貯金を蓄えておくと、病気・怪我などによって働けなくなった場合や、万が一の際にも備えることができます。また、40代に差し掛かると各種ローンなどでお金が必要な場面も増えてきます。今回はそんな40代の人の平均貯金額や中央値を見ていきます。
目次
40代の平均貯金額はいくら?
40代の平均貯金額
40代の貯金額の平均は、594万円と試算されています。なお、20代の平均額は189万円、30代の平均額は494万円とされています。特に30代と比較すると大幅に金額が上がっているとは言えないものの、収入の伸びに沿って貯蓄を始めていることが分かります。
40代の貯金額の中央値
まず中央値とは、サンプルを小さい方から順番に並べた時の真ん中の数字を指します。例えば5人中4人の貯金額が0円で、1人の貯金が500万円だとしたら、平均額は100万円ですが中央値は0円になります。この中央値で見ると、40代の貯金額は200万円となっています。なお、20代の貯金額中央値は68万円、同30代は213万円です。
全体の平均貯金額は1000万超え
20代以降の全ての世代の貯金額の平均は1,209万円です。これは20代から40代の金額に対して50代以降の世帯の平均貯金額が高いことに要因があります。50代の平均貯金額は1,325万円、60代は1,664万円、70代以上は1,618万円と試算されており、いずれも40代の平均貯金額の倍以上の金額であることが見て取れます。
40代で貯金している人はどれくらい?
貯金ありは65%
40代の世帯で貯金があると回答したのは65%でした。これは全ての世帯における平均ですが、年収別で見るとデータは変化します。年収が300万円以下の世帯で貯金しているのは59.5%に留まります。
年収が300万円~500万円の世帯では70.2%に上がり、全体の平均よりも高くなります。さらに500万円~700万円の世帯では76.3%が貯金をしているとの解答が得られています。このように、年収が上がると貯蓄に取り組む世帯の割合も大きくなることが分かります。
貯金なしが35%
一方、貯金をしていないと解答した40代世帯は35%でした。3割以上が「貯金をしていない世帯」にあたるため、平均値や中央値の水準が低めに算出されると言えます。
また、職業種についてのデータも公表されており、貯蓄していない人の割合が高い傾向にある農林漁鉱業の場合、その数字は58.9%に上ります。その他、宿泊業や飲食業、運輸郵便業なども貯蓄をしていない人が一定数いるという結果が出ています。
40代の平均年収は?
40代女性の場合
年収と貯金はある程度の相関関係にあるということがわかりましたが、ここでは40代の男女別平均収入をチェックします。40代前半の女性の平均年収は294万円であると公表されており、40代後半の女性では2万円低い292万円とされています。子育てや家事をしながらパートやアルバイトで働いているため収入や勤務時間が限られてしまうことが多い点や、子どもの成長に伴って雑費も増え、貯蓄に回しにくい点などに要因があると考えられます。
40代男性の場合
40代前半の男性の場合は567万円、40代後半の男性の場合は626万円がそれぞれの平均年収となっています。40代全体の貯金額平均は594万円と試算されていましたが、それと比較的近い数字が出ています。また40代前半と後半では約60万円程度の差があります。長期的に働き続けることで給料や賞与も上がり、年収や貯蓄の増加に結びついていると推測できます。
負債込みの平均貯金額は?
2000万円以上は約10%
ローンなどの負債を差し引いた貯金額を見ると、2,000万円以上の貯金がある40代前半の世帯は8%となっています。続いて貯金額が1,500万円~2,000万円と答えた世帯は3%、1,000万円~1,500万円と答えたのは7.5%と算出されています。
40代後半の世帯の場合、2,000万円以上と答えたのは12%でした。このことから、40代の約10%が負債込みで2,000万円以上の貯金があることがわかります。
負債込みの中央値
負債込みの貯金額の中央値は、40代前半の世帯では50万円程度です。一方40代後半の世帯では120万円と公表されています。貯金額2,000万円以上の世帯が約10%であったことに対し、中央値の水準は低くなっていますと言えます。
つまり40代の多くの人は貯金が少なめである、もしくは負債があると言うことができます。教育ローンや住宅ローンの支払いが嵩む世帯も増えるという点が要因のひとつと考えられます。
40代の平均貯金額は低め?
50代平均貯金額との差
負債を考慮しない場合、50代の平均貯金額は1,669万円と算出されています。40代全体での平均貯金額が594万円でであったことを考えると、差額は1,000万円以上であることがわかります。
50代に差し掛かると年収や平均貯金額も大きくなる傾向にあります。ただし、「平均値」は高所得者・低所得者それぞれのサンプル数の重みが加味されにくいという点に注意が必要です。
平均値と中央値の違い
平均値はサンプルが持つ数字に着目したデータです。貯金額に関して言えば、データ収集の対象となった世帯の貯金額の合計を、単純に世帯数で割ったときの値です。
一方中央値は、サンプルが持つ数字だけでなく、各サンプルの数や特性にも着目したデータと言えます。データ収集の対象になった世帯の貯金額を小さい方から順番に並べて真ん中に来る数字を取るため、貯金額の少ない世帯が増えれば中央値も小さくなります。
まとめ
今回は、40代の貯金額を年代の前半・後半や性別ごとにチェックしました。中央値や負債込みの貯金額も参考にすると、単純な平均値よりもより現実的に40代の現状を知ることができると言えます。自分の貯金額が他の世帯と比べてどの水準にあるのか、一度確認してみるのも良いかもしれません。