一時払い終身保険とは?告知不要で相続税対策になる?

この記事について

編集責任者 河口 武志(株式会社イード コンテンツマーケティング事業部 部長)が監修しています。制度・数値は厚生労働省・金融庁・各保険会社の公表資料など一次情報にあたって確認しています。詳しくは編集方針をご覧ください。

まとまった資金をどう活用するか。相続対策と資産運用を同時に考えたとき、候補に挙がるのが「一時払い終身保険」です。保険料を一括で払い込むこの商品は、健康状態に不安がある人でも申し込みやすく、相続税の非課税枠を使えるという特徴があります。一時払い終身保険の仕組みと、相続税対策としてどのように機能するのかを見ていきましょう。

目次

一時払い終身保険の特徴

一時払い終身保険は、通常の終身保険とは保険料の払い方が異なります。保険期間に対する保険料をあらかじめ一括で納める点が最大の特徴で、その分、月払いや年払いの終身保険とは費用面や契約条件も変わってきます。まず、保険料の支払い方法と、それによって生じるコスト面の違いを確認しておきましょう。

保険料を一括で支払う終身保険

一時払い終身保険の「一時払い」とは、保険期間に対する保険料を一括で納めることを指します。保険会社によってプランはさまざまですが、保険料を一括で支払っておくことで万一の際の保障が確保され、払った金額に死亡保険金が上乗せされて受け取れるケースが多く見られます。

加入年数が経過するにつれ、解約返戻金の金額は保険料を上回る形になっていきます。ただし、短期間で解約すると元本割れしてしまう場合があるため、契約時にはその条件をしっかり確認しておく必要があります。

保険料が割安

一時払い終身保険は、月払いや年払いの場合よりもトータルで支払う保険料が割安になる傾向があります。分割で支払う際に毎回かかる手数料などが、あらかじめ差し引かれているためです。

一方で、一時払いではまとまった金額を一度に支払う必要があります。経済的に余裕のある人向けの商品といえるでしょう。

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一時払い終身保険は告知不要?

持病があると保険加入は難しいと考える人は多いはずです。しかし一時払い終身保険は、その常識が当てはまらない場合があります。告知や審査の仕組みが通常の終身保険とどう違うのか、そしてなぜそうした条件が成り立つのかを見ていきましょう。

申込時の告知が簡単

保険会社や契約プランによって違いはありますが、一時払い終身保険は職業告知のみで申し込める場合があります。告知自体が不要であったり、健康状態の告知や審査が不要であったりするケースもあり、健康状態に不安のある人でも申し込み可能な場合があるのです。

ただし、入院中などは申し込み不可という商品もあります。加入を検討する際は事前確認が欠かせません。

加入条件が緩やかな理由

一時払い終身保険では、加入者から一括で保険料が納入されます。そのため、万一のことがあってもその金額から死亡保障が支払われる仕組みになっており、保険会社が損害を被ることが比較的少ないのです。これが、加入条件が緩やかに設定されている理由の一つです。

払ったお金が万一の際に返ってくることは、加入者にとって嬉しい側面でもあります。一時払い終身保険は「資産運用や節税対策のために生命保険会社に資産を預ける」という性格を併せ持った保険だといえるでしょう。

一時払い終身保険が相続税対策になる理由

なぜ一時払い終身保険が相続税対策として注目されるのでしょうか。理由は、死亡保険金にかかる非課税枠と、受取人を指定できるという契約上の仕組みにあります。それぞれどのような効果があるのか、具体的に確認していきましょう。

生命保険の死亡保険金には非課税枠がある

生命保険の死亡保険金には「500万円×法定相続人の人数分」という非課税枠が設けられています。この非課税枠を利用すると、大きな節税効果が生まれます。

例えば、死亡保険金が1000万円で法定相続人が妻と子の2人である場合を考えてみましょう。

受け取り方金額非課税枠課税対象
死亡保険金として受け取る1000万円500万円×2人=1000万円なし
口座預金として遺す1000万円適用なしあり

同じ1000万円でも、口座預金として持っている場合は課税対象となり、相続の際には税金を納めなければなりません。単純に相続するよりも、死亡保険金として受け取るほうが節税につながることがわかります。

指定した受取人に資産を残せる

保険金の受取人は契約時に決めておけます。受取人の名前や受け取る金額の割合を、複数人について指定することも可能です。生命保険契約における受取人の指定は遺言書と同じ効力を持つため、あらかじめ受取人を指定しておくことで、自身の死後に無駄な争いを防ぐことにもつながります。

残高のある通常口座は、名義人の死後には凍結されてしまいます。一度凍結された口座からお金を引き出せるようになるまでには、相続人全員が必要書類の記入をおこなうなど複雑な手続きが必要で、長い時間もかかります。一方、死亡保険金として受け取る場合に必要なのは書面での手続きのみで、かかる時間も1週間前後です。手間と労力の面から見ても、一時払い終身保険を利用する意味は十分にあります。

高齢者も加入しやすい

健康状態の告知や審査が緩やかであることは一時払い終身保険のメリットの一つですが、加入できる年齢の幅が広いことも特長として挙げられます。高齢者でも加入しやすい保険だといえるでしょう。「終活」という言葉があるように、自身が亡くなった後に家族へ向けてできることの一つとして検討してみてはいかがでしょうか。

まとめ

一時払い終身保険は、保険料の割安さ、告知や審査の緩やかさ、そして相続税の非課税枠という3つの側面から、資産運用と相続対策を同時に叶えられる商品です。一方で、加入後一定の期間は解約返戻金が元本割れしてしまう恐れもあるため、注意が必要です。

契約時には大きな金額を払い込むことになります。近い将来に必要になる資金が確保できているか、経済的な余裕は十分にあるかといった点を、事前に確認しておきましょう。

契約金額や相続人の人数によって条件も変わってきます。FP(ファイナンシャルプランナー)や保険会社の担当者に相談しながら、自身の状況に合った形で検討することをおすすめします。

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著者

株式会社イード コンテンツマーケティング事業部 部長。

広島大学卒業後に慶應義塾大学の大学院に進学。大学院では『ダイレクト・レスポンス・マーケティングにおけるユーザ行動分析に関する研究』を修士論文としてマーケティングの研究に取り組む。

LiPro(婚活)メディアを始め、めしレポSpicomiCareer Theoryなど多数サービスの責任者を務める。
特定非営利活動法人 広島経済活性化推進倶楽部の理事に従事。

著書「婚活メンパ革命〜自分を削る婚活は卒業!消耗しない人が勝つ「婚活フィルタリング戦略」〜」を発売。

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