低解約返戻金型終身保険をご存知でしょうか?注目されている終身保険の種類のひとつなのですが、どのような契約なのかが、わかりにくいという声を聞くこともあります。今回は、低解約返戻金型保険のメリットとデメリットを比較してご紹介したいと思います。検討されている方は是非、参考にしてみてください。
目次
低解約返戻金型保険とは
保険料払込期間中の解約返戻金を抑えて保険料が割安
貯蓄性のある保険商品の場合、契約年数によっては解約することで解約返戻金が戻ってくる可能性があります。支払った保険料より解約返戻金の額は少なくなってしまうことも多いのですが、低解約返戻金型保険の場合、保険料の払込期間中の解約返戻金を抑えることによって、支払う保険料を割安にすることができます。月々の保険料を抑えつつ、万一のリスクには備えられるというメリットが特徴の商品です。
保険料払い済み後は解約返戻金が上がる
通常の保険商品の場合、保険料払込期間の途中での解約の場合、解約返戻金は払込金額よりも少なくなることが多いです。しかし、低解約返戻金型保険の場合、保険料払い込み期間満了後に解約すると、解約返戻金は払い込んだ保険料の総額よりも増える場合が多く、貯蓄としても保険を活用することが可能です。
保険料払い込み満了後の返還率の高さを利用し、保険料の払い込み期間を短めに設定して教育資金として契約することもできます。教育資金として契約する保険商品として、代表的なものでは学資保険がありますが、低解約返戻金型保険は子供の有無にかかわらず契約することができるので、前もって将来のライフプランに応じて準備をするなどといったことにも対応可能です。
ただし、利回りは固定のため、銀行などの定期預金などのように金利上昇の際の恩恵を受けることはできません。とはいえ、保険料払い込み期間満了後の返還率は比較的高いため、長い目で見た貯蓄方法として、検討してみることもよいでしょう。
低解約返戻金型終身保険のメリット
貯蓄の代わりになる
低解約返戻金型終身保険のメリットのひとつは、貯蓄の代わりになるということです。毎月の保険料を抑えながら、万一のリスクにも備えた保障を得られ、教育資金や老後資金などを貯めることができます。
保険料払い込み期間中に解約した場合は、解約返戻金は少なくなりますが、払い込み期間が満了した時点で、解約返戻金が払い込み保険料の総額を上回る形になります。払い込み期間満了後は、解約してまとまったお金を得ることもできますし、そのまま据え置いて運用したりすることも可能です。
また生命保険料控除という制度があり、払い込んだ生命保険料に応じて、定められた一定の金額が所得税と住民税から軽減され、還付金として受け取ることもできます。同じ金額をただ貯金するよりも、税金からの控除があったり、運用して増やすこともできたりするため、生命保険を貯蓄方法として利用する人も多いです。
相続税対策になる
現金や財産を相続する場合、相続税という税金がかかります。相続税は税金ですので、基本的には必ず支払わなければなりません。しかし、生命保険には相続税の非課税枠という仕組みがあり、生命保険を利用することで相続税の支払い金額を少なくすることができる制度があります。特に、2015年1月から相続税が増税となっており、相続税対策を検討することの重要性が増しています。
また、相続する場合、財産を受け取るまでは一定の時間がかかりますが、生命保険であれば書類の手続きで早ければ1週間前後で保険金を受け取ることも可能です。さらに、あらかじめ死亡保険金の受取人を指定しておくことで遺言と同じ効果を発揮させることができるため、自分の死後に、相続の権利をめぐる争いが起きる可能性を未然に防ぐこともできます。
低解約返戻金型終身保険のデメリット
保険料払込期間中の返戻率が低い
前述の通り、保険料払い込み期間中に解約すると、基本的には払い込んだ保険料よりも解約返戻金が少なくなってしまいます。長期的な貯蓄の1つとして考える場合には、払い込み満了後の返戻率の点でもメリットがありますが、短期的に資金が必要になってしまう可能性がある場合などには、あまりメリットが享受できない保険になります。
保険の見直しをしにくい
保険の内容を見直す方法の1つとして、「転換」があります。「転換」は、解約返戻金を利用して、古い保険を新しい保険に切り替える方法です。低解約返戻金型保険の場合、保険料払い込み期間の間は解約返戻金が、通常の保険よりも少なくなるため、見直しが行いにくくなります。
低解約返戻金型保険に加入する際には、保険料の払い込みが完了するまで確実に支払いを続けることができるかどうか、よく検討したうえで加入されることをおすすめします。
まとめ
低解約返戻金型保険は、保険料も比較的割安で、保険料払い込み期間満了後の返還率が高い点が、メリットのある保険です。一方、保険料払い込み期間中の解約による解約返戻金の元本割れというデメリットもあるので、注意が必要です。払い込み期間と保険料の計画をしっかりと立てて、ライフプランに合わせた保険を選んでみてください。