一時払い終身保険という保険をご存じでしょうか。うまく活用すれば資産運用や節税に役立つとして、注目を集めている商品です。一時払い終身保険の特徴やおすすめのポイント・メリットについてご紹介します。
目次
一時払い終身保険の特徴
保険料を一括で支払う終身保険
一時払い終身保険の「一時払い」とは、保険期間に対する保険料を一括で納めることを言います。保険会社によって様々なプランがありますが、保険料を一括で支払っておくことで万が一の際の保障が確保でき、払った金額に上乗せされた死亡保険金を受け取れるケースが多くなっています。加入年数が経過するにつれ、解約返戻金の金額も保険料を上回る形となります。ただし、短期間で解約すると元本割れしてしまう場合があるため、契約時にしっかり確認しておきましょう。
保険料が割安
一時払い終身保険は、月払いや年払いの場合よりもトータルで支払う保険料が割安になります。分割で支払う際に毎回かかる手数料などをあらかじめ差し引いてあるためです。
ただし、一時払いではまとまった金額を一度に支払うことになるため、経済的に余裕のある人向けの商品となります。
一時払い終身保険は告知不要?
申込時の告知が簡単
保険会社や契約プランによる違いもありますが、一時払い終身保険は職業告知のみで申し込める場合があります。そもそも告知自体が不要であったり、健康状態の告知や審査が不要であったりするケースもあり、健康状態に不安のある人でも申し込み可能である場合があります。
ただし、入院中などは申し込み不可という商品もあるため、事前確認が必要です。
加入条件が緩やかな理由
一時払い終身保険では加入者から一括で保険料が納入されるため、万一の事があってもその金額から死亡保障が支払われることになります。保険会社が損害を被ることが比較的少ないことも、加入の際の条件が緩やかに設定されている理由の一つです。
払ったお金が万が一の時に返ってくるということは加入者にとって嬉しい側面であり、「資産運用や節税対策のために生命保険会社に預ける」という性格を持ち合わせた保険であるとも言えます。
一時払い終身保険が相続税対策になる理由
生命保険の死亡保険金には非課税枠がある
生命保険の死亡保険金には、「500万円×法定相続人の人数分」という非課税枠があります。この非課税枠を利用すると大きな節税効果を生むことができます。
例えば、死亡保険金が1000万円・法定相続人が妻と子の2人である場合について説明しましょう。500万円×2人=1000万円までは非課税となり、相続税がかかりません。同じ1000万円でも口座預金として持っている場合には課税対象となるため、相続の際には税金を納めなければなりません。単純に相続するよりも死亡保険金として受け取る方が節税につながることがわかります。
指定した受取人に資産を残せる
保険金の受取人は、契約時に決めておくことができます。受取人の名前・受け取る金額の割合を複数人について指定することも可能です。生命保険契約における受取人の指定は遺言書と同じ効力を持つため、あらかじめ受取人を指定しておくことで、自身の死後に無駄な争いを防ぐこともできます。
また、残高のある通常口座であっても名義人の死後には凍結されてしまいます。一度凍結された口座からお金を引き出せるようになるまでには、相続人全員が必要書類の記入を行うなどの複雑な手続きや長い時間を要してしまうことになるのです。一方、死亡保険金として受け取る場合に必要なのは書面での手続きのみで、かかる時間も1週間前後です。手間と労力の面から考えても、一時払い終身保険を利用するメリットはあるのではないでしょうか。
高齢者も加入しやすい
先ほども記述した通り、健康状態の告知や審査が緩やかであることは一時払い終身保険のメリットの一つですが、加入できる年齢の幅が広いことも特長として挙げられます。高齢者の方も加入しやすい保険であると言えます。「終活」という言葉もあるように、自身の亡き後に家族へ向けてできることの一つとして検討してみるのも良いでしょう。
まとめ
一時払い終身保険の特徴について紹介しました。いろいろなメリットがある一方、加入後一定の期間については解約返戻金が元本割れしてしまう恐れもあるため注意が必要です。契約時には大きな金額を払い込むこととなるため、近い将来必要になる資金は確保できているのか、経済的な余裕は十分にあるのかなどの点を確認の上で検討してください。
また、契約金額や相続人の人数によって条件も変わるため、FP(ファイナンシャルプランナー)や保険会社の担当者に相談しながらしっかり考えましょう。