保険会社が提供する生命保険や火災保険に代わるものとして共済がありますが、その中に都道府県ごとで運営されている県民共済があります。今回は県共済愛知で加入できる保障や、共済金の請求方法や解約手続きについて解説します。
目次
県民共済愛知のメリットとデメリットとは
県民共済愛知のメリット
県民共済愛知に加入する際のメリットは主に3つあります。1つ目は共済掛金の運用によって発生する剰余金が割戻金として加入者に還元される点です。剰余金の有無は決算によって決定されます。
2つ目は共済加入時の掛金が加入後も維持される点です。年齢に伴って病気の発症や死亡リスクが高まるため、生命保険の場合は見直しの度に保険金が高くなることがありますが、県民共済の掛金は一定になっています。
3つ目のメリットは加入する際に医師の診断が不要なところです。生命保険では健康状態や病状の告知を求められることもありますが、県民共済では医師の診断書や健康診断書を提出することなく告知書のみで加入できます。
県民共済愛知のデメリット
県民共済愛知のデメリットは主に2つあります。1つ目は掛け捨ての保障しか受けられない点です。
掛け捨てとは支払った保険金や共済金が積み立てられないタイプの保障を指します。掛け捨てタイプは掛金が安い反面、満期金などがないため貯蓄性を求める人にとってはデメリットになる可能性があります。
2つ目は、保障を受けられる年齢が85歳までに設定されている点です。生命保険会社によっては一生涯保障されるものもありますが、2018年現在、県民共済には一生涯保障する共済はありません。85歳以降は死亡リスクも高まるため、高齢期の保障を求める人のニーズにはマッチしない可能性が高いです。
入院や死亡に備える生命共済
17歳までの病気やケガに備えるこども型
こども型は、17歳までの子供が対象の生命共済です。加入は17歳までに限られますが、保障は18歳まで続きそれ以降は総合保障型に自動的に切り替えられます。こども型は被共済者の病気やけがの際の入院費や手術費用に加えて、第三者への損害賠償の保障も対象です。
18歳から64歳までが加入できる総合保障型
総合保障型は、病気やけがによる入院の際の費用や死亡時に共済金が受け取れる商品です。総合保障1型、2型、3型の3種類のコースがあります。1型は月額1,000円で、入院の際には1日あたり2,250円、病気によって死亡した際には200万円の共済金が受け取れます。
2型は月々の掛金が2,000円に上がりますが、入院時の1日あたりの共済金が4,500円、病気死亡の際の共済金が400万円です。3型は月額4,000円で保障内容が一層手厚くなり、入院1日あたり9,000円、病気死亡では800万円の共済金が支払われます。
65歳から85歳までが加入できる熟年型
熟年型は、満65歳から満69歳の健康な人を対象とした共済です。コースは熟年2型と熟年4型があります。
熟年2型は月額掛金2,000円で、病院入院の際には1日あたり2,500円、病気死亡の場合は100万円の共済金が支払われます。熟年4型は月額掛金、共済金額の全てが熟年2型の2倍となるコースです。
特約を付加して保障を充実させることも可能
特約とは、メインとなる保障に付加することで保障内容を手厚くするためのものです。県民共済愛知の生命共済も特約を付加することが可能です。
特約の内容には、先進医療やがん、三大疾病などによる入院や手術の費用を保障するものなどがあります。その他にも、長期入院保障や介護特約など、契約者のニーズに合わせられる特約があります。
家や家財を守る火災共済
火災や落雷などによる損害を保障
県民共済愛知の火災共済は、火事や事故、自然災害などによる住宅の損害を保障します。具体的には火事や落雷による住宅の損壊が保障される他、車両の追突や物体の飛来による損壊、他の住居の水漏れによって被害が生じた場合にも共済金を受け取れます。
風水害や地震による損害には見舞金を支給
風水害や地震などの災害によって住宅に損害が発生した場合には、見舞金として共済金が支給されます。見舞金の額は住宅の損害の程度で異なり、持ち出し家財の損害では加入額の20%までが保障されます。ただし、見舞金は100万円が限度です。
また、地震によって家屋に損害が出た場合は、300万円を限度に加入額の5%程度の見舞金を受け取ることもできます。地震による家屋の倒壊で契約者が亡くなった場合にも、見舞金が支給されることがあります。
県民共済愛知の請求や解約手続きとは
共済金を請求するときは
支払い事由に該当すると考えられる場合には、まずは加入証書とご加入のしおりをチェックし、契約内容等を確認します。次に県民共済愛知に連絡し、送られてくる共済金請求書類に記入をします。
入院や手術の共済金を請求時には医師による診断書が必要なことがありますので、送られてきた書類とあわせて送付しましょう。書類を送付後、記入事項に不備などがなければ指定した口座に共済金が振り込まれます。
住所変更や解約手続きは郵送で可能
住所の変更や県民共済愛知の解約は、郵送で手続きができます。住所の変更の際には組合に電話で連絡し、加入内容等を申告することで用紙が送付されます。
解約の際には加入証書裏面にある通信欄に解約する旨を明記し、署名と捺印をして組合に送付します。加入している共済を解約するだけでなく、県民共済そのものから脱退する場合には組合の脱退手続きが必要なので、電話連絡時に脱退の意思があることを伝えましょう。
まとめ
県民共済愛知には加入する上でのメリットとデメリットがそれぞれあります。現在契約を検討している人は、自分のニーズを満たせる保障内容があるか否かをチェックしましょう。請求や解約の方法も事前に把握することも大切です。