「万が一のための保険」とはいえ、病気やケガにより保険金給付を受けようと思っても、手続き方法を明確に知っている人は意外と少ないものです。保険金として給付を受けたお金は、場合によっては確定申告が必要となることもあります。いざという時にどのような手続きや心構えが必要となるのか確認しておきましょう。
目次
病気や死亡による保険金の請求手続き
病気やケガで保険給付金を請求する方法
まず加入している保険会社に連絡して、保険金申請書類を郵送してもらいます。請求する際には病院で何らかの治療(入院、投薬等)を受けたことを証明する書類が必要です。
基本的には診断書が必要ですが、保険の種類によっては領収書などでも請求できることもあります。受診時に受け取れる領収書は、捨てずに大切に保管しておきましょう。
証明書類がそろったら、保険会社から送られてきた申請書類に必要事項を記入して保険会社に返送します。その後、保険会社で認定が下りれば保険金が支払われます。
契約者の死亡で受取人が請求する方法
保険契約者の死亡により死亡保険金等を保険金受取人が請求する場合、病気やケガにより保険金を請求する場合よりも手続きがやや煩雑になります。保険会社から書類を送ってもらうことは同じですが、保険契約者の死亡を証明する死亡診断書を始め、住民票や戸籍謄本、死亡届の受理証明書が必要です。また、保険金受取人の本人確認書類(免許証等)や、交通事故による死亡の場合は自動車安全センターが発行する交通事故証明書が必要となることもあります。
保険金請求に必要となる書類は保険会社によって異なる場合もありますので、保険会社の専任担当者のアドバイスを聞きながら手続きを進めると良いでしょう。
保険金の受取人に税金はかかる?
病気やケガによる保険給付金は非課税
病気やケガ等が原因の保険金を保険契約者本人あるいは契約者の家族が受け取った場合、基本的に税金は課せられません。金額の多寡に関係なく非課税となっています。
死亡保険金には相続税・贈与税・所得税のいずれかが課される
死亡保険金を保険金受取人が受け取った場合、保険契約者や保険金受取人等との関係性により相続税・贈与税・所得税のいずれかの税金が課せられます。保険契約者が夫、被保険者が妻で、保険金受取人を夫にしていた場合に保険金受取人が受け取った死亡保険金は、一時所得として所得税の課税対象です。
保険契約者と被保険者が夫で、保険金受取人を妻もしくは子にしていた場合に保険金受取人が受けとった死亡保険金は、相続税の課税対象となります。
満期保険金には所得税か贈与税が課される
終身保険などの満期保険金については、所得税もしくは贈与税の課税対象となります。保険契約者および被保険者が夫で、満期保険金の受取人も夫の場合(満期保険金受取人が契約者の場合)は、所得税の課税対象です。
保険契約者が夫、被保険者が妻、満期保険金の受取人が妻もしくは子の場合(満期保険金受取人が契約者以外の場合)は、贈与税の課税対象となります。
保険金を受け取った年の確定申告は?
病気やケガの保険給付金は確定申告不要
病気やケガによる入院保険金などの保険給付金については課税対象外となりますので、その年の確定申告は不要です。ただし、医療費控除の申請をしようとしている場合は、受け取った給付金を控除対象の金額から差し引かなければいけません。
死亡保険金や満期保険金は確定申告が必要
死亡保険金は、被保険者や保険金受取人等との関係により相続税・贈与税・所得税の課税対象となりますのでその年の確定申告が必要です。確定申告の際には、基礎控除額などを考慮して計算しましょう。
保険金に関する確定申告の流れは?
種類別に見る確定申告の流れ
確定申告の方法は大きく分けて、手書きもしくはオンラインの2種類があります。オンラインでe-Taxを利用すれば、確定申告窓口に行くことなく、自宅で確定申告が完了します。
手書きでもオンラインでも、記入する方法や納める税金の金額に違いはありません。しかし、手書きの場合は自分で用紙を税務署などに取りに行く必要があります。
確定申告期限を厳守しよう
確定申告は、例年2月16日から3月15日の期間内で行うことになっています。期間内に申告しなかった場合、延滞税や無申告加算税などのペナルティが課せられる可能性があります。期限間近に申請しようとすると予期しないことが起きて期限に間に合わないこともあるので、早めに準備をすると良いです。
また、確定申告は、書類に不備があると税務署で受け取ってもらえない可能性が高いです。書類はきちんと準備し、記載事項にも不備がないようにしましょう。
まとめ
保険金を請求する際は、病気やケガなどで契約者の周囲が慌ただしくなっていることが多いです。手続きの流れなどを事前に調べておくと、万が一請求する際にも冷静な判断と行動が可能になります。ぜひ一度手続きの流れなどを確認してみてはいかがでしょうか。