日本は地震大国と言われています。普段何気なくテレビを観ている際に、発生した地震速報を目にする機会も多いのではないでしょうか?今回は、地震保険にどのくらいの人が加入しているのかという具体的数値と、加入の必要性について解説します。
目次
地震保険の加入世帯の割合は?
地震保険の加入率の状況
世帯別に見る地震保険の加入率は、2016年12月末時点で全国平均が30.5%となっています。加入率が高い都道府県は宮城県で51.8%、加入率が低い県は沖縄で14.8%です。(2016年度版・損害保険料率算出機構統計集より)
宮城県の加入率が高い背景には、2011年の東日本大震災で大きな被害が出たことがあります。また、将来的に大きな地震が予測されている東海地方においても加入率が高い傾向にあります。
地震保険の付帯率は上昇
地震保険は単独では契約することができず、火災保険に付帯して契約する必要があります。火災保険に加入している人が地震保険をセットしている付帯率は、東日本大震災以降、全国的に上昇傾向にあります。
2016年12月末時点で付帯率の高い都道府県は、宮城県で86.4%にも上ります。一方、付帯率が低い県は長崎で45.0%です。(2016年度版・損害保険料率算出機構統計集より)
地震保険の加入率が低い理由
保障額は火災保険の半額まで
地震保険の加入率が低い理由の1つに、保障額が損失を補てんするのに十分ではないことが考えられます。地震保険では、建物や家財が全壊あるいは全焼をした場合でも火災保険の半額までしか補償されません。そのため、地震保険の保険金が仮に満額支払われたとしても、保険金だけでは地震により失った建物と同等の家を建て直すことができないのです。
地震保険料が高い
地震保険では、建物の所在地と構造により保険料が算出されます。鉄筋コンクリートなどの免震構造であるか、木造のような耐震構造であるか、地震の発生率が高いと見込まれている地域かどうかなど、様々な要因が保険料にからんでいます。
地震保険料が高くなる要因の一つとして、地震によるリスクが大きすぎることが挙げられます。地震による天災は被害地域が広範囲に及び、多くの人に甚大な被害が発生する可能性が高いです。基本的に保険料はリスクに応じて決まるため、地震保険料は高くなるのです。
また、保険会社だけでは地震によるリスクをすべてカバーすることができないため、国も地震保険のリスクを引き受けておりどの保険会社で加入しても保険料は同じです。
一部損に該当しないと支払われない
地震保険の支払事由には、100%の全損、60%の大半損、30%の小半損、5%の一部損があります。(2017年1月の改定より)地震保険では、一部損以上の認定に該当しなければ保険料が支払われないため、地震保険に加入することを躊躇する人がいるという見方ができます。
しかし、地震による火災や津波などの被害は、火災保険ではカバーされず、地震保険に加入する必要があることを覚えておくとよいでしょう。
地震保険に特に加入するべき人は?
住宅ローンの残債が多い
仮に地震による被害で住居を失った場合であっても、住宅ローンの支払いを免れることはできません。被災により家を建て直すお金どころか、生活を維持する資金もない状態でローンは支払い続けなければならないのです。そのため、住宅ローンの残債がまだ多く残っている人は地震保険に加入しておいた方が賢明と言えます。
住宅購入後間もない人で地震保険に加入している人も、入りっぱなしにせず、ローンの残高が少なくなって来たら保険を見直してみるのもよいでしょう。ちなみに、地震保険は状況によっては改定することもあるため、加入する際には動向やタイミングを見計らうことが大切です。
被災によって収入が途絶える可能性が高い
所有建物に地震被害が及んだ場合、住居兼店舗として使用していた自営業者などは、建物を住居専用として使用していた会社員の人と比較して損失が大きくなります。会社員の場合であれば被害地域から離れた土地に赴任して働き続けることができますが、住居兼店舗を失った自営業者などは、生活基盤と同時に収入源を失います。地震によって建物に損害が発生した場合は多額の資金が必要になりますが、収入が途絶えてしまうと生活の立て直しも難しくなる可能性が高いです。
自分の建物を住居兼店舗としている人は、地震によるリスクが会社員の人に比べて高いため、地震保険に加入しておく方が良いでしょう。
貯金がない
現金や預貯金などの財産がない人は、地震による被害を受けた際に生活を建て直す資金が十分ではないことがあります。大きな地震が発生した際には、被害世帯に向けて政府や自治体からの援助があることもありますが、多くは臨時的な方策であり、永続的なものではありません。財産や資産のない人には、地震保険に加入して備えておくと良いかもしれません。
まとめ
地震保険の加入率と必要性についてお話ししました。地震保険だけでリスクをすべてカバーすることは難しいかもしれませんが、保険金を支えに生活を立て直すことができる可能性があります。住宅の購入を控えている人や、地震保険の加入について迷っている人は、この記事を参考に検討してみてはいかがでしょうか。