安定した生活のために貯金をしたいと考えている人にとって、どの程度の貯金額であれば十分かといった目安は必要です。今回は、貯金をする上での1つの指標にするために、各年代別の貯蓄額の平均値と中央値を紹介します。
目次
年代別の平均貯金額
20代の平均貯金額
平成25年の厚生労働省の国民生活基礎調査によると、20代の貯金額の平均は160万1,000円でした。ただし平均値であることに注意が必要です。20代の19%の世帯は、この調査委において貯金が無いと解答しています。
一方で約3%の世帯の貯金額は3,000万円以上というデータもありました。つまり全体の平均値は、3%の世帯の値に引き上げられた金額となります。
30代の平均貯金額
同調査によると、30代の世帯の貯金額の平均は423万2,000円でした。その内訳は、貯金が無いと解答した人が約16%、1,000万円~1,500万円と答えた人が約5%、1,500万円~2,000万円、2,000万円~3,000万円と答えた人が約2%、3,000万円以上と答えた人は1%でした。この調査結果から、30代の世帯のうちの約10%の貯金額は1,000万円以上ということがわかります。
40代の平均貯金額
40代の世帯の貯金額の平均は707万6,000円でした。解答の内訳は、貯金が無いと解答した人が約17%、1,000万円~1,500万円と解答した人が約9%、1,500万円~2,000万円と解答した人が約3%でした。
続いて2,000万円~3,000万円と解答した人が約4%、3,000万円以上と解答した人が約4%でした。この調査結果から、40代世帯のうちの約20%の貯金額は1,000万円以上だとわかります。
50代の平均貯金額
50代の世帯となると、貯金額は1,000万円を超え、1,034万7,000円となりました。その内訳は、貯金が無いと解答した人が約16%、1,000万円~1,500万円と解答した人が約5%、2,000万円~2,500万円と解答した人が約7%でした。
続いて3,000万円以上と解答した人が約9%で、この結果から30%程度の50代世帯に1,000万以上の貯蓄があることがわかります。
女性や一人暮らしの平均貯金額
働く女性の平均貯金額
厚生労働省の調査では、労働に従事する女性の貯蓄額のデータも算出されています。ここでは年齢別のデータではなく、一定の水準の貯蓄額を満たしている人の割合で示します。
100万円未満と答えた人は26.4%、100万円~200万円と答えた人は21.5%、200万円~300万円と答えた人は13.2%でした。次に300万円~400万円と答えた人は13.9%、400万円~500万円と答えた人は4.2%、500万円~600万円と答えた人は9.7%でした。
続いて600万円~700万円と答えた人は2.1%、700万円~800万円と答えた人は2.8%でした。最後に800万円~900万円と答えた人は1.4%、900万円~1,000万円と答えた人は0.7%、それ以上と答えた人は4.2%でした。
独身一人暮らしの平均貯金額
20代の独身一人暮らしのうち約34%の世帯が、貯金額は100万円未満であると答えています。一方で世代別の貯金額のケースと同様、1,000万円以上の貯金があると答えた人は5.8%でした。
次に30代の場合、0~100万円、200万円~300万円、500万円~700万円、700万円~1,000万円の各貯金水準の人は、それぞれ12.9%でした。一方で貯金額が1,000万円以上の世帯割合は25.4%でした。
40代の平均年収は男女差が大きい
男性の平均年収
同じ40代でも、男性と女性では平均年収に大きな差があることがわかっています。40代前半の男性の場合、平均年収は567万円、続いて40代後半の男性の場合、平均年収は数10万円上がり、626万円となっています。40代の前半から後半に移行するのに伴い、給料や賞与、役職給が付き始めるため、平均年収も上がっている傾向です。
女性の平均年収
一方、40代前半の女性の場合、平均年収は294万円と公表されており、40代男性の平均年収の半分弱の数値です。続いて40代後半の女性の平均年収は292万円で、40代前半よりも少し低下しています。女性の場合、子育てや家事の影響で仕事を続けられなかったり、パートタイマーになる人が増える影響から平均年収は低い水準となります。
貯金額の年代別中央値
平均貯金額と中央値の違い
平均値とは、該当するサンプルが持つ数を全て足し合わせ、その合計をサンプル数で割った値です。計算した結果の数値は、ある特定の数値を持つサンプル数の比率は考慮されていないため、1つの突出した数値によって結果が大きく変化します。
一方中央値は、サンプルが持つ数字を小さいものから順に並べた時の真ん中に来る値を取ったものです。平均値と異なり、1つの突出した数字によって結果が大きく変化することはありません。
20代の中央値
20代の貯蓄額の平均値は先ほど取り上げましたが、中央値は0万円という結果が出ています。中央値が0万円ということから、20代の世帯のほとんどが貯金をしていない人が多い傾向です。20代の世帯では、家庭を持っていない人や大きな病気の心配がない人も多いため、他の世帯よりも貯金で将来に備えるという意識が低いことが見て取れます。
30代の中央値
30代の貯蓄額の中央値は167万円というデータが得られました。依然として低い水準ではありますが、全体として貯金に対する意識が高まってきていることがわかります。30代に突入すると生活習慣病など、徐々に健康状態を気にする人が増加し始めます。車の購入や家庭を築く人も増えますが、こうした行動が貯金意識を高めています。
40代の中央値
40代の貯金額の中央値は200万円と算出されています。30代と比較した時に、年齢の割には低い水準に留まっています。それでも若干の数値の上昇を見せたのは、健康志向の上昇や老後への備えの必要性から、貯金意識が向上しているためです。また、40代になると30代までに貯めた資金で投資に取り組む人も増加してきます。
まとめ
世代ごとの貯蓄額の平均値は、年齢が上がるにつれて上昇することが分かりました。その一方で世代ごとの中央値の上昇幅は小さく、貯金は一部の人の間で積極的に行われている状態にあります。各世代の平均値や中央値を見て、自分に必要な貯金額について考えてみましょう。