生命保険には保険金給付金の制度がありますが、給付金を受け取るためには所定の手続きを踏む必要があります。今回は具体的な請求方法やその際に用意すべき書類、課税の有無などについて解説します。
目次
生命保険の保険給付金とは?
入院や手術後に支給されるお金
保険給付金とは、病気や怪我によって入院・手術などが必要になった時に、保険会社から給付されるお金のことです。保険商品にもよりますが、受け取り回数に上限がない場合・給付後も契約が継続される場合・保険金の減額がない場合なども多くなっています。保険給付金には医療保険やがん保険に付属しているものもあり、がんの診断を受けた際に支給されるがん診断給付金がその一例です。
請求期限は原則3年以内
入院や手術によって保険給付金を受け取るには、支払事由が発生した翌日から原則として3年以内に保険会社へ請求する必要があります。3年を過ぎてしまった場合、カスタマーセンターに連絡すれば対応してもらえることもありますが、給付が受けられない可能性もあります。確実に受け取るためには速やかに請求を行いましょう。
保険給付金の請求方法は?
手順1:必要書類様式の取り寄せ
保険給付金を請求する場合はまず生命保険会社に連絡し、手続きに必要な書類を取り寄せます。郵送や電話、インターネットなど連絡手段は保険によって異なるため、事前に確認してください。契約内容次第では請求が認められない場合も考えられ、不明点については担当の営業職員・カスタマーサポートなどに問い合わせておくことがすすめられます。
手順2:診断書の準備
次に入院や手術の事実を証明するための診断書を用意します。診断書の作成は担当医師に依頼しますが、費用は自己負担となります。所定の様式で作成された診断書のみ受け付けるという保険会社もあるため、事前に様式の有無などについて確認し、有効な診断書の作成を依頼する必要があります。
手順3:必要書類の記入
請求の際には数種類の書類への記入を求められることがあります。中でも必須である場合が多いのが「保険金・給付金請求書」です。この書類には、契約番号や名前などを記入します。契約の内容次第では「治療内容報告書」や「入院内容報告書」などの書類も必要になる場合があるため、漏れのないように記入しましょう。
手順4:必要書類の提出
必要書類を全て記入したら、診断書と合わせて生命保険会社に提出します。なお、契約している保険の内容によっては別途書類の提出を求められることもあります。書類に不備があった場合には記入し直さなければならなくなる可能性があり、その分保険給付金の受け取りは遅くなります。
いつごろ保険給付金はもらえる?
提出後1週間後が目安
必要な書類を生命保険会社に提出してから、約1週間程度で保険給付金が支払われます。しかし、告知内容の不正が発覚した場合には告知義務違反と判断され、給付金は支払われません。悪質な違反の場合は契約内容に影響することもあります。
入院中でも給付金の請求・受取が可能
入院給付金をその時の入院費用に当てたい、などという場合には入院中に給付金の請求をすることも可能です。ただし、入院の日数や理由などについて、給付金の受け取り条件を満たしていることが必要です。
また、給付金を請求する際には、その都度診断書の提出が求められることがあります。この場合も、診断書発行にかかる費用は自己負担となります。
保険給付金と保険金の違いは?
受取可能な回数制限
保険給付金には受け取り回数の上限がない場合も多いものの、生命保険や医療保険の保険金については1回しか支給されないケースもあります。医療保険の場合、満期まで何事もなかった時には満期保険金が、死亡もしくは所定の障害状態となった時には保険金が支払われるというように、受け取りのタイミングは保険の契約時に決定されます。
受取後に保険契約が継続できるか
保険給付金については、受け取った後も保険契約が従来通り継続されることがほとんどです。しかし、満期または条件を満たした際の保険金を受け取った場合には保険の契約が消滅し、その後の保障が受けられない場合があります。前述の通り、保険金を受け取るための条件や保険金額は契約時に決定されます。
税金が課税されるかどうか
給付金のうち、病気や怪我を理由として受け取る給付金は非課税となることがあります。医療保険やがん保険によって受け取れる給付金が例として挙げられます。
非課税となるのは、「受取人と被保険者が同一の場合」もしくは「両者が同居している家族関係にある場合」です。保険金や学資保険の祝い金などについては、受け取る際に所得税や贈与税が課せられるケースが多いと言えます。
まとめ
保険給付金を受け取るためには、所定の手続きを期限内に済ませる必要があります。手続きには複数の書類を用意しなければならない場合もあり、給付金の申請条件に該当しているのかどうかという点についても確認をしておく必要があります。不明点などがあれば、担当者や窓口へ問い合わせてみましょう。