運用や住宅ローンを考えるときなどに役立つことがあります。可能であれば、給与や物価の上昇率・下落率なども考慮に入れるといっそう具体的な検討材料となるでしょう。
家族のこれからの収支を時系列に並べてみる
まず、家計の収支を時系列に並べてみましょう。現在から子どもの大学卒業まで・リタイアするまでなど、大きな節目までの20~30年分が作成の目安です。
次に、あらかじめ作成したライフイベント表から支出の予定を転記し、年間収支の変化が一目でわかるように記入します。順を追って確認すると、資金が不足してしまいそうな時期や貯金のしやすい時期などを見つけることができます。
サンプルやFPを活用しよう
何もかも一から作るのは大変なライフイベント表
ライフイベント表は、手書き以外の方法でも作成することができます。形式から自分で考えて準備するのが大変と感じるのであれば、「ライフイベント表」というキーワードで検索すると、たくさんのサンプルやテンプレートが出てきます。好みのデザインや機能を選んで入力するだけで作成できるタイプのものもあるため、活用するのも一つの方法です。
サンプルやテンプレートを活用するメリットを知る
サンプルやテンプレートには、主なイベント・予想される費用などの入力例が付いている場合も多くあります。また、年齢や家族構成を入力すると数年先までの一般的なイベントを自動で表示してくれるものもあるため、時間のない人やひとりで作成する自信のない人は利用してみても良いかもしれません。
FPという専門家を頼るには?費用はかかるの?
ファイナンシャルプランナー(FP)は、金融や不動産、相続などの幅広い知識を持った家計の専門家です。自分で作成したライフイベント表を元に相談することはもちろん、ライフイベント表や家計の収支表を一緒に作成するサービスを行っていることもあります。
費用に関してですが、初回相談は無料・その後の個別相談は有料とされる場合が多くなっています。忙しい人のために電話やメール相談サービスを行ってくれることもありますが、相談にかかった時間やメールのやりとり回数によって費用が変わるケースが見られます。保険・相続・資産運用など得意分野は各人で異なるため、ホームページや口コミで自分に合ったFPを探してみましょう。
ライフイベント表のひな形一覧
パソコンならエクセルで
パソコンでライフイベント表を作成する場合、表計算ソフトであるエクセルを利用する方法があります。使い慣れている人であれば、年齢や費用を入力する手間が省けるような計算式や関数を設定することができます。インターネットで「ライフイベント表 エクセル」というキーワードで検索するとさまざまなパターンのサンプルを見ることができるため、作成の参考にすると良いかもしれません。
スマホやタブレットならアプリで
スマートフォンやタブレットを使ってライフイベント表を作成したい場合は、アプリを利用するのも良いでしょう。ただし、アプリは開発が中止されたりバージョンアップしないと動作に問題が起こったりする可能性もあるため、そのような点には注意が必要です。
AppStoreやGoogle Playで「ライフイベント表」と検索するとヒットするアプリを紹介します。
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家族親戚のライフイベント
Googleスプレッドシートを活用しよう
エクセルは使い慣れておらず、気に入ったアプリも見つからない、という場合、Googleスプレッドシートでライフイベント表を作成することもできます。Googleスプレッドシートとは、インターネット上で作業できるエクセルのような表計算ソフトです。利用にはGoogleアカウント登録が必要ですが、取得は無料で行うことができます。
インターネット環境があれば、スマートフォン・タブレット・パソコンなど任意の端末からGoogleスプレッドシートのファイルを編集できます。そのため、いろいろな端末でライフイベント表を活用したい人に向いていると言えます。
まとめ
ライフイベント表・キャッシュフロー表を作る方法やメリットについてお伝えしました。漠然と思い描いているイベントや収支を実際に書き出してみることで、将来を具体的にイメージする手助けとなるかもしれません。ソフトやアプリなども活用し、自分に合った方法で作成してみてください。