資産運用の手段の一つに投資信託がありますが、投資信託は種類も多く、どのような投資信託を選べばよいのか悩んでいる人も多いのではないでしょうか。今回は投資信託を選ぶ時のポイントや、知っておきたいことをまとめました。
目次
商品を選ぶ前にするべきこと
投資の目標や目的を決める
投資信託にはそれぞれに個性があります。そのため、投資信託を選ぶ前に自身がどのように運用したいのか、何のために投資をしたいのかを考えてみましょう。
例えば、教育資金の準備をするために投資をしたいのか、老後資金の準備をするために投資をしたいのかなどです。それぞれの目的によっても必要な金額は違いますし、運用に求める安全性も異なります。また、リスクがあってもお金を積極的に増やしたいのか、あるいはリスクは抑えたいのかなど、どのように運用していきたいのかも考えてみるといいかもしれません。
投資信託のタイプを決める
目的、目標を決めたら次は投資信託のタイプを選びます。投資信託には債券型、株式型、REIT(リート)型、コモディティ型に分けられます。投資をする対象によってそれぞれ特徴があります。
債券型は、債券のみで運用し値動きが小さいのが特徴のため、リスクを抑えたい人に向いている投資信託です。株式型は株式で運用するもので債券型より値動きが大きい傾向があるため、リスクをとっても積極的な運用をしたい人に向いているかもしれません。
REIT型は不動産が投資対象で、コモディティ型は原油や金、農作物などを組み入れて運用するものです。REIT型も、コモディティ型も株式と同じく市場の動きによっては値が大きく動く商品です。
また、投資をする資産は国内のものにするか、海外のものにするかを選ぶ必要があります。海外の資産の方が為替の影響から、国内の資産に比べて値動きが大きくなる性質があります。また、海外は先進国と新興国に分けられ、先進国と新興国を比べると新興国の方が値動きが大きいです。
投資信託の運用方法を決める
投資信託の運用方法には、インデックス型とアクティブ型の2種類があります。インデックス型は東証株価指数や日経平均株価などの指数に連動した値動きになるように運用されます。インデックス型は、アクティブ型に比べて運用コストが安く値動きが分かりやすいのが特徴です。
アクティブ型は、指数を上回る運用をします。ファンドマネージャーが資産や銘柄を選んで投資信託に組みこみますので、運用の成果はファンドマネージャーの手腕に左右されます。また、インデックス型に比べて運用コストが高めに設定されています。
投資信託を選択する基準は?
運用実績
投資信託を選ぶ際の基準に、運用実績があります。運用実績を見る時は3年以上、可能であれば5年以上の運用状況を確認するのが理想です。運用の期間が3年未満の場合、たまたま市況が良かった可能性もあり十分な判断ができないためです。
また、投資信託には、ベンチマークという指数が設定されています。ベンチマークは運用成績を比べるための指数であり、投資信託によって異なります。
例えば、東証株価指数をベンチマークに設定しているものもありますし、日経平均株価をベンチマークに設定しているものもあります。収益率よりもベンチマークが高いか低いかを見ることで、対象の投資信託の運用が良かったのか悪かったのかということが分かります。
販売手数料や信託報酬などのコスト
投資信託は買う時、売る時、そして保有している間も費用がかかります。売買時のコストが高いものもありますし、信託報酬など運用期間中のコストが高く設定されているものもあります。
例えば、買う時の手数料が無料でも売る時に高い手数料がかかることもあります。そのため、購入時から売却時までにかかる費用を比較することが大切です。投資信託にかかる費用はいろいろありますが、販売手数料と信託報酬は投資信託の2大コストと呼ばれています。
運用期間
運用期間も確認が必要です。例えば、対象の投資信託が複利での運用であれば長期保有をすることで複利の効果を最大限に取り込めます。
長期保有することで購入時や解約時にかかる手数料の負担を減らすこともできます。自分の目的に合った運用期間を選ぶようにしましょう。
投資信託の規模を表す純資産高
投資信託の規模を表す数字に純資産残高というものがあります。運用会社が毎営業日に算出します。
純資産残高は運用成績と資金流出入の影響を受けるものです。例えば運用成績がよければ残高は増えますし、運用成績がよくても資金流出が多ければ残高は減少します。そのため、残高が大きければ良いというものではありませんが小さすぎるのも良くありません。
投資信託を選ぶ際には、30億円以上の純資産残高があるかが目安となってきます。10億円を下回ってしまうと途中で運用が中止される可能性がありますので注意が必要です。
売買回転率は低い方がおすすめ
投資信託の債券や株式を売買する度合いを表す指標に売買回転率というものがあります。売買回転率が高いとリスクをとった運用をする傾向があると言えますし、売買回転率が低いとリスクを抑えて運用する傾向があると言えます。
売買時にはコストもかかります。売買する頻度が高いと、コストがかかり運用成績が悪化する可能性もあります。そのため、売買回転率は低い方が良いでしょう。
ファンドマネージャー
実際に投資信託を運用する人をファンドマネージャーと言います。投資信託の運用方法や運用スタイルは様々なものがあり、同じ投資信託の運用でもファンドマネージャーが変われば投資信託の値動きも変わってきます。
安定的に運用することを考えれば、ファンドマネージャーの変更は望ましくありません。ファンドマネージャーの運用経験年数もできれば確認しておきたいものです。目安としては運用経験年数が5年以上あると良いでしょう。
どこで購入するかもポイントに
証券会社によって手数料は違う
投資信託の購入時に販売会社に支払う手数料を、購入手数料と言います。同じ投資信託でも購入する証券会社によっては、購入手数料は異なります。そのため、購入する場所も重要です。
投資信託は、店舗型の証券会社をはじめ銀行、郵便局、ネット証券などで購入できます。店舗型は購入時に相談できますが購入手数料が高く設定されていることがあります。また、投資信託の中には購入手数料が無料のノーロード型もあります。
購入する時は販売手数料がどれくらいかかるのかも調べると良いです。
保険も選択肢として検討
資産運用と保障を兼ねられる
資産運用の際は、保険も選択肢に入れてみると良いかもしれません。資産運用というと株や投資信託などを思い浮かべる人が多いですが、保険でも資産運用することはできます。
保険で資産運用するメリットは、もしもの時に備えながら資産運用できることです。また、年末調整の時に保険料控除を受けられるため節税効果もあります。保険は多額の資産が用意できなくても少しずつ積み立てていくことができるため、取り入れやすい資産運用とも言えます。
投資向きの保険商品
保険で資産運用をする時には貯蓄型の商品を選びましょう。貯蓄型とは満期保険金や解約返戻金がある保険で、終身保険や、養老保険、学資保険などです。
終身保険の中でも低解約返戻金型終身保険は、保険料払込期間の解約返戻金は低いです。しかし、保険料払込期間が終われば一般の終身保険と同等の解約返戻金があるため、長期的な資産運用に向いています。
保険料や保険金を外貨で運用する保険も投資に向いています。外貨建ての保険は国内の保険に比べると利率が高いことが多いため、資産を増やすこともできます。日本円だけでなく外貨で資産をもっておくとリスクの分散にもなるとも言えます。
まとめ
今回は、投資信託を選ぶ時のポイントや資産運用にも使える保険を取り上げてみました。老後資金を貯めたい人、子どもの学費を貯めたい人それぞれの目的に合った投資信託や保険があります。これから資産運用をしてみようと思っている人は、よくそれぞれの特性を知ってから運用を行うと良いでしょう。