都民共済は任意加入の保障制度の1つで、都道府県民共済グループによって運営されています。この都民共済には、子供の病気や怪我を保障する「こども型」というプランがあります。今回は「こども型」の保障内容をやポイントなどについて紹介します。
目次
都民共済の生命共済「こども型」
子供の病気や怪我を保障する共済は、こくみん共済やコープ共済、JA共済などが提供していますが、今回は都民共済の「こども型」を取り上げます。
「こども型」の対象者
「こども型」は、「東京都在住もしくは勤務地が東京都内にある人と同一世帯の0歳~17歳の健康な子供」が加入対象となっています。所定の病気・障害・薬物使用などがあると加入できないケースもありますが、保障が一部制限された上で加入を認められることもあります。詳細は各都道府県民共済に問い合わせましょう。
健康告知のみで加入でき、診査は不要
「こども型」には健康告知のみで加入でき、原則として医師の診査は不要です。なお、契約を自動継続して総合保障型(成人を対象とする生命共済)へ移行する時や、入院保障型とのセット加入を希望する際などには、改めて告知を行う必要があります。
「こども1型」「こども2型」の2つ
「こども型」都民共済には、「こども1型」と「こども2型」が用意されています。「こども1型」の月額掛金は1,000円で、入院・通院に対する保障、死亡保障などが受けられます。「こども2型」は月額掛金が2倍の2,000円になりますが、その分共済金の支払額も2倍に設定されています(保障内容については「こども1型」と基本的に同様です)。
「こども型」が兼ねられる役割
医療保険の役割
「こども型」には、「入院や通院、がんによる手術や障害を持った際などに共済金が支払われる」という医療保険のような保障があります。「こども1型」の場合、入院時には入院1日目から360日目まで1日5,000円の共済金が支給されます。がんと診断された際には50万円、その他先進医療による治療を受けた際には規定に基づいて1万円~150万円の共済金が受け取れます。
損害保険の役割
損害保険としての役割は、「子どもが事故を起こしたり他者に危害を加えたりした際、第三者への損害を保障する」というものです。「こども1型」の場合は、1回の事故につき100万円を上限として共済金による保障を受けられます(ただし、300万円の通算支払限度額が設定されています)。
学資保険に相当する保障はない
学資保険とは、保険料を積み立てることで教育費を貯蓄するための保険で、子供の進級や進学に合わせて保険金が給付されます。「こども型」にはそのような保障内容が用意されていないため、教育費に関する保障を希望する場合には他の保険に加入する必要があります。
「こども型」の医療保障
入院・通院・手術などを保障
ここでは共済金の支払い事例を紹介します(いずれも「こども1型」に加入している場合)。
・病気の発症で5日間の入院をすることになった場合
入院1日につき5,000円の給付金があるため、
1日5,000円×5日=25,000円
・スポーツによる怪我で日帰り手術を受け、その後4日間通院した場合
100,000円の手術共済金(※)と1日2,000円の通院時給付金が給付されるため、
100,000円+(2,000円×4日)=108,000円
(※)手術共済金は手術の種類により異なります
捻挫や骨折などの怪我も対象
上記のような手術を伴う通院だけでなく、捻挫や骨折・やけどのような怪我の治療に対する通院でも共済金を受け取ることが可能です。通院時の共済金は、怪我の発生以降、1日目から90日目まで給付されます。共済金の額は「こども1型」で1回当たり2,000円、「こども2型」では4,000円に設定されています。
「こども型」の損害賠償
過失による物損などを保障
子供が遊んでいて他人の家のものを壊してしまったり、誤って誰かに怪我をさせてしまったりした場合、支払限度額(「こども1型」は1事故につき100万円、「こども2型」は200万円)内の損害であれば共済金が支払われます。日常的に起こり得るトラブルなどにも対応しており、損害を与えてしまったのが人・物のどちらについても共済金の給付対象となります。
子供が自転車で事故を起こした場合
損害賠償に関する共済金の給付を受ける際には、「こども1型」・「こども2型」ともに1,000円の自己負担が発生します。子供が自転車で第三者に怪我をさせてしまい、50,000円の対人損害賠償を請求された場合、共済金の給付額は
50,000円-1,000円=49,000円
となります。
請求手続きについて
共済金請求の流れ
共済金の給付を請求する際には、必要な書類を都民共済から郵送してもらい、記入して返送します。書類の請求を行う際には、加入者の名前・加入者番号・請求内容などが必要となるため、加入証書や契約のしおりなどを事前にチェックしておきましょう。
病気や怪我の場合は診断書が必要
子供の病気や怪我が原因で共済金を請求する場合は、医師による診断書を用意する必要があります。診断書の内容によって、請求が可能か否かがチェックされることとなります。
また、通院を開始した日付も請求の可否の判定に使用されるため、通院日が記載された書類も必要です。この書類が手書きで作成された場合などは都民共済側が病院に問い合わせることもあるため、領収書のような公式の書類を用意した方が確実と言えます。
まとめ
都民共済の「こども型」について紹介しました。医療や損害賠償については保障が手厚い反面、学資保険のような機能は持っていないなどの特徴があるため、加入を検討する際には内容・給付金などをきちんと把握しておきましょう。